20150926今日の一手
先月9日の名南将棋大会からSさんとKさんの対局です。ここからの仕掛け手順をいろいろ考えてみてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
駒の損得はありません。
玉の堅さは同程度。
先手の攻め駒は持ち駒角 54歩の拠点もあります。
後手の攻め駒は44角
総合すれば互角です。
大局観として
形勢は互角とはいえ、54歩打44角とした局面では54歩が拠点として残っています。さらに44角はもう移動できることがなくて、殺すことができそうです。駒得してよいか、ということを考えます。
駒得は味が悪いことが多いです。だいたいは受けているときですね。駒を取るために手をかけて自陣を乱されるのです。味よく(つまり形を乱さずに)駒得になれば優勢です。
△ 36歩とするのは
24銀と引かれて、例えば38金に15歩
と攻める手段を与えます。ほかの変化の途中に入れることもできるのですが、焦って指さないほうが良いようです。局面を見ながら必要なときに指すことにしましょう。
△ 実戦は45歩でした。こうやりたくなるのですが。
77角成同桂75歩
58角と受けても76歩同角75銀58角76歩でつまらないです。
実戦は55角でしたが、76歩85桂同飛86歩
角と銀桂の2枚換えでは駒得ではありません。
55角ではなく75同歩が最善です。
76歩に74歩
77歩成38飛65桂
36歩24銀46角55歩
以下は65金67と という感じでしょうか。桂馬は取り返しますが、と金が残るので実戦的には大変です。
○ 77角成とされると桂馬を攻められるので66銀と出ます。
これで55銀から角を取れば味がよいわけです。後手は51銀から62角と退却しても仕方ないので、86歩同歩85歩が攻め筋。
85同歩同飛86歩65飛
飛車は取りにくいです。67歩64飛58飛54飛55銀
後手も57歩から65桂という筋はあるものの、飛角を切ることになりそう。先手優勢です。
△ 38金も指しておきたい手です。
77角成なら同桂75歩
これなら45歩より38金のほうが価値が高いですね。
75同歩76歩74歩77歩成73歩成
先手玉がしっかりしたので飛車の取り合いは先手のほうがいいでしょう。と金をすぐに活用できます。
73同銀48飛67と55角
64歩74歩同銀64角81飛
ここからどう指すのがいいか。53角打41桂35角成同歩34桂31銀というのは指しすぎ?73角成ともたれておくのかもしれません。やや先手よしです。
38金に77角成ではバカらしいので24銀でしょう。
66銀に15歩同歩17歩
17同香26桂16香15銀
端を破られるので、少し指しにくいです。
戻って17歩に手抜いて55銀で
55同角同金15香
攻められてばかりですが先手が悪くはないです。
38金は自然な手ですが、後手から攻められるのを覚悟しなければなりません。
○ 48角は受けの好手です。これは見えにくいかもしれません。
77角成から75歩を同角と取れます。
24銀には36歩としておいて、15歩同歩17歩同香25桂16香
15の地点にも利いています。これは受けきれそうです。
後手は端を攻められないので51銀38金くらい
あとは66銀から55銀で中央を制圧して指しやすくなります。
45歩とやりたくなりますが、77角成同桂75歩というのは嫌な形です。金銀が離れているときに仕掛けられたということになります。
38金として強く戦う、というのが自然なのですが、この場合は1筋を攻められた時には49金のほうがいいのかもしれません。
77角成とされる変化を消しておけば44角に逃げられてもいい、ということに気が付けば、66銀や48角にたどりつけそうです。
私は読むのは苦手なので直観(手の感触)だけで指していると、勢いよく45歩と指してからしまったと思う局面かも知れません。直感だけで指すにしても、なるべく広く指したい手をあげて、理論的に正しい手を指したいと思っています。