名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

武市流力戦筋違い角の極意

2015-09-26 | 将棋本 断捨離
武市流力戦筋違い角の極意 (プロの将棋シリーズ)
2003年出版武市先生の本です。

武市先生は筋違い角のスペシャリスト。筋違い角の本は少ないので貴重です。この本が一番いろいろな形を取り上げています。ただし振り飛車にする形だけ。
大昔は角換わりの途中で筋違い角を打ったのですが、これはうまくいかないとすたれました。
そのあとこの本のような76歩34歩22角成から45角とダイレクトに打って34の歩を取り、四間飛車にするのが出てきました。
8/5に書いた筋違い角と相振り飛車―ライバルに勝つマル秘作戦 (森内優駿流棋本ブックス)がそのあとで、16角と引いて居飛車にする戦法です。

棋理からいうと、序盤の歩得は価値が高いのですが、角を手放したのが問題。持久戦にして3筋の歩を伸ばすようになれば筋違い角がよくなります。後手はそれまでに攻めの形を作って戦えるかの勝負です。

問題はどれも先手番の戦法であること。後手番でも使えるなら私も採用してもいいのですが。
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20150926今日の一手<その158>;良い形を目指す

2015-09-26 | 今日の一手
20150926今日の一手

先月9日の名南将棋大会からSさんとKさんの対局です。ここからの仕掛け手順をいろいろ考えてみてください。












昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は持ち駒角 54歩の拠点もあります。
後手の攻め駒は44角
総合すれば互角です。

大局観として
形勢は互角とはいえ、54歩打44角とした局面では54歩が拠点として残っています。さらに44角はもう移動できることがなくて、殺すことができそうです。駒得してよいか、ということを考えます。
駒得は味が悪いことが多いです。だいたいは受けているときですね。駒を取るために手をかけて自陣を乱されるのです。味よく(つまり形を乱さずに)駒得になれば優勢です。


△ 36歩とするのは

24銀と引かれて、例えば38金に15歩

と攻める手段を与えます。ほかの変化の途中に入れることもできるのですが、焦って指さないほうが良いようです。局面を見ながら必要なときに指すことにしましょう。


△ 実戦は45歩でした。こうやりたくなるのですが。

77角成同桂75歩

58角と受けても76歩同角75銀58角76歩でつまらないです。
実戦は55角でしたが、76歩85桂同飛86歩

角と銀桂の2枚換えでは駒得ではありません。

55角ではなく75同歩が最善です。

76歩に74歩

77歩成38飛65桂

36歩24銀46角55歩

以下は65金67と という感じでしょうか。桂馬は取り返しますが、と金が残るので実戦的には大変です。


○ 77角成とされると桂馬を攻められるので66銀と出ます。

これで55銀から角を取れば味がよいわけです。後手は51銀から62角と退却しても仕方ないので、86歩同歩85歩が攻め筋。

85同歩同飛86歩65飛

飛車は取りにくいです。67歩64飛58飛54飛55銀

後手も57歩から65桂という筋はあるものの、飛角を切ることになりそう。先手優勢です。



△ 38金も指しておきたい手です。

77角成なら同桂75歩

これなら45歩より38金のほうが価値が高いですね。
75同歩76歩74歩77歩成73歩成

先手玉がしっかりしたので飛車の取り合いは先手のほうがいいでしょう。と金をすぐに活用できます。
73同銀48飛67と55角

64歩74歩同銀64角81飛

ここからどう指すのがいいか。53角打41桂35角成同歩34桂31銀というのは指しすぎ?73角成ともたれておくのかもしれません。やや先手よしです。

38金に77角成ではバカらしいので24銀でしょう。

66銀に15歩同歩17歩

17同香26桂16香15銀

端を破られるので、少し指しにくいです。

戻って17歩に手抜いて55銀で

55同角同金15香

攻められてばかりですが先手が悪くはないです。

38金は自然な手ですが、後手から攻められるのを覚悟しなければなりません。


○ 48角は受けの好手です。これは見えにくいかもしれません。

77角成から75歩を同角と取れます。
24銀には36歩としておいて、15歩同歩17歩同香25桂16香

15の地点にも利いています。これは受けきれそうです。

後手は端を攻められないので51銀38金くらい

あとは66銀から55銀で中央を制圧して指しやすくなります。


45歩とやりたくなりますが、77角成同桂75歩というのは嫌な形です。金銀が離れているときに仕掛けられたということになります。
38金として強く戦う、というのが自然なのですが、この場合は1筋を攻められた時には49金のほうがいいのかもしれません。
77角成とされる変化を消しておけば44角に逃げられてもいい、ということに気が付けば、66銀や48角にたどりつけそうです。

私は読むのは苦手なので直観(手の感触)だけで指していると、勢いよく45歩と指してからしまったと思う局面かも知れません。直感だけで指すにしても、なるべく広く指したい手をあげて、理論的に正しい手を指したいと思っています。


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