名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋問題集 20171121

2017-11-21 | 大山将棋研究
後手番大山先生の手です。

第1問


金が上ずったので
A 58歩 B 34飛 C 65歩

第2問


崩れないように受けます。
A 65同歩 B 34飛 C 53銀

第3問


大山流の金銀移動です。
A 84歩 B 61銀 C 62金引

第4問


最善かどうかはわかりませんが渋い手です。
A 25歩 B 46歩 C 71歩

第5問 最後は米長先生の勝因です。


36歩もよい手なのですが。
A 85歩 B 83銀成 C 52金
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大山将棋研究(710);四間飛車に中央位取り(米長邦雄)

2017-11-21 | 大山将棋研究
今日の棋譜20171121
昭和58年3月、米長邦雄先生と第32期王将戦第5局です。

大山先生の四間飛車に米長先生は中央位取りです。

大山先生は6筋の歩交換を許して石田流へ。

米長先生は引き角で石田流をけん制します。

大山先生は石田流に組みにくいので歩をもって待ちます。

米長先生ももう1歩持って

76金は形にこだわらない米長先生らしい指し方です。大山先生は垂れ歩でけん制して

位と と金でどちらが得かという主張のぶつかり合いです。67銀と引いたのがぴったりなので と金はあまり働いていません。

米長先生は位を生かし、左翼で戦います。大山先生が飛を浮くのは受けのためで

取り込みを飛車で取れます。

桂馬がぶつかり

銀をうまく繰り替えて

44桂はあまり打ちたい桂馬ではないのですが

桂4枚の対抗ならば互角です。

小競り合いの間に大山先生は底歩を打ちます。後で生きれば勝てそうですが、どうなるか。

桂馬は交換になるのですが、ここで46歩が指しすぎかも。

45金を狙うのですが

両取りに桂を打たれました。交換した桂馬を打つのならば、互いの玉のある方に(攻めか守りで)打つのが良い手になります。

両取りは角金交換になって

大山先生は馬を引き付けたいところですが、ここに歩を打つのが仕方なく

馬飛と金で寄せを狙います。

米長先生は飛車を6筋に使い、36歩を打てば負けにくい形ですが

寄せ合いを目指します。

84歩があるので72銀打は利かず

薄い受けを強いてから

金を立ちます。83銀から86飛の寄せを見ています。

大山先生の67角成は仕方のないところでしょう。詰めろをかけて銀を打ちこまれ

71玉なら詰まないようですが、54角が攻防になるので

と金を取って詰まされる方を選びました。

互いに力のこもった好局です。厚みの将棋になると米長先生の力が出るようで、1手勝ちに終わりました。大山先生の得意な玉の移動も出現しにくいです。
これで大山先生は王将を失い、十五世名人の呼び方に戻ります。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.31 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:米長邦雄棋王
後手:大山王将
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 2六歩(27)
4 4四歩(43)
5 4八銀(39)
6 3二銀(31)
7 5六歩(57)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八玉(68)
12 7二銀(71)
13 5八金(49)
14 7一玉(62)
15 9六歩(97)
16 9四歩(93)
17 5七銀(48)
18 5二金(41)
19 5五歩(56)
20 4三銀(32)
21 2五歩(26)
22 3三角(22)
23 5六銀(57)
24 6四歩(63)
25 6六歩(67)
26 6三金(52)
27 6五歩(66)
28 同 歩(64)
29 同 銀(56)
30 6四歩打
31 5六銀(65)
32 3五歩(34)
33 6八銀(79)
34 3二飛(42)
35 1六歩(17)
36 8二玉(71)
37 5七銀(68)
38 7四歩(73)
39 6七金(58)
40 8四歩(83)
41 6六銀(57)
42 5一角(33)
43 2六飛(28)
44 8三銀(72)
45 8六歩(87)
46 7二金(61)
47 7九角(88)
48 1四歩(13)
49 8八玉(78)
50 4二角(51)
51 7八金(69)
52 5四歩(53)
53 同 歩(55)
54 同 銀(43)
55 5五歩打
56 4三銀(54)
57 7五歩(76)
58 同 歩(74)
59 同 銀(66)
60 7四歩打
61 6六銀(75)
62 7三桂(81)
63 7七桂(89)
64 3一飛(32)
65 5七角(79)
66 5二銀(43)
67 7六金(67)
68 5八歩打
69 7五歩打
70 5九歩成(58)
71 7四歩(75)
72 同 銀(83)
73 7五歩打
74 8三銀(74)
75 6七銀(56)
76 4五歩(44)
77 2四歩(25)
78 同 歩(23)
79 6五歩打
80 3四飛(31)
81 6四歩(65)
82 同 金(63)
83 6五歩打
84 6三金(64)
85 8五歩(86)
86 6九と(59)
87 8四歩(85)
88 同 飛(34)
89 8六歩打
90 3四飛(84)
91 8五桂(77)
92 6一銀(52)
93 7七銀(66)
94 6二銀(61)
95 5六飛(26)
96 8四歩打
97 7三桂成(85)
98 同 銀(62)
99 6六角(57)
100 4四桂打
101 2六飛(56)
102 1三桂(21)
103 1七桂(29)
104 5六歩打
105 4八桂打
106 3六歩(35)
107 同 歩(37)
108 7一歩打
109 5四歩(55)
110 同 金(63)
111 5五歩打
112 5七歩成(56)
113 同 角(66)
114 5五金(54)
115 3五歩(36)
116 3一飛(34)
117 5六歩打
118 5四金(55)
119 3六桂(48)
120 4六歩(45)
121 同 角(57)
122 3六桂(44)
123 同 飛(26)
124 5五歩打
125 7四歩(75)
126 同 銀(83)
127 6六桂打
128 4五金(54)
129 7四桂(66)
130 同 銀(73)
131 5五角(46)
132 同 金(45)
133 同 歩(56)
134 2七角打
135 4六飛(36)
136 4五歩打
137 2六飛(46)
138 4九角成(27)
139 7五歩打
140 8三銀(74)
141 6四歩(65)
142 3五飛(31)
143 6六飛(26)
144 6二歩打
145 7四銀打
146 5一桂打
147 8三銀成(74)
148 同 金(72)
149 7四銀打
150 7二銀打
151 8五歩(86)
152 3八飛成(35)
153 8三銀成(74)
154 同 銀(72)
155 7四金打
156 同 銀(83)
157 同 歩(75)
158 7二歩(71)
159 8四歩(85)
160 7一桂打
161 7五金(76)
162 6七馬(49)
163 同 飛(66)
164 7九金打
165 8三銀打
166 同 桂(71)
167 同 歩成(84)
168 同 玉(82)
169 8四歩打
170 9二玉(83)
171 8三角打
172 8二玉(92)
173 7三歩成(74)
174 投了
まで173手で先手の勝ち

