今日の棋譜20171122
昭和58年3月、二上達也先生と第41期名人挑戦者リーグです。
大山先生の先手三間飛車ですが、二上先生は急戦です。
歩を突き捨てる急戦かと思いましたが、棒銀に。後手番、対三間飛車、94歩、ですから普通の定跡よりは3手遅れています。これではうまくいかないでしょう。
大山先生は手が進んでいるのですが98香も指しません。どうするのかと思ったら
48角から55歩でした。
これは定跡書では見ない形でしょう。子供のころ
升田の指南シリーズのどれかで見たことがある形で、懐かしいです。でもこの本は1980年出版なので、もっと昔からある受け方なのでしょう。
75同銀には56金22角65金という受け方です。
二上先生は角を引いて74歩に75歩。これでは棒銀がさばけないので勝てません。
せめて74飛と払って指せないといけないわけですが、これでは銀落ちです。大山先生は気持ちよく桂馬を跳ねて
くさびを入れ
銀を交換して打ち込みます。
清算して44角から飛を抜けば終わりです。
二上先生は金を取れなくて玉を逃げますが、大山先生は桂を跳ねて金を打ち
進出していくだけです。
この図で51飛成で投了というつもりだろう、と河口先生が書いていましたが(この図だけ覚えています)、老師いわく、
53桂成は徹底的にいびるつもりで、負け犬根性をたたき込むのだ、というようなことを書いていました。成桂を寄って投了図です。
二上先生の指し手がおかしいのですが、この期は降級しています。ラス前で事実上の降級者決定戦のような勝負だったとか。
将棋ペンクラブブログの記事に少し書いてあります。
#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手
先手:大山十五世名人
後手:二上達也9段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 8四歩(83)
3 7八飛(28)
4 8五歩(84)
5 7七角(88)
6 3四歩(33)
7 6六歩(67)
8 6二銀(71)
9 6八銀(79)
10 4二玉(51)
11 4八玉(59)
12 3二玉(42)
13 3八玉(48)
14 5四歩(53)
15 5六歩(57)
16 5二金(61)
17 2八玉(38)
18 7四歩(73)
19 3八銀(39)
20 4二銀(31)
21 5八金(69)
22 6四歩(63)
23 4六歩(47)
24 5三銀(42)
25 4七金(58)
26 9四歩(93)
27 3六歩(37)
28 7三銀(62)
29 3七桂(29)
30 4二金(41)
31 1六歩(17)
32 1四歩(13)
33 2六歩(27)
34 8四銀(73)
35 6七銀(68)
36 7二飛(82)
37 5九角(77)
38 7五歩(74)
39 4八角(59)
40 6五歩(64)
41 5五歩(56)
42 同 角(22)
43 7五歩(76)
44 2二角(55)
45 7四歩(75)
46 7五歩打
47 5六銀(67)
48 6六歩(65)
49 6八飛(78)
50 6二飛(72)
51 4五桂(37)
52 6四銀(53)
53 6六角(48)
54 4四歩(43)
55 5三歩打
56 4三金(52)
57 6五歩打
58 同 銀(64)
59 同 銀(56)
60 同 飛(62)
61 5二銀打
62 3一銀打
63 4三銀成(52)
64 同 玉(32)
65 5二歩成(53)
66 同 玉(43)
67 5三金打
68 6一玉(52)
69 7七桂(89)
70 6四飛(65)
71 4二金(53)
72 同 銀(31)
73 6五金打
74 6二飛(64)
75 5四金(65)
76 6七歩打
77 6三歩打
78 9二飛(62)
79 5八飛(68)
80 7二玉(61)
81 6二歩成(63)
82 同 玉(72)
83 5三金(54)
84 7一玉(62)
85 4二金(53)
86 同 飛(92)
87 5三桂成(45)
88 9二飛(42)
89 6三成桂(53)
90 投了
まで89手で先手の勝ち