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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-13 ゴキゲン中飛車(78)

2025-04-03 | 基本定跡の研究

この形で

45銀22角24歩同歩34銀54飛35歩

後手の待機策、14歩や82玉はうまくいきません。解説の51銀も同様です。ここで44飛は47飛成と33歩を見た手で、先手は銀の詰めろを防いで24飛とします。

(24飛の他に23歩31角55角もあるようですが互角です。) 23歩同銀成24飛・・・昨日の手順は後手の1手パスでしかないので、ここは47飛成23銀成33銀48歩

ぎりぎりの手順の応酬が続きます。24銀22成銀27竜32成銀29竜59金右

この図の評価値は+348の先手有利。飛桂と角金の交換は駒得とも言いにくいですが、(24銀が遊んでいるので) 玉の堅さが違います。55角の活用もあるので見た目よりも勝ちやすそうです。

なお27竜では44竜もあって

32成銀27飛37桂

後手がどこに飛を打っても桂を跳ねろ、とAIは示します。37同飛成は22角で先手有利です。

後手からの変化は33銀とするところで33金もあるようです。

33同成銀同角48歩 (竜を逃げると21飛成なので) 24角47歩

これは銀金交換で、評価値は+431の先手有利。飛の打ち込みに対しての強さが違います。

ということで後手の44飛はうまくいきませんでした。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(77)

2025-04-02 | 基本定跡の研究

この形から

77銀のほうが無難だと思うのですが、実戦例が多いのは45銀のようです。22角に34銀は失敗でしたから、24歩

ここならば突き捨てが入ります。24同歩34銀には54飛が有力で35歩までは進みます。

ここで後手が何か指して待つのですが、AIに聞くと(中村先生の解説はないので、実戦では指されていないか。) 14歩が最善だと。24飛に33歩

23銀成24飛同成銀27飛25飛

25同飛成同成銀27飛26飛47飛成48歩44竜24歩13桂

これが14歩の効果です。14成銀では35竜ですから、23歩成同金34成銀25歩44成銀26歩

竜飛の取り合いです。この図の評価値は+105、先手が悪いわけではありませんが、もっと工夫が必要です。

戻って

23銀成ではなく、33同銀不成が正解のようです。24飛同銀成27飛25飛

33の歩を先手が取っているかどうかの違いです。(14歩以外の手に対しての) 解説手順 (実戦手順) は33歩があった方が22角を使いにくいから取らないようですが。25同飛成同成銀27飛26飛47飛成48歩

44竜には34成銀とできます。45竜でも同じようなもので、37桂54竜34成銀

この図の評価値は+417の先手有利です。23成銀や24歩~23歩成がありますね。

場合によっては33同銀不成が良いのですが、

ダメな例は82玉24飛33歩同銀不成24飛同成銀56歩

後手玉が深いので、このさばき合いは後手に理があります。評価値は-312

なのでこの場合は33歩に23銀成が最善です。

24飛同成銀27飛25飛同飛成同成銀27飛26飛47飛成59金左

AIに聞くと48歩では互角のようで、節約して左金を寄るのが正しいと。この図の評価値は+352の先手有利です。

変化によって先手の最善手に違いがあるのがややこしいのですが、先手有利にはなります。違いを学んで理解できる人には45銀~34銀が有効です。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(76)

2025-04-01 | 基本定跡の研究

後手の工夫で72銀を優先し

美濃囲いを目指す指し方も多いようです。46銀71玉78玉32金68銀42銀

(42銀で82玉も多い) ここで先手の方針が岐れます。面倒を嫌えば77銀53銀66銀

左銀を前に出します。44銀58金右82玉

この図の評価値は+248、37桂~45桂あるいは45銀の攻めがあるので先手十分の駒組でしょう。中村先生は一局だとしていますが。

後手としては

54銀のほうが優り、35歩同歩38飛82玉35飛

この図の評価値は+164でちょっと難しいです。先手が攻めるのには困らなさそうですが。

戻って

実戦例は45銀が多いようですが、難しい変化です。22角34銀56歩

22角成同金56歩同飛

この図の評価値は+117しかなく、後手から55角が見えています。先手は77角か46角ということになるのですが、ほぼ互角で推移します。

この図で24歩同歩が入っていれば24飛とさばき合って先手有利 (評価値は+558) なのですが。後手は別の手段をとることになり、変化が多いので明日に回します。

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(75)

