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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

相掛かりガイド I II

2015-09-11 | 将棋本 断捨離
相掛かりガイド (週将ブックス―定跡百科)
相掛かりガイド〈2〉 (週将ブックス―定跡百科)
1988年と1991年出版、泉先生の本です。

最近になって、相掛かりの本が出版されるようになったのですが、28飛とするほうがメインでちょっとつまらないです。この本は26飛のほうがメイン。いろいろな形が出ていて楽しいです。
塚田スペシャルは出てきませんね。出版された後の話ということですか。

私は角換わり愛好家なので、先手で相掛かりは指さないです。でも後手一手損角換わりを目指すと、場合によって相掛かりになることがあるので知識としては入れてあります。経験が少ないと定跡うろ覚えでは危ないですね。

とても面白く読めるのですが、相掛かり26飛は44歩と止めるのが優秀であまり指されなくなったのですたっけ。

20150911今日の一手<その143>;攻防の手を探す

2015-09-11 | 今日の一手
20150911今日の一手

先月9日の名南将棋大会からOさんとKさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。











昨日の一手の回答
問題図の前から見ておきます。
横歩取り45角戦法の変化です。

この局面から見たのですが、28歩同銀が多いですが、38歩同金としています。38歩にも28銀が正しかったはず。壁にされたのは痛いです。
また、45角に24飛とせずに34の地点で飛車を取らせたので34角の形です。先手は横歩取りに詳しくなくて、後手がうまくはめたという感じです。
ですが、先手から36香があるので後手も忙しいんですね。87銀と打ちました。
これには77馬が正解だったはず。(私も横歩取りに詳しいわけではありませんが。)

77銀不成68馬(この場合は76同馬26飛54馬29飛成18馬というのもありそう)88歩

77歩89歩成76歩99と36香

99とは甘いのですが、36香があるので通常より先手が得しています。

本譜は87銀に68金とかわしました。

すぐに79飛なら互角のような気がしますが、33桂36香で後手が忙しいです。

88飛34香78銀成

ここで58金なら先手優勢だったのですが、78同金69銀で、49金から頓死がありました。

後手は49金を逃して89竜で問題図です。


☆ 形勢判断をします。
金桂と角香歩歩の交換です。先手の駒得ですが、終盤ですし考えなくていいでしょう。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。堅いというよりは広いとか手が付いていないというほうがわかりやすいでしょうか。先手の38金39銀の形(壁型といいますね)がひどすぎます。
先手の攻め駒は11馬34香持ち駒飛角で4枚
後手の攻め駒は89竜と持ち駒金桂で3枚。
総合すれば後手が有利です。玉の堅さが違いすぎます。

終盤では何手で詰めろがかかるかという計算をしたほうがより正確に形勢判断ができます。
先手から後手玉に迫るのは33の桂馬を取って53桂の筋。でも53桂もなかなか詰まないので、3手分かけて詰めろという計算です。先手玉は77桂ですぐに詰めろです。

大局観として
逃げ道を確保して手を稼ぐか、攻防の手を見つけるか、簡単ではありません。後手の攻め駒がまだ3枚なので少し希望があるのですが。


× 実戦は78角と投入しましたが79竜と潜り込まれました。

68金と打たれるので58玉に77桂

これでは粘りようがなく、後手の勝ちです。


× 46歩は55桂で駄目。



△ 36歩は有力です。

しかし、37歩同金45桂が痛い。

24角で57桂成を防いでも78金から追われます。

48玉69竜38玉(49銀があるので)37桂成同桂26銀

うまく逃げ出せません。

戻って45桂に33香成とします。

57桂成に18飛が最善の受け

38歩と捨てておくのが好手で、38同飛に33金

33同馬42銀77馬55香

58歩に68金

38歩の効果でこれは取るしかありません。68同馬同成桂同玉86角

77桂88竜59玉77角成

まだ手数がかかりそうですが、後手の攻め駒4枚で、先手玉が逃げられないのでは寄せられます。

変化を追うと長いのですが、36歩に37歩同金45桂はぴったりとした攻めなので、これを食らったら負けと判断して読みを打ち切ったほうがいいです。でも実戦で18飛と受けられたら攻め切るのは大変ですね。


○ 33香成が攻防の手です。

77桂には42成香

これで桂馬が抜けるので受けにも利いています。また、桂馬を手にすれば53桂から41飛があるのです。

戻って後手からは78金しかありません。

58角と受けて77桂と使わせます。

77桂ではなくて79金からの千日手はあるのですが、後手は千日手にしたいと思わないでしょう。
78金としてあれば77桂と打つことができます。
(ここで角金銀を打ち替えて69角78金77桂の形にできればいいのですが、できません。)
48玉69桂成46歩

後手に桂馬を使わせたので46歩から脱出できます。
68成桂36角(25角は24銀がある)59竜47玉

36の角を移動させる前に先手玉を寄せたいので後手も忙しいです。桂馬は使ってしまいましたからぴったりした手がありません。
58竜56玉67竜45玉44銀

34玉33銀同馬同金同玉

まだ先手玉がつかまりません。これは先手が勝てるのではないかと思います。


平凡な手ですが、33香成が受けにも利いていることに気が付けば指したいですね。
後手に桂馬を使わせてから脱出するぎりぎりの手順がありました。