名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20171113

2017-11-13 | 大山将棋研究
大山先生先手番です。

第1問


大山先生の好きな指し方は?
A 46銀 B 66銀 C 37歩

第2問


少しひねります。
A 13角成 B 37歩 C 24歩

第3問


後手のねらいを考えます。
A 23歩 B 14歩 C 38歩

第4問


後手のねらいを封じます。
A 44桂 B 54銀 C 54桂

第5問 これは後手の飯野先生の手を考えてください。


大山先生が見落としました。
A 57香 B 84香 C 75桂
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大山将棋研究(702);石田流に位取り(飯野健二)

2017-11-13 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171113
昭和58年1月、飯野健二先生と第24期王位戦です。

飯野先生の三間飛車で

大山先生は6筋の位取りです。今なら角交換振り飛車を考えるかもしれませんが当時は角交換を避けて44歩が常識でした。

大山先生はいつものように3筋の歩交換を許して指します。

すぐに37歩を打たないで飛車先を伸ばしますが、飯野先生は打ってもらうまで戻らないつもりです。13角を準備して突っ張りました。34飛で悪いこともないのですが。

角がぶつかって収まらなくなってきました。

大山先生は単純な角交換ではつまらない、と24歩同歩16歩で角をいじめる方針です。(13角成同香22角は39角が嫌な手です。37歩を打つと35飛~25飛が気になります。)

飯野先生は25桂で返します。

14歩に22角~66角を嫌って大山先生の23歩は渋い手で、飯野先生も銀を引いて31角~53角のコースを作ります。

プロらしい中央のやり取りの後に、37桂成を決行しました。

桂飛の交換になり

59飛39飛同飛成同金これなら飯野先生は37飛38飛同飛成同金59飛・・・で千日手を選べます。

千日手なんて考えないで42角だったので、大山先生はその角を捕獲しようと動きました。

角は死んで

と金で角を取ろうと欲張ったら、75桂が飛んできました。歩切れだし75同歩とは取りにくいのですが

角を取って87桂成を食らってはかなり危険です。飯野先生はすぐに84香で角を取り返せますが

57歩成同金左56歩同金66桂、先手玉を66に逃がさないようにという工作です。でも51と同金79金は大丈夫かな?51と に58桂成か84香もあるし、かなり複雑なのですが、狙い過ぎなのかもしれません。

大山先生は大事を取って自陣飛車ですが、

この飛は取ってもらえなくて

かなり危ないです。

飛車は取られてしまいました。でも角2枚持っているから、悪くなったわけではありませんでした。してみると飛車打ちは好手なのかも。51と~79金と59飛の選択はどちらとも言えないです。

あとは大山先生がが入玉できるかどうかです。

22まで到達しましたが

捕まっていてもおかしくはないです。

が足りなかったみたいで投了図。

大山先生は角をタダで取ろうとしたのですが、75桂を食らって危ないところでした。寄せられていてもおかしくないのですが、かろうじて残っていたという将棋です。
その前の飯野先生のさばき、大山先生の安易にさばかせないという対応も面白かったです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:飯野健二5段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3二飛(82)
5 5六歩(57)
6 4二銀(31)
7 4八銀(39)
8 6二玉(51)
9 6八玉(59)
10 7二銀(71)
11 7八玉(68)
12 7一玉(62)
13 6五歩(66)
14 4四歩(43)
15 5七銀(48)
16 3五歩(34)
17 6八銀(79)
18 5二金(41)
19 6七銀(68)
20 3六歩(35)
21 同 歩(37)
22 同 飛(32)
23 7七角(88)
24 5四歩(53)
25 2六歩(27)
26 5三銀(42)
27 2五歩(26)
28 1四歩(13)
29 6六銀(57)
30 1三角(22)
31 6八角(77)
32 3三桂(21)
33 2四歩(25)
34 同 歩(23)
35 1六歩(17)
36 4五歩(44)
37 1五歩(16)
38 2五桂(33)
39 2三歩打
40 6二銀(53)
41 5五歩(56)
42 同 歩(54)
43 同 銀(66)
44 3一角(13)
45 7七角(68)
46 5六歩打
47 6八金(69)
48 3七桂成(25)
49 同 桂(29)
50 同 飛成(36)
51 3八飛(28)
52 同 龍(37)
53 同 金(49)
54 5九飛打
55 3九飛打
56 同 飛成(59)
57 同 金(38)
58 5三角(31)
59 4四桂打
60 5一金(52)
61 5四歩打
62 4二角(53)
63 2二歩成(23)
64 2五歩(24)
65 3四飛打
66 3三飛打
67 同 飛成(34)
68 同 角(42)
69 2三と(22)
70 3七飛打
71 4八金(39)
72 3九飛成(37)
73 5八金(48)
74 4二角(33)
75 3二桂成(44)
76 1九龍(39)
77 3三と(23)
78 7五桂打
79 4二と(33)
80 8七桂成(75)
81 同 玉(78)
82 8九龍(19)
83 8八角(77)
84 5七歩成(56)
85 同 金(68)
86 5六歩打
87 同 金(57)
88 6六桂打
89 8六歩打
90 8四香打
91 5九飛打
92 8六香(84)
93 7七玉(87)
94 7八桂成(66)
95 6六玉(77)
96 8八龍(89)
97 5一と(42)
98 7七龍(88)
99 5七玉(66)
100 6八角打
101 同 金(58)
102 同 龍(77)
103 6六玉(57)
104 7七成桂(78)
105 6一と(51)
106 同 銀(72)
107 4四銀(55)
108 6七成桂(77)
109 5五玉(66)
110 5九龍(68)
111 4三角打
112 5二歩打
113 5三桂打
114 7二銀打
115 6一桂成(53)
116 同 銀(72)
117 4五玉(55)
118 3八飛打
119 3五金打
120 5一桂打
121 2五角成(43)
122 4三歩打
123 5五銀(44)
124 4四金打
125 同 銀(55)
126 同 歩(43)
127 3四玉(45)
128 5六龍(59)
129 3三玉(34)
130 3五飛成(38)
131 同 馬(25)
132 5四龍(56)
133 2二玉(33)
134 4三龍(54)
135 2一銀打
136 2三金打
137 1一玉(22)
138 3一金打
139 3三香打
140 同 龍(43)
141 同 成桂(32)
142 2二銀打
143 同 成桂(33)
144 同 金(23)
145 1二金打
146 投了
まで145手で先手の勝ち

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20171113今日の一手(その601);相手の嫌味を突く

2017-11-13 | 今日の一手

20171113今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、NさんとUさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
香と歩2枚の交換で、竜を作られています。後手に持ち歩がないので大きな差ではありませんが先手の駒損です。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。ただし横から攻めには先手玉は堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒飛角銀で3枚。45桂も働きそうです。
後手の攻め駒は19竜26角と持ち駒銀香で4枚。

総合すれば後手有利です。

☆ 大局観として
後手有利ではあるのですが、後手の32金26角19竜は狙いやすい配置ですね。両取りの筋がちらつくので、逆転のチャンスです。
後手のねらいは57香同金59角成、あるいは51香の銀取りです。それを上回る攻めを考えればよいわけです。59歩を打ったために香車で崩されやすくなったのですが、バリケードを築いているとみて、強い手段を考えます。


△ まず見えるのは36飛でしょうか。(私はこういうのが見えにくい病ですが)

35銀には53角で返します。銀を使わせて飛角交換というのは歓迎してもよいです。
後手は44角の王手で返すのでしょう。55角同角同銀31香

というのはこれからの将棋です。

怖いのは57香で

「両取り逃げるべからず」ですね。26飛58香成同金69銀

角は取ったけれども食いつかれていて、26飛は遊んでいますから、結構難しいです。


△ 実戦は37歩と受けて

51香の時に36飛を打ちました。44角に

66角同角同歩56香32飛成

で寄せ合いです。58香成同金56角53桂不成79銀

玉を上に追うのですが、先手玉には詰めろがかかる(この先の実戦の手順が不明ですが、77玉88銀打86玉84歩くらいか)し、後手玉は詰み筋がありません。
53桂不成で79金とか受けていたらどうなっていたことか。

途中58香成で62銀

と打って寄せ合いもあります。先手玉は詰まず、後手玉は詰めろです。62同金同竜61金に53桂成

駒を渡してもよいので強く迫ります。62金同成桂71銀

71同成桂は詰めろにならないので、72成桂同玉53銀61銀

これで詰めろは続きません。互いの持ち駒も変わったので、58金から受けに回って違いがあるかどうか。

どれも難しそうです。


○ 先ほどの36飛や37歩51香36飛は角を王手で逃げられてしまいましたから、飛を打つなら41飛のほうが良さそうです。

何を狙っているかと言えば、21飛成から王手(または詰めろ)竜取りの46角の筋です。
その他にも57香に53角

という寄せがあるのです。71銀92玉61飛成の筋が厳しいので、53同角同桂不成

手順の寄せがあります。後手はまともに受けられないので、44角で外すのですが、55角53角に21飛成

竜を取る前に桂を取るのが良い手です。2手すきの竜取りで優勢です。

後手は57香では間に合わず、51香

と攻防に打ちます。ここで21飛成で王手竜取りの筋が生じ、44角に66角

と打つべきか。(77銀には16竜で難しい。)42金でいろいろ逃げられたようでも、44角同歩62銀

(これが見えなければ53桂打)62同金51竜61金42竜

先手の駒得ですし、53桂不成からの寄せをみて先手優勢です。


△ 手順前後で53角は44銀

と打たれてしまいます。75角成51香66馬

と受けるのが次善の策のようですが、45銀同銀58香成同金59角成

バリケードが食い破られてしまいました。

正しくは57銀

と打って我慢すればこれからです。駒損ですが飛を打って駒を取る手が残っています。

後手には53角に16竜

と歩を補充して王手竜取りの筋を避けるというのもあって、56銀は竜で狙われています。


× 他の角打ちを見てみると、55角は

16竜41飛51香

香打ちがより痛そうですが、21飛成55香53桂打

で迫ってみます。56香61桂成44角打

角を打つ方が手堅いです。66歩58香成同歩31歩62香94歩

これで当面後手玉に詰めろがかかりませんから後手の勝ち筋です。


× 46角と打って16竜に41飛だと

51香の怖さが減っていますし、16竜で56銀が取られない形です。
けれど歩を渡したので31歩33歩52銀

で飛車を捕獲されます。61飛成同銀左32歩成同歩

二枚換えで駒損を解消したのですが、後手の32金をさばかせたから形勢は互角です。


△ 受ける気になれば11角として

馬作りは考えられます。後手は歩切れで33歩がありません。51香に66角成

で息長く指します。先ほどやった53角~75角成よりは手数がかからないです。


△ 最後は33歩で

桂交換なら王手竜取りの筋です。31金に53角が両取りになっていて、53同角同桂成

51香62銀53香61銀成同金51飛

うまく攻めているようですが、52銀打31飛成56香

53歩と打てれば優勢なのですが。これは何とも言えません。後手もちなのかもしれません。


☆ まとめ

チャンス、という意味は解ってもらえたでしょうか。あれこれあって目移りしますが、後手が歩切れだということもあり、41飛が一番厳しいという結論です。(31歩がないから)21飛成~32竜と駒を取る手が厳しいのですから笑いが止まりません。歩切れ、竜の位置、32金の離れ駒、をとがめています。

ゆっくり馬を作るというのもあります。53角よりは11角~66角成です。ここでも後手の歩切れをついています。銀損になったとしても、後で41飛か11飛で桂香を取りに行く構想です。

36飛のほうに目が行くと飛車が遊んでしまう懸念があります。中段に飛を打つのはあまり良い手にならないでしょう。
55角や46角もパッとしませんでした。竜取りは切り札に取っておくのが良いようです。

相手の嫌味を突く、というのは相手のそれまでの指し手を否定するわけですから、うまくいけば形勢が一気に好転します。

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