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

20171121今日の一手(その605);4枚の攻め

2017-11-21 | 今日の一手

20171121今日の一手

8月6日の名南将棋大会から、KさんとWさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。


一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
桂と香歩の交換で馬を作っています。持ち歩があるので歩をカウントせず、わずかに駒得ですが、終盤なので損得なしと思っておきましょう。
玉の堅さは同程度です。角がついている3枚銀冠と玉の遠い穴熊の比較は難しいです。
先手の攻め駒は63竜と持ち駒銀香で3枚。
後手の攻め駒は89竜と持ち駒銀桂で3枚。

総合すれば互角です。

☆ 大局観として
居飛車の銀冠と振り飛車穴熊の対抗は、通常金銀4枚の銀冠と金銀3枚の穴熊なので銀冠のほうが堅くて勝ちやすいです。問題図では中途半端になりがちな左銀を交換できたのですから、振り飛車がポイントを上げています。さらに33角と91馬の比較でも少し得をしているでしょう。よって形勢は互角以上です。
互いに攻め駒3枚、桂香をもう一枚ずつ拾うことも可能ですから、受けきりは難しいです。よって寄せ合いを考えます。


○ 一目は54歩ですね。

寄せのセオリーに則っています。まだ攻め駒3枚なので後手玉に近い駒を攻められるほどの戦力はありませんが、守りの弱い遠いところからなら攻めることができます。小さい駒を使い、と金を作って4枚目の攻め駒にしようとしています。
これに対して数で受けよょうとすると、42角には52銀


42金寄には53銀


41桂には52銀


42銀にも52銀

いずれも継続して攻めがあります。

後手は62歩同竜51銀

先手をとって受けるしかないです。72竜52歩81竜

これでも55桂が残っています。先手の攻めは順調で、手順に桂を取ったので4枚目の攻め駒です。


× 実戦は52銀と攻めたのですが

香は使いにくいので銀を打つのは次に考える手ではあるのですが、まだ攻め駒3枚です。42金引に43香52金同竜

ぴったりの手順に見えましたが、51歩72竜52銀

粘られて難しくなっています。54金~53歩ならばまだ指せたのかも。42金同金同香成同角

金を剥がしたものの、香を失って攻め駒2枚では形勢不利です。43金75角というのも負けそうで、実戦では81竜に26歩同歩27歩同金47桂

と食いつかれて負けにしてしまいました。


△ 52銀よりは41銀と打つ方が厳しい手で

42金寄にたいした手がないので81馬41金43竜32銀打

竜を逃げるしかないのでしょう。すると形勢は怪しくなっていて、例えば57歩54歩58歩成53歩成48銀

素直に寄せ合うと負けそうです。なにか工夫が必要ですが、よくわかりません。


○ 81馬は4枚目の攻め駒を手に入れる手で

57歩に55桂42金引43香

で攻めが続きます。これは穴熊の遠さが生きます。


○ 64馬も4枚目の攻め駒で

57歩にはやはり54歩から

62歩同竜51銀31銀13玉72竜41桂54香

ややこしいのですが、駒を足して と金の作り合いにもっていけます。

64馬には42角とぶつけられそう。

交換するのでは不満です。65馬54歩41銀

どこかで75角と使われるのはしゃくですが、38馬と引けるのは魅力です。


△ 受けておくなら69歩は損のない手で

88竜(81桂を守った)64馬

くらいです。68に駒を打って壁を作ることができますが、1歩減ったのは損です。69歩を打つべきかどうかは悩むところです。


× 38金引は16桂

と替るので、損をしているでしょう。

☆ まとめ

問題図を見てすぐに54歩を思い浮かべる方なら、正しい寄せの感覚を身につけていると言えるでしょう。
それがないなら52銀や41銀も悪い手ではないですが、粘られて怪しいことになります。実戦は52銀42金引43香がぴったりに見えるのですが、やはり本筋を外していると形勢が怪しくなってくるものです。4枚の攻めを目指すというのが寄せの本筋なのです。

他の4枚の攻めは81馬と64馬です。81馬では使いにくい、64馬だと桂を取り切れない、とマイナス要素があるのですが、攻め駒4枚ならば悪い手ではありません。
(すでに4枚攻め駒があるのに5枚目の駒を拾いに行くというのは疑問手の可能性が高くなります。)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする