名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20171119

2017-11-19 | 大山将棋研究
先手番大山先生の手を考えます。

第1問


大山流の駒運びです。
A 18香 B 48銀 C 65歩

第2問


良さを求めます。
A 76飛 B 95歩 C 74歩

第3問


遊んでいる駒を使います。
A 96飛 B 55角成 C 83歩成


ここからは後手番米長先生の手を考えます。
第4問


米長先生の勝負術です。
A 55同馬 B 56馬 C 67歩成

第5問


まだ足りませんが、これで勝ちを呼びました。
A 58成香 B 56桂 C 55桂打
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大山将棋研究(708); 三間飛車に居飛車穴熊(米長邦雄)

2017-11-19 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171119
昭和58年2月、米長邦雄先生と第8期棋王戦第2局です。

大山先生の先手三間飛車ですが、大野流57銀が早いので居飛車急戦もあります。

64歩を見て67金と守ります。

64歩と止めているのに米長先生は引き角にしました。

大山先生は中央に金銀を移動していきます。

とりあえず駒組み完了ですが、大山先生の作戦勝ちです。ただし手を出しにくくて

米長先生は穴熊へ。作戦負けの時は玉を移動してみると景色が変わります。

大山先生から仕掛けました。

桂馬を交換して

その桂をここに打つのですが、こういうのは失敗するとひどくなります。

角頭を攻めて

香を交換して

歩を垂らし、うまくいったみたいです。

米長先生は桂を取って田楽刺し、

金を取り切れませんが角をさばいて

馬を作ります。

と金作りをめぐる戦いで

大山先生は飛を成ることをあきらめて守ります。

と金つくりが確実になりました。

桂を打てば

打ち返し、一進一退の攻防が続きます。

穴熊が薄くなったので大山先生のほうが指しやすくなったようです。

米長先生は馬を失いましたが先手玉に迫ります。

かなり盛り返しています。

この歩は同銀と取るほうが良さそうに見えます。

大山先生は飛の逃げる位置を間違えているのではないかと思います。ここに銀を打たれては怪しくなりました。

飛車を目標にするのですが、この飛は角と刺し違えられて

結構嫌な形です。先手玉は詰まないようですが、一目は39銀打とか受けますよね。

32銀と寄せに行ってさらに銀を渡してしまいました。48飛成で「しまった」という図です。

詰まされて投了です。最後まで指したのはよほど悔しかったのでしょう。

長い終盤の攻防ですが、居飛穴も堅くないので大山先生のほうが少し良いのだと思います。大山先生の飛は受けに活躍しているけれど、米長先生の飛はあまり役立っていませんから、やや駒得の大山先生のほうに利があります。
ちょっと食いつかれたけど、やっと勝ちが見えたと気を抜いたら頓死筋に気が付いていなかった、ということなのでしょう。その時点で170手近くなり、体力負けしたのではないかと思えます。体力がなくなってくると早い勝ちを選んでしまうのです。
最後以外は長い攻防ですが見ごたえがあります。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山王将
後手:米長邦雄棋王
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5二金(61)
15 5八金(69)
16 5四歩(53)
17 5六歩(57)
18 4二銀(31)
19 5七銀(68)
20 7四歩(73)
21 2八玉(38)
22 6四歩(63)
23 6七金(58)
24 3三銀(42)
25 3八銀(39)
26 3一角(22)
27 4六銀(57)
28 4四歩(43)
29 5五歩(56)
30 6三銀(62)
31 5六金(67)
32 2二玉(32)
33 1六歩(17)
34 1四歩(13)
35 3六歩(37)
36 3二金(41)
37 2六歩(27)
38 2四歩(23)
39 2七銀(38)
40 5五歩(54)
41 同 金(56)
42 4三金(52)
43 3八金(49)
44 5二飛(82)
45 5八飛(78)
46 5四歩打
47 5六金(55)
48 7二飛(52)
49 7八飛(58)
50 4二角(31)
51 5九角(77)
52 9四歩(93)
53 9六歩(97)
54 1二香(11)
55 5七銀(46)
56 1一玉(22)
57 3七角(59)
58 2二銀(33)
59 4八銀(57)
60 3三金(43)
61 6五歩(66)
62 7三桂(81)
63 7七桂(89)
64 6五歩(64)
65 同 桂(77)
66 同 桂(73)
67 同 金(56)
68 6四歩打
69 6六金(65)
70 5一角(42)
71 7五歩(76)
72 8四角(51)
73 7六桂打
74 9三角(84)
75 6四桂(76)
76 8二飛(72)
77 9五歩(96)