2025-03-31 | 基本定跡の研究

32金型で後手が飛をさばく変化の続きです。

66歩から穴熊を目指すのも一法ですが、組み方には注意が必要でした。56同歩はどうか。88角成同銀56飛

中村先生の解説は55歩では難しいから角交換を避けるのだとしています。AIに聞くと77銀51飛78玉

この図の評価値は+272、先手の作戦勝ちになるのでしょう。2筋の歩を交換できそうですし、あとで35歩から攻めることもできます。

問題は後手が角を交換しないで56歩同歩同飛とした場合です。

先手は66歩とします。51飛67金ならば (56歩に66歩57歩成同金51飛67金と比べて) 手の損得はないのですが、後手に51飛を強要した形で少し先手の得です。よって66同角同角同飛

67金64飛78玉42銀

ここは評価値的にも一度68銀としておきたいところですが、そのあとが難しくなるようです。77角33銀55銀

自陣角を打ってから後手の飛を追いたいのですが。67飛成同玉62銀

78玉には56角があります。68銀49角66玉

頑張って受けてみましょう。54歩同銀44銀59金

この図の評価値は+358の先手有利です。後手としては55銀同玉76角成65銀打

ほぼ飛損のコースか

戻って

55金75玉54金49金

飛角と金銀の交換にするコースか。いずれにせよ先手は駒得で、玉が安定すれば優勢になります。

というちょっと危険な指し方で先手有利になると思うのです。

なお後手が飛を切らないで

74飛と逃げた場合は88玉82玉78銀72銀96歩94歩86歩42金85歩

39角からの馬作りがある自陣角ですが、後手の飛が働かないので先手の作戦勝ちになるようです。評価値は+300を超えます。

戻って

77角に33角の合わせは55歩

先手の1歩損ですが、後手の飛が使いにくく、あとで3筋を攻めれば歩が手に入ります。この図の評価値は+358で先手有利の範囲です。

また戻って

33桂の場合は55銀67飛成同玉・・・では危ないので68銀が必要です。

39角38飛84角成35歩同歩同飛34歩38飛

この図の評価値は+217、馬を作られてはいますが、後手の飛を封じれば良くなります。

昨日の話と合わせて

56同歩か66歩かというのは先手の好みなのですが、先手ペース以上になるようです。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(74)

2025-03-30 | 基本定跡の研究

先手としては78玉よりも58金右のほうが優るというのが昨日の話です。それでも56歩と動かれたらどうしましょうか。

話の流れは56同歩だと思っていたのですが、中村先生の解説では66歩と止める方です。57歩成同金

これでじっくりした駒組を目指そうということのようです。42銀78玉44歩67金43銀56歩

実はこの56歩が問題の手です。82玉77角72銀88玉45歩57銀55歩

AIに聞くとこの図は先手が少し失敗しているようです。55同歩同角18飛では評価値は+83しかありません。55同歩同角に46歩から強く戦いたいのですが、78金と締まっていないのが不安です。やむなく78銀56歩同銀64歩55歩

