goo blog サービス終了のお知らせ 

名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-13 ゴキゲン中飛車(68)

2025-03-24 | 基本定跡の研究

昨日は思わぬ掘り出し物がありました。この形から

32金45銀35歩

34銀51角68銀64銀56歩

56同歩や33桂は簡単に先手有利になりました。でもAIに聞くと、36歩同歩24角

これが後手の最善で難しいです。55歩46角48飛19角成43銀不成

43同金同飛成42歩23竜

29馬21竜51飛

激しい応酬でしたが、ここで分岐です。51同竜は同金31飛に84香が入ります。

もし序盤で96歩94歩の交換があれば51飛成で先手優勢なのですが。(という意味で二重のひっかけをねらうことはできます。)

66角62金11飛成

この図の評価値は+45の互角です。

分岐に戻って

飛を交換しない41金も有力で、52飛54歩同飛11角成

57桂同銀同飛成58金右53竜

この図の評価値は0付近の互角です。先手に選択権がありますが。

というところで「鎖鎌銀」は終わりです。少年たちは新しい定跡しか知らないものなので、ベテランは「超速」以外の定跡を勉強しておくと役に立つかもしれません。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(67)

2025-03-23 | 基本定跡の研究

58金右を保留して36銀とするのが先手の工夫だったわけですが

32金45銀35歩

66銀64銀26歩同歩同銀・・・でははっきりしませんでした。ここで34銀はどうか。

22角は25歩64銀23銀成

銀を捨てて2筋の歩を伸ばせばよく、この図の評価値は+626の先手有利です。

戻って

51角しかなさそうで、68銀64銀56歩

これが先手の第2の工夫です。56同歩は11角成57歩成21馬68と同金

銀と(振り飛車左側の) 桂香の二枚替えは得だと言い切れないことはありますが、攻め駒は4対2なので問題なしです。この図の評価値は+742の先手有利。

戻って

56同歩がダメだとすれば、33桂55歩同銀25歩

これは前に似た形を調べましたが、54飛24歩同歩同飛23歩28飛34飛55角で互角、と所司先生も書いています。でも23歩に33銀不成

右金の位置が違うだけですが、この図の評価値は+1128の先手優勢なのです。驚きました。「一段金に飛捨てあり」です。24歩32銀不成でよいとは思いませんでした。しかも47飛を無視して43銀不成84飛55角49飛成11角成

これが最短だと。86香から寄せるのですね。

ゴキゲン中飛車対策に困っている方、相手は知らないでしょうから、一度はうまくいくと思います。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(66)

2025-03-22 | 基本定跡の研究

先手の工夫で、58金右を保留して77銀

これが検討すべき第一候補のはずです。(最後になってしまいましたが。) 53銀36銀

ここで分岐します。32金45銀35歩

66銀64銀36歩同歩同銀

所司先生の解説では56歩同歩同飛ですが、そのあとの先手の指し方がつまらないようです。47銀と引くのではなく、58金右52飛25歩82玉45銀

この図の評価値は+225、大きなねらいはないのですが、54歩や34歩を打つのはプラスのようです。

後手としては

5筋の歩を交換せずに、94歩96歩82玉58金右72銀25歩84歩35銀74歩

後手はじっと待って24歩同歩同銀と攻めてもらっても困りませんよ、という感じです。この図の評価値は+164で先手ペースではあるのですが、この後どうするのかか難しいです。右桂を使えるようにしたいのですが。

おそらくこのあたりが鎖鎌銀の限界ではないかと思われます。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(65)

2025-03-21 | 基本定跡の研究

今日は小さい変化を2つ取り上げます。

先手が77銀を保留して36銀としたらどうか。

後手は56歩からさばきに出ます。角交換や56同歩同飛の形は避けたいので、66歩57歩成同金44歩

この図の評価値は+103しかなく、先手の失敗です。鎖鎌銀の前に77銀は必要でした。解説手順を追うと、45歩43銀44歩同銀48飛

先手も手がないことはないのですが、42金65歩43金56歩72銀

ここまで来ると評価値は-58、確かに一局ですが、先手としてはさっぱりです。

 

