第1問
大山先生の好きな指し方は?
A 46銀 B 66銀 C 37歩
第2問
少しひねります。
A 13角成 B 37歩 C 24歩
第3問
後手のねらいを考えます。
A 23歩 B 14歩 C 38歩
第4問
後手のねらいを封じます。
A 44桂 B 54銀 C 54桂
第5問 これは後手の飯野先生の手を考えてください。
大山先生が見落としました。
A 57香 B 84香 C 75桂
20171113今日の一手
8月6日の名南将棋大会から、NさんとUさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
一昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
香と歩2枚の交換で、竜を作られています。後手に持ち歩がないので大きな差ではありませんが先手の駒損です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。ただし横から攻めには先手玉は堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒飛角銀で3枚。45桂も働きそうです。
後手の攻め駒は19竜26角と持ち駒銀香で4枚。
総合すれば後手有利です。
☆ 大局観として
後手有利ではあるのですが、後手の32金26角19竜は狙いやすい配置ですね。両取りの筋がちらつくので、逆転のチャンスです。
後手のねらいは57香同金59角成、あるいは51香の銀取りです。それを上回る攻めを考えればよいわけです。59歩を打ったために香車で崩されやすくなったのですが、バリケードを築いているとみて、強い手段を考えます。
△ まず見えるのは36飛でしょうか。(私はこういうのが見えにくい病ですが)
35銀には53角で返します。銀を使わせて飛角交換というのは歓迎してもよいです。
後手は44角の王手で返すのでしょう。55角同角同銀31香
というのはこれからの将棋です。
怖いのは57香で
「両取り逃げるべからず」ですね。26飛58香成同金69銀
角は取ったけれども食いつかれていて、26飛は遊んでいますから、結構難しいです。
△ 実戦は37歩と受けて
51香の時に36飛を打ちました。44角に
66角同角同歩56香32飛成
で寄せ合いです。58香成同金56角53桂不成79銀
玉を上に追うのですが、先手玉には詰めろがかかる(この先の実戦の手順が不明ですが、77玉88銀打86玉84歩くらいか)し、後手玉は詰み筋がありません。
53桂不成で79金とか受けていたらどうなっていたことか。
途中58香成で62銀
と打って寄せ合いもあります。先手玉は詰まず、後手玉は詰めろです。62同金同竜61金に53桂成
駒を渡してもよいので強く迫ります。62金同成桂71銀
71同成桂は詰めろにならないので、72成桂同玉53銀61銀
これで詰めろは続きません。互いの持ち駒も変わったので、58金から受けに回って違いがあるかどうか。
どれも難しそうです。
○ 先ほどの36飛や37歩51香36飛は角を王手で逃げられてしまいましたから、飛を打つなら41飛のほうが良さそうです。
何を狙っているかと言えば、21飛成から王手(または詰めろ)竜取りの46角の筋です。
その他にも57香に53角
という寄せがあるのです。71銀92玉61飛成の筋が厳しいので、53同角同桂不成
手順の寄せがあります。後手はまともに受けられないので、44角で外すのですが、55角53角に21飛成
竜を取る前に桂を取るのが良い手です。2手すきの竜取りで優勢です。
後手は57香では間に合わず、51香
と攻防に打ちます。ここで21飛成で王手竜取りの筋が生じ、44角に66角
と打つべきか。(77銀には16竜で難しい。)42金でいろいろ逃げられたようでも、44角同歩62銀
(これが見えなければ53桂打)62同金51竜61金42竜
先手の駒得ですし、53桂不成からの寄せをみて先手優勢です。
△ 手順前後で53角は44銀
と打たれてしまいます。75角成51香66馬
と受けるのが次善の策のようですが、45銀同銀58香成同金59角成
バリケードが食い破られてしまいました。
正しくは57銀
と打って我慢すればこれからです。駒損ですが飛を打って駒を取る手が残っています。
後手には53角に16竜
と歩を補充して王手竜取りの筋を避けるというのもあって、56銀は竜で狙われています。
× 他の角打ちを見てみると、55角は
16竜41飛51香
香打ちがより痛そうですが、21飛成55香53桂打
で迫ってみます。56香61桂成44角打
角を打つ方が手堅いです。66歩58香成同歩31歩62香94歩
これで当面後手玉に詰めろがかかりませんから後手の勝ち筋です。
× 46角と打って16竜に41飛だと
51香の怖さが減っていますし、16竜で56銀が取られない形です。
けれど歩を渡したので31歩33歩52銀
で飛車を捕獲されます。61飛成同銀左32歩成同歩
二枚換えで駒損を解消したのですが、後手の32金をさばかせたから形勢は互角です。
△ 受ける気になれば11角として
馬作りは考えられます。後手は歩切れで33歩がありません。51香に66角成
で息長く指します。先ほどやった53角~75角成よりは手数がかからないです。
△ 最後は33歩で
桂交換なら王手竜取りの筋です。31金に53角が両取りになっていて、53同角同桂成
51香62銀53香61銀成同金51飛
うまく攻めているようですが、52銀打31飛成56香
53歩と打てれば優勢なのですが。これは何とも言えません。後手もちなのかもしれません。
☆ まとめ
チャンス、という意味は解ってもらえたでしょうか。あれこれあって目移りしますが、後手が歩切れだということもあり、41飛が一番厳しいという結論です。(31歩がないから)21飛成~32竜と駒を取る手が厳しいのですから笑いが止まりません。歩切れ、竜の位置、32金の離れ駒、をとがめています。
ゆっくり馬を作るというのもあります。53角よりは11角~66角成です。ここでも後手の歩切れをついています。銀損になったとしても、後で41飛か11飛で桂香を取りに行く構想です。
36飛のほうに目が行くと飛車が遊んでしまう懸念があります。中段に飛を打つのはあまり良い手にならないでしょう。
55角や46角もパッとしませんでした。竜取りは切り札に取っておくのが良いようです。
相手の嫌味を突く、というのは相手のそれまでの指し手を否定するわけですから、うまくいけば形勢が一気に好転します。