この図の評価値は+152でこれから。戻って

先手が56歩を打っているので、のこ55歩を同歩同角は後手が0手で角を出たという計算なのです。先手は最初に56歩を打たずに駒組を進めるのが正しいようです。

なお

後手が54銀と出てから (78金に) 55歩と合わせるのは、37桂と迎え撃って評価値は+283です。

56歩を打たないで後手が55角とした場合は46歩

この図の評価値は+232です。78金が間に合っているかどうかでかなり話が違います。居飛車穴熊は駒組の手順が大事なのです。

なお後手がのんびりした駒組にしたら (中村先生は86角~65歩同銀55歩の銀ばさみをねらうと解説していますが) 、

こんな図で、先手は右桂を使って攻める方が優ります。46歩同歩同銀もありますが、24歩同歩65歩同歩55歩

角交換 (55同角同角同銀) から24飛~34飛とあばれる方が良く、この図の評価値はすでに+376の先手有利です。

居飛車穴熊に慣れている方ならば持久戦でもよいのですが、その駒組には細心の注意が必要です。

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(73)

2025-03-29 | 基本定跡の研究

36歩に (44歩はダメでしたから) 62玉とするのが普通です。

「超速」は68玉の位置で37銀~46銀とするわけですが、その前に37銀に56歩は

56同歩同飛33角成同桂65角

両成りの角打ちがあるので、後手はまだ動けません。

戻って

37銀に72玉46銀

ここまでがゴキゲン中飛車に超速46銀戦法の基本図です。基本図以前の問題は片付けました。後手の対応が岐れるところですがまず32金から。先手は78玉ではなくて58金右が最善とされていますが、78玉でも悪いことはありません。56歩の時に

33角成同桂56歩同飛

定跡書では35歩と攻めるのですが、先にAIに聞くと68銀44歩24歩同歩同飛23歩26飛

この図の評価値は+211、先手良しの範囲です。

戻って

中村先生の解説では35歩76飛77桂

77桂のところ77歩は歩切れで難しくなるのです。ここで35歩に対しては単に68金

先に受けておく方が正しく、評価値は+277、あれ?評価値が上がっていますね。後手は76飛としないで35同歩のほうが難しいようです。

なお解説では34歩45桂を入れて68金

この図の評価値は+197、解説の36歩や44歩以外に36角や64角があって難しいようです。

とまあいろいろ難しい形があって

先手はこの図を避けた方が良いみたいです。悪くはないのですが。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(72)

2025-03-28 | 基本定跡の研究

初手から76歩34歩26歩54歩25歩52飛48銀55歩68玉33角

33角のところ、62玉は24歩同歩同飛以下先手良しになりました。ここで「超速」では78玉ではなく36歩とします。56歩とさばかれたら?

先手から角を交換しても悪くはないのですが、56同歩同飛57銀が一番良い対応です。

88角成同銀55角に58飛

57飛成同飛88角成とはできませんから、すでに先手有利です。評価値は+464

戻って

36歩に56歩は無理でした。32銀37銀44歩

この場合はすぐに35歩同歩46銀と動きます。36歩の突き出しには

中村先生の解説は38金で先手が指しやすいとあって、間違ってはいないのですが。AIに聞くと58金右43銀38飛

ゆっくり飛で36歩を取りに行く方が良いようです。この図の評価値は+395の先手有利。玉の安定度が違いますし、攻めの形もすぐにできるでしょう。

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(71)

2025-03-27 | 基本定跡の研究

最後に現在の主流である、「超速37銀戦法」の話です。定跡本も多いですが、中村太地先生の「速攻ゴキゲン中飛車破り」によって調べていきましょう。

初手から76歩34歩26歩54歩25歩52飛48銀55歩68玉62玉

62玉では33角が本手です。急戦では序盤の一手一手の価値が高いですから、先手は踏み込まねばなりません。24歩同歩同飛56歩

王手飛車ねらいにはまってはいけません。66歩57歩成同銀56歩

銀の逃げ方は2通り、結論的にはどちらでもよいのですが、48銀のほうがちょっと危ないです。本には書いていないのですが、14歩46歩に13角とされたら?