もう一つは後手の変化で82玉の代わりに53銀とした場合、先手は36銀

この時は77銀の前に鎖鎌銀が正解です。後手の分岐ですが、44銀は25銀で先手有利。64銀には45銀

56の地点に守りがあります。すなわち56歩33角成同桂56銀

この図の評価値は+398、すでに先手有利です。

戻って

54銀ならば25銀56歩33角成同桂34銀

32金などは56歩で何もなし。57歩成同銀65銀43銀成54飛55歩

後手は84飛から玉頭をねらいますが、33成銀76銀79桂65角98角

先手は得をした桂を投入して受けきれます。この図の評価値は+445の先手有利。

また戻って

32金は45銀で、解説は35歩36歩同歩同銀・・・以下ですが、AIに聞くと先手は単に34銀で有利です。

42角などは55角、22角には25歩など。この図の評価値は+452の先手有利です。後手としては35歩を突かないでとらせる方がましですが、特に主張はありません。

後手の飛先が重くなった場合は鎖鎌銀が活躍するのですが、56歩からのさばきがある場合は先手は77銀が必要です。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(64)

2025-03-20 | 基本定跡の研究

先手のほうに課題があったのですが、後手から72銀の代わりに53銀とする変化もあります。

36銀に32金は劣るとされているのですが、45銀35歩66銀54銀

AIに聞くとこっちが最善で評価値は+185です。この後の指し方は難しいです。

所司先生は54銀ではなくて64銀25歩74歩36歩同歩38飛92香36飛

これで先手満足としています。評価値は+175と少し下がっているのですが。

戻って

36銀には51角45銀35歩

後手は3筋を軽く受けたいと。68銀64銀56歩

56同歩のほうが解説のメインですが、先にAIに聞くと、後手の最善は33桂34銀32金55歩同銀25歩

ここで46銀ではなく、56歩47金54飛

銀取りですが、取れば取られる形です。24歩同歩同飛23歩28飛34飛55角

これで評価値は+122、先手側に振れてはいますが、不満はあります。(やはり先手に工夫が必要なのです。)

戻って

あとはおまけでよいのですが、56同歩は11角成33角で分岐です。

先手としては21馬99角成

これで難解、評価値は+65のほうがましです。

戻って

33同馬同桂54香

これがあるから先手良しのように書かれているのですが、62飛34銀42金25歩65銀

評価値は-132、後手ペースになるのです。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(63)

2025-03-19 | 基本定跡の研究

後手としては美濃囲いを優先せずに

72玉の位置で33角としておく方が良いです。47銀42銀58金右82玉77銀72銀36銀32金

この形になるならば、先に美濃囲いでも同じなのですが。ともかく42銀32金の形を先手が攻略できるかです。45銀35歩25歩53銀

ここでどう指すかが難しいのですが、所司先生の解説では34銀51角68銀

64銀56歩74歩24歩同歩55歩

この図の評価値は+40の互角です。先手としては失敗でしょう。なお以下56歩54歩33桂24歩同歩同飛57歩成同銀45桂と書いてありますが、後手有利です。56歩には45銀と応じて少し後手の無理。この図では55同銀で互角です。

戻って

所司先生は難しいとされているのですが、66銀64銀36歩同歩同銀

これが先手の最善のようで、評価値は+154でしかありません。

最初のほうの

この図が思わしくないようで、先手に工夫が必要です。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(62)

2025-03-18 | 基本定跡の研究

先手が工夫をする必要はないのですが、58金右の前に77銀とすると

58飛とする余地があります。でも64歩58飛63銀56歩同歩同銀

この図の評価値は-65とふるいません。

戻って

後手は左銀を動かしても56歩から攻められることがないのですから、この77銀は大した手ではないとわかります。

42銀66銀64歩58金右63銀96歩94歩36銀

後手が良さを求めるならば、65歩同銀74歩とします。68金上53銀

AIに聞くと25歩73桂66歩72金45銀32金34銀

この図の評価値は+220の先手良しです。ただ先手が求める結果でもないような。

所司先生の解説では

ここは56銀と引くことができて (56同歩は22角成同飛55角) 、64銀45銀左

ここもAIに聞くと。32金25歩72金

この図の評価値は0付近の互角です。

解説では

ここは32飛と受けて、25歩44歩24歩同歩23歩

銀ばさみのやり取りが続きます。33角34銀51角のところで一局とされていますが、43銀成72飛44成銀

この図の評価値は+365の先手有利です。

先手が早くに77銀とするのはつまらない指し方のようです。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(61)

