20150914今日の一手

先月9日の名南将棋大会からHさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答

序盤なので形勢互角に思うかもしれませんが、先手の作戦負けです。
先手は腰掛銀を目指したのに後手は棒銀。棒銀のほうが攻め足が速いのです。先手番であればそれはカバーできるのですが、68玉としたのが問題で、棒銀に近づいたことになり受けにくくなっています。
角換わりは3すくみになっていて、棒銀>腰掛銀>早繰り銀>棒銀 という関係です。プロでだいぶ指されてから、先手腰掛銀後手棒銀は少し先手が指せるようだ、とわかったのは例外的なことです。
× 96歩94歩47銀

まずは実戦の進行を見てもらいましょう。95歩同歩同銀同香94歩

部分的には定跡なのですが。後手は桂馬を手に入れると27香同飛35桂という筋があるので、先手が受けにくくなっています。それでも26歩で止まっているので26香同飛44角という筋がないのはプラスではあります。
92歩66銀98角

(部分的に)定跡では88金76角成77金ですが、もう一回98馬で桂馬取りになります。
77桂76角成65角

ここで94馬なら後手が十分でした。
65同馬同桂86飛(悪手)75角

89飛成53桂成31玉43成桂42歩32成桂同玉79歩

この79歩も悪手で、74香なら後手が有利。実戦は76香77銀打でしたから少し先手が指せるようです。
先手Nくんはまだ小学生です。定跡は覚えても意味を理解しきれていなくて、間違えるんでしょう。
× 昔の定跡にはあまり良くない手として、79玉95銀68角というような手が解説してありました。

後手は相手だけ生角を打たせたので駒組みして十分、という解説です。
ここで64角と攻撃続行してもよいようですが、88銀(95銀取りになっている)86歩同歩同角77桂

これで後手の攻撃が止まります。これなら全くの互角です。
× 59玉95銀56角でいいようにも見えます。

86歩同歩同銀には83歩ですね。
72角と打つ(部分的な)定跡もありましたがここは84飛としておいて

先手から攻撃手段がありません。後手は96歩と催促されたら86歩から銀交換するだけ。
この角を打つのは先手が早繰り銀にしておいて、攻め合いも望める時だけです。
○ 最善だと思うのは96歩94歩36歩です。

47銀の前に36歩なら36桂の傷がありません。
95歩同歩同銀同香同香には97歩と受けます。

こういう時に97香成同桂96歩で桂馬を手に入れて27香同飛35桂とされる手がないですね。
98歩には88銀でも悪くないのですが、88銀打と手堅く指します。91香47銀

左に玉が囲えないので、右玉に切り替えて互角です。
△ 棒銀の派手な定跡を望むなら96歩94歩59玉です。

95歩同歩同銀同香同香94歩

92歩に66銀

86歩同歩98角

76角成77金94馬

飛車の横ぎきがないので、98馬でもいいです。これで88歩が残っています。先手が指しにくいでしょう。
86歩に91角も定跡。

83飛93歩成同歩92銀

84銀75銀87歩成

84銀78と(これが詰めろなのが痛い)47銀に54香くらいで

先手の角銀銀がひどい形です。これはだめ。
戻って、91角83飛に86歩同飛87銀です。

84飛に75銀

本来の定跡(先手棒銀)なら54飛から57飛成とできるのですが、この形では成立しないので先手有利。
ということは先手有利?ということになるのですが、後手は83飛のところをすぐに87歩成としても指せるかもしれませんし、仕掛けずに31玉から陣形整備でも構わないわけです。後手が指しやすいと思います。
角換わり棒銀の定跡(もどき)がいろいろ出てきました。うろ覚えの方はもう一度しっかり記憶しましょう。指す機会がなかなかなくて忘れるんですよね。