78 8六歩(85)
79 9四歩(95)
80 8四角(93)
81 9三歩成(94)
82 同 香(91)
83 同 香成(99)
84 同 角(84)
85 9八飛(78)
86 9二歩打
87 9四飛(98)
88 8七歩成(86)
89 8三歩打
90 同 飛(82)
91 8四歩打
92 8一飛(83)
93 5三歩打
94 6四銀(63)
95 同 角(37)
96 6一香打
97 7三角成(64)
98 8二角(93)
99 同 馬(73)
100 同 飛(81)
101 6五歩打
102 8八角打
103 5六金(66)
104 5五歩(54)
105 4六金(56)
106 6六角成(88)
107 7三角打
108 4二飛(82)
109 9六飛(94)
110 8六と(87)
111 同 飛(96)
112 7五馬(66)
113 9六飛(86)
114 4五歩(44)
115 5五金(46)
116 5七歩打
117 5九香打
118 4六歩(45)
119 同 歩(47)
120 6六歩打
121 7六歩打
122 8五馬(75)
123 9七飛(96)
124 5八歩成(57)
125 同 香(59)
126 6七歩成(66)
127 同 飛(97)
128 7六馬(85)
129 5七飛(67)
130 6六歩打
131 5六飛(57)
132 4四桂打
133 同 金(55)
134 同 飛(42)
135 4五桂打
136 6五馬(76)
137 3三桂成(45)
138 同 金(32)
139 5五金打
140 6七歩成(66)
141 6五金(55)
142 同 香(61)
143 5二歩成(53)
144 5八と(67)
145 同 飛(56)
146 5四香打
147 5五銀打
148 4三飛(44)
149 6四角成(73)
150 6七香成(65)
151 5六飛(58)
152 5五香(54)
153 同 飛(56)
154 4七歩打
155 同 金(38)
156 6三桂打
157 5九飛(55)
158 5八銀打
159 4二と(52)
160 4四飛(43)
161 5三角打
162 6四飛(44)
163 同 角成(53)
164 5九銀(58)
165 同 銀(48)
166 4九飛打
167 4八銀(59)
168 5六桂打
169 3二銀打
170 同 金(33)
171 同 と(42)
172 4八飛成(49)
173 同 金(47)
174 3九銀打
175 同 玉(28)
176 4八桂成(56)
177 同 玉(39)
178 5八金打
179 3八玉(48)
180 4八金打
181 3七玉(38)
182 2八銀打
183 投了
まで182手で後手の勝ち

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20171119今日の一手(その604); 力戦の構想

2017-11-19 | 今日の一手

20171119今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、HさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答
問題図の前まで見てみます。

先手Oさんは矢倉模様、後手Sさんは角交換して得意の右玉狙いだったのでしょう。56歩を突いているのでこのままでは角打ちの隙ができる(「角交換に5筋を突くな」)ので面白くないと、65歩を突きだしました。65同歩には55角で両取りです。
でも33銀64歩同銀

ならば後手が得をしていると思います。右玉にはできませんが、左に囲って62飛から攻めの形を作れそうです。

実戦は33角46角と打ちあい、92飛64歩72銀

角を打ちあっても62飛64歩同銀ならば悪くはなかったのですが、92飛と安全第一で妥協してしまいました。これが問題図です。

☆ 形勢判断をします。
先手の1歩得です。後手は持ち歩がないのでこの差は大きいです。
これから駒組でしょうが、玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は46角1枚。
後手の攻め駒は持ち駒角1枚。

総合すれば先手が指しやすいです。

☆ 大局観として
1歩得を主張して、64の歩を取り返されないように駒組みするか
取られても手得を主張するか(後手の銀は1手で64歩を取れるところを2手かけているし、飛を戻すのでもう1手損しています)
という選択です。先手の46角の方が好位置なので、このまま安定すれば少し指しやすいはずですが、追われたらどこに行くかも考えておきましょう。
定跡は外れていて、とりあえずは急な動きもなさそうなので、これからの駒組みの構想を問います。


△ 実戦は55歩44歩26銀41玉66銀43銀38飛と

46角を右に引く手を考えつつ、後手の角頭を狙いました。45歩28角44銀に16歩73銀17桂というのがぬるくて、64銀

と歩を取り返されたところでは失敗です。16歩~17桂ではなく35歩同歩同銀と攻めてどうだったか、という組立だったはずですが。55の歩も取られて飛車を使われ、あっという間につぶされてしまいました。