2025-03-17 | 基本定跡の研究

後手の工夫で早めに33角とすると

そのあとの手が広いのですが、角は鎖鎌銀の目標になります。77銀32銀36銀

ここで44歩はまずくて、66銀43銀55銀45歩56歩

55の歩をむしり取って評価値は+355、解説通り先手有利です。

戻って

56歩同歩同飛とさばくほうが普通で、47金と受けます。

右金が離れていくので、この戦法があまり流行しなかったのだと思いますが、先手が指しやすいのです。51飛45銀35歩

ここは (すでに先手良しなので) いろいろあって、所司先生の解説では先手不満とされる34銀22角25歩54飛45銀74飛でも

この図の評価値は+285です。

戻って

解説では36歩44歩34銀42角

ここで先手不利だとされる35歩だって、55飛に25銀と引いておけば

銀を殺されることもなく、評価値は+220の先手良しです。

また戻って

ここは66銀36歩55銀

先手は左銀を使う方が良いです。金銀4枚がバラバラなのですが、56歩58飛24歩33歩

33同桂は56飛として先手有利 (評価値は+312) です。おそらく実戦例で33同銀43銀成64角

64同銀同歩33成銀同桂44角

この図の評価値は+324、所司先生は後手が指しにくいとしています。57銀から攻めていくのを余してしまえば先手の勝ちになるでしょう。

もっと戻って

AIに最善手を聞くと、34銀でも36歩でもなく、25歩なのです。後手は待つしかないので、94歩96歩12香36歩

25歩と12香の交換は先手の得です。44歩34銀42角24歩同歩66銀

36歩22歩37歩成同金33歩

これで取り合いですが、21歩成34歩22と43銀12と

この図の評価値は+311の先手有利です。

金銀4枚の連結がない形ですが、後手の攻め駒が少ないのでどれも先手良し以上になるのでした。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(60)

2025-03-16 | 基本定跡の研究

後手の工夫として42金

左金で位を守ろうという指し方もあります。77銀53金66銀54金56歩

所司先生は書いていないのですが、後手がこの歩を取らないのも難しいのです。94歩96歩64歩55歩同金同銀同角同角同飛57歩

ただ金銀交換というのは少し効果があり、65銀68金上51飛88角

33角同角成同桂88角22銀66歩74銀25歩

このやりとりも、人間には最善なのかわからないレベルですが、評価値は+275、先手良しというか作戦勝ちです。

戻って

所司先生の解説では56同歩同銀55歩45銀同金同歩

56歩は55歩57銀

(AIに聞くと、この57銀で46銀ならば54金とするのだと。) 57同銀同歩成同金55角66銀

この図の評価値は+213、所司先生は先手十分としています。後手としてはこの図を目指すのが最善のようです。

戻って

本筋とされているのは後手が54銀と打つのですが、解説は48飛56歩68金上64歩・・・難しいです。AIに聞くと54銀には25歩が正しく

33角ならば24歩 (同角には25金) 同歩23金

51角に44歩同歩24金と攻めるようです。後手は5筋から攻める形になっていませんから、この図の評価値は+600を超えます。先手有利。

戻って

56歩ならば47金打

この図の評価値は+472の先手有利です。後手が金銀交換をして54銀と打つのではつまらないのです。55銀同銀同角同角同飛77角22角46金51飛55歩

これは先手が押さえ込んで1歩得する展開です。

後手の工夫は実らず。ただし先手が正しく対抗しないと互角になります。

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(59)

2025-03-15 | 基本定跡の研究

先手の好みで77銀とする形も選べます。

(所司先生の本には36歩~25歩~56歩とする指し方も載っているのですが、似たような形を調べたし、先手がうまくいかないので省略します。)

後手は先に64歩を突いているので、65歩も選べます。本には25歩33角36銀以下を書いてあるのですが、難解なのでAIに聞くと、96歩94歩66歩同歩同銀

すぐに反発して先手が指せるようです。この図の評価値は+260です。AIの勧める進行例としては、35歩25歩54飛68金上42銀36歩同歩38飛

後手が伸ばした歩を2回も逆用できます。34飛36銀53銀35銀

34飛が逃げる場所によりますが、34銀と出て先手良しになります。(AIは74飛75銀同飛同歩66歩同角64銀を最善としていますが、先手良しは変わりません。)

戻って

後手は65歩は失敗なので、74歩25歩33角36歩63銀

左銀で中央を守るのは間に合わないとみて、右銀を前に出しました。45歩72金46銀42銀66銀54銀24歩

24同歩は35歩同歩同銀65歩34歩22角24飛

銀取りよりも2筋で飛のさばきが優先されて、評価値は+382です。32金77銀23歩26飛と進んで先手の作戦勝ちというところでしょうか。

なので

24同角のほうが本手となるのですが、55銀左63銀

55歩をむしって先手の言い分が通りました。ここで解説は47金ですが、AIに聞くと35歩同歩22歩のほうが優ります。

この図の評価値は+326の先手有利。

後手が木村美濃を優先するというか、右銀で中央を守ろうというのはうまくいかないようです。