26飛と日和ってしまいそうなところですが、21飛成46角78玉57歩成42歩

AIに聞くと踏み込めばよいと。48と同金は入ります。後手が駒損を避けるには32銀11竜42金ですが

これでも桂香と銀の交換で竜を作られる駒損です。この図の評価値は+545の先手有利。68銀~58香から5筋を逆襲していく感じです。後手の28歩が間に合う展開にはなりません。

戻って

48銀14歩46歩32金ならば、58金右44歩

中村先生の解説では、47金45歩67玉と受けるのですが、ちょっと危ない形 (大丈夫ですが) です。AIに聞くと、78玉45歩68銀46歩44歩

軽く指して問題ないようで、23歩なら34飛とします。評価値は+200を超えるのですが、間違えると危ない感じはします。

ということで

46銀のほうが安全で、44歩58金右45歩同銀14歩28飛

13角には24歩で押さえ込めます。この図の評価値は+322の先手有利。

なので後手は62玉ではなく33角と受けねばならないという話でした。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(70)

2025-03-26 | 基本定跡の研究

所司先生の本の最後は、これも後手の変化で

早くに56歩と動いたらどうか。 先手は乱戦にはしたくないので、66歩42銀58金右82玉

5筋の歩はどちらから取っても先手の手得です。ここで分岐しますが、56歩同飛47銀51飛25歩33角36銀

もう終わりと思っていた「鎖鎌銀」が登場しました。44歩24歩同歩25歩

2筋を攻めます。32金24歩22歩25銀43銀23歩成同歩24歩

2筋を謝らせたのに、こじ開けて攻めてよいかどうか。(所司先生は24同歩同銀42角23銀成24歩・・・という解説ですが、24同成銀に25歩同成銀33桂24成銀25歩で互角、実は2回目の24歩に32成銀同金65歩で先手良し。)

AIに聞くと、24同歩同銀に同角同飛33桂

後手はあっさり角銀交換にするのが良いようです。23角は同金同飛成14角があります。21角は57歩~56歩と拠点を作ってから23歩と受けて難しいです。よって65歩35銀28飛27歩同飛26歩28飛21飛

角を打って受けるしかなく、この図の評価値は+60の互角です。

戻って

「鎖鎌銀」ではだめでした。正解は25歩33角67銀のほうです。

56歩成同銀53銀65歩

先手は2手得している計算です。44歩の時にちょっと修正して66銀右92香

こんなところでしょうか。後手は穴熊にできるけれど、先手に持ち歩があるので35歩同歩34歩や24歩同歩22歩の筋が残ります。この穴熊は堅くはなりません。評価値は+265、これから次第とはいえ、先手の作戦勝ちになりそうです。

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(69)

2025-03-25 | 基本定跡の研究

もう「鎖鎌銀」にはならないのですが、後手の趣向で

右銀を先に繰り出して中央を守ろうという指し方があるようです。所司先生の解説では

先手はこんな駒組で対抗するのですが、(書いていない) 44銀と受けられたら評価値は+121しかありません。膠着しそうです。

解説では、82玉35歩同歩同飛72金上37桂44銀に36飛ですが、AIに聞くと、36飛ではなく

34に飛を受けば後手は動けません。この図の評価値は+454の先手有利。

でもまあ44銀の受けはしぶといので、先手は別の指し方が必要です。AIに聞きながら模索すると

58金右54銀77銀42銀25歩33角66銀53銀

ここは24歩同歩の突き捨てが入ります。(24同角は55銀ですから) 36歩64銀37桂

44歩35歩同歩26飛

51金左45歩同歩56歩

先手は飛角銀銀桂を使って攻める体制です。42飛が最善で、55歩同銀右同銀同角同角同銀

ここは単に24飛では勝てません。53銀43飛24飛

銀を捨てて攻めるのだと。53飛45桂43飛52歩同金右53歩42金寄21飛成

41歩34角54角

43角成同角21飛成

これでひと段落です。この図の評価値は+324の先手有利。

こんな力戦形にはなかなか出会わないでしょうが、多くの力戦振り飛車には欠陥があります。