16歩ではなくて、先ほど書いた35歩か、56金

から抑え込むかを考えたかったです。73銀65銀62飛68飛

ならば大模様で指しやすかったでしょう。この後は

玉を右へもっていきます。

ただし最初に55歩だったので後手の44歩よりは73銀

が気になります。64歩は守り切れず、63歩成と捨てるかどうかは迷いますが

金を繰り出してこういう図はまだ先手もちのはず。けれど歩を取り返した後手も戦えないことはないです。


○ 55歩は突かずに68飛73銀66金62飛65金

金を繰り出して64歩を守るほうが有利を主張しています。
33角の筋を止めないと銀を繰り出して65銀のほうが形が良いのですが、手数が間に合いません。(3つ前の図になるのが理想ですが、後手が回避できるのです。)金を前に出ていくことに違和感があるかもしれませんが、こういう図

を目指します。金なので75歩同歩74歩82銀75金という手段もありますし、先手十分です。

玉を左にもっていくのは

後手の角がにらんでいる方向ですし、75歩と動きにくいです。

派生形としては37銀のまま角を追われたら57に引いてしまってもよいです。

このほうが先手玉が堅いですし、75歩から動いた時に角を使えます。



× 金を57にして組むと

飛車先が通っているのですが

64歩を守るためには、ここから駒が前に出ていけません。


○ 66銀73銀77桂62飛78金64銀65歩

歩を取り返させても位を取ってみます。

5筋の位も取って、37の銀を56にもっていけば大威張りです。これが理想の図です。

55の位が取れなければ

玉を囲ってから5筋の歩を交換して56銀の形を作ります。これらは矢倉が好きな方なら指しやすいと思うでしょう。後手は角を使いにくいというのも考慮に入れてあります。

なお途中66銀73銀に63歩成を利かしてから

組むと、後手の形が乱れるのですが、54金から使われることを心配します。問題なければ2手得になるかもしれません。


△ 普通に金矢倉に組むと

後手のほうが形が良くなっていきます。

85桂86銀65歩を狙われるのは嫌な感じで、先手の作戦負けのようです。

63歩成を入れておけば

少しは得で、こういう図です。

88玉を保留して角交換を狙えばまあまあ指せるくらいです。作戦勝ちという話はどこかに行っていますが。


× 最後は35歩同歩26銀から

後手の角頭を攻めます。36歩35銀から

こうなればまあまあです。

後手は角頭を受けないで攻めの形を作ると

矢倉に組まないと危なさそうで、こういう図です。

2筋を攻めるのは間に合わなそう。

もう少し工夫して26銀73銀25銀

と歩をかすめ取るほうを考えてみます。

44角とかわされて追いきれない(千日手かも)のではちょっと不安で

攻め合いもあまり効果が望めません。

では63歩成を入れて工夫してみます。

すると後手は1歩持って54金の形を作れるので銀を追える

のでこれも失敗です。


☆ まとめ

先手有利のもとは1歩得ですから、64の歩を守るのが一番自然な考え方です。
65銀ともっていくのは難しくて、55歩~66銀~65銀まで3手必要です。途中64の歩の支えが切れてしまうので歩を取り返されてしまいます。
57金~68飛なら守れますが、そのあとに駒が前に出せません。
66金~65金、さらには68飛、としっかり守ってしまうのが一番手堅いです。2枚で守っているので、角を移動しやすくなっています。

守備のラインを一つ下げて、64銀に65歩で位を取る、という方針ならば無理がありません。相矢倉に近い形にもっていけるので、居飛車党にもわかりやすいでしょう。

もう一つ下げて66歩では良さが無くなっています。金矢倉にできても88玉と入りにくいので、2筋を伸ばして24歩同歩同角とできるかどうか。後手は先に33角をかわしておくこともできますし、せいぜい互角です。

手得を生かして右銀を使って速攻の方は手が間に合いませんでした。


手将棋、力戦になったら構想が勝負です。こういう展開は読みを得意とするタイプよりは感覚を得意とするタイプのほうが得意なはずです。1手1手の組み合わせを読むのではなくて、数手先の構想がぱっと思い浮かびます。
力戦になったら、無理に定跡の形に戻そうとするとうまくいかないものです。乱れていてもバランスを取る、有利なところがあればそれを保つ、そういうことを考える楽しみがあります。

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