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名将会ブログ (旧 名南将棋大会ブログ)

名古屋で将棋大会を開いています。
みなさんの棋力向上のための記事を毎日投稿しています。

SS4-13 ゴキゲン中飛車(88)

2025-04-13 | 基本定跡の研究

32銀型と同じように32金型でも

77銀56歩同歩同飛には66銀51飛

左銀を繰り出すのが本筋です。ここで分岐するのですが、まず55銀右から。54歩46銀

すぐに54歩を打って銀を追い返す手も指されているようです。64歩58金右74歩35歩同歩34歩

22角24歩同歩同飛23歩25飛

63銀35飛72金37桂65歩77銀73桂

中村先生は後手が十分に戦えるというのですが、評価値は+528、先手有利というか、はっきり作戦勝ちなのです。Aiの想定手順は66歩同歩65歩、位を取り返しに行きます。44角36飛65桂66銀64歩55歩

こんな調子で戦って、先手有利がはっきりしていくのでしょう。後手は32金はともかく31銀21桂が攻め駒にも守りの駒にもなっていないのですが、先手は全部の駒に役割があります。

戻って

55銀右に後手が54歩を打たない場合は、42銀58飛24歩

中村先生は24同歩同角28飛25歩33角68飛24歩・・・千日手模様だというのですが。AIに聞くと35歩が良く、35同歩には34歩44角24歩

これは先手の調子が良いです。角を取らずに54歩から押さえ込んでいく感じでしょうか。この図の評価値は+432

後手が35歩を取らない場合は

35歩25歩34歩24角96歩94歩54歩

26歩28飛35角24歩

というところ。2,3筋では先手が少し得をするので、押さえ込んでから右桂を使う体制ができれば押しつぶせます。この図の評価値は+341

当時 (2011年) のプロが思っていたよりも、左右の銀を繰り出して押さえ込む形は優秀です。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(87)

2025-04-12 | 基本定跡の研究

次は後手の32金型です。

32銀型との違いは2,3筋の守りが強くなっていること、反面に後手玉は薄くなっていることです。さてここで45銀では中央が薄くなります。22角34銀56歩

この図の評価値は-228の後手良し。

なので

先手は中央を厚くしておくか、角交換に備えるかです。32銀型でうまくいった77銀から。56歩同歩同飛55歩

これは32銀型でも互角だったので考えないほうがよいのですが、実戦例はまあまああるようです。55同飛が正しく、同銀同角

18飛に28銀

というのが最善の応酬なのですが、後手としては28銀よりも27銀のほうが普通です。これを先に片付けると、58飛19角成68銀51香

先手は歩切れなので後手良しにも思えるのですが、51同飛成同金11角成33桂58香

この図の評価値は+582の先手有利。中村先生は先手良しとしています。銀歩と香の交換ですが、攻め駒の数は先手のほうが多く、玉も堅いです。

戻って28銀のほうは

46歩同角68銀

これがちょっといい感じなので先手が採用したのでしょうが。33桂35歩同歩26飛

19銀成58飛64角24歩同歩同飛51香

中村先生は先手自信なしとしていて、評価値は-172です。歩を打たされると34歩のねらいが消えてしまいます。

戻って

27飛打とした実戦もあるようです。56歩68銀88角成同玉

この時点で評価値は-132の後手ペースです。銀飛交換の駒得でも、自陣に飛2枚では攻撃力が劣ります。33桂46歩55角77角46角

18飛24歩同歩26歩

ここで岐れますが、47飛24角

中村先生は難しいとしていますが、この図の評価値は-450の後手有利です。後手46銀を受けにくいですね。

戻って

26同飛57歩成同銀同角成23歩成

これも難しいとされているのですが、25歩27飛46馬32と36馬

この図の評価値は-470の後手有利です。

先手の工夫はほかにもありまして、35歩同歩を入れておくと

24飛23歩の時に54飛と回れるわけですが、19角成

68銀44香41飛42銀打

中村先生は62銀と打つ方を解説していますが、22歩同銀55角同馬同飛で難しいようです。42に銀を打っておけば22歩に同金と取ってよいと。この図の評価値は-156の後手ペースです。

また27飛打ではなく18飛打

ここに自陣飛車を打ちます。24歩同歩同飛とできるから結構有力で、先手有利になる変化も多いです。(実戦例もあるようですが省略します。) AIに聞くと単純に28角成同飛33桂

とするのが最善らしく、評価値は+47、どうやっても互角にしかなりません。

つまり

後手の飛を捕獲しても先手有利にはならないというわけです。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(86)

2025-04-11 | 基本定跡の研究

昨日の手順の変化を見ていきます。

この77銀はかなり有力な手で、56歩同歩同飛66銀51飛

昨日調べたように、55銀右以下押さえ込んでから攻めれば、簡単に先手有利になりました。別の手としては55銀左42金35歩同歩38飛

54歩66銀64歩35飛74歩37桂

この図の評価値は+273、中村先生は一局だとされています。先手が指しやすいけど、具体的にはどうするかというところです。

戻って

解説にはない (おそらく実戦で指されていない) のですが、AIに聞くと35歩同歩34歩

すぐに3筋を攻める手も有力なのです。22角24歩同歩同飛23歩25飛

35歩は飛で取り返します。94歩96歩14歩35飛64歩58金右63銀36飛72金37桂42金68金寄

手順前後は利くでしょう。後手から攻める手もないので。74歩55歩44歩 (ここはいろいろあるけれど) 25桂

24歩33桂成同桂同歩成同角54歩

桂を交換したら54歩と突き出します。この図の評価値は+414の先手有利です。54同銀には55銀左とぶつければよく、代わりに84桂は難しそうですが、97角61飛55銀右

95歩86角96歩94歩

94同香には56桂と打って攻めが続きます。

ということで、35歩から攻めるのも有力です。先手には2つ手段があるわけで、この32銀型は77銀から先手有利になるとしてよいでしょう。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(85)

2025-04-10 | 基本定跡の研究

先手は第4の選択肢として77銀があります。

(58金右はまずまず、77角は微妙、58飛は失敗でした。) これは66銀左~55銀左と歩を取る手があるので、56歩同歩同飛66銀51飛と進みます。

( 66銀のところ55歩は同飛同銀同角で互角でした。) この図はかなり先手が指しやすいようです。55銀右44歩54歩

これは先手の最善ではないのですが、解説されているのとは理由が違います。中村先生は43銀58飛52金左65銀62金寄

後手が勝ちやすいとしているのですが、この図の評価値は+424、先手の明らかな作戦勝ちです。後手から動く手がないので、96歩94歩59金右84歩46歩83銀37桂72金上45歩

ゆっくり右桂を使って攻めつぶせます。評価値は+791

戻って

最善手順ではないというのは、ここで64歩があるから (65銀と出られない) です。75銀43銀58飛42角

64銀左54銀に73銀成と捨てる方がちょっと得で

73同桂54銀57歩同飛65銀

55歩56歩58飛54銀同歩57銀

18飛54飛43銀

という調子でまだ難しい手順が続いて先手有利を保てるのですが、一つ間違えるとだめです。

戻って

この54歩を保留します。もう1手戻って58飛43銀65銀52金左54歩

この辺り (65銀としてから) で54歩を打つのが正しいようです。これで前の図を目指せば

先手有利です。

中村先生は54歩を否定していて

歩を打たずに46歩62金寄45歩同歩44歩

32銀54銀左で先手優勢という解説なのですが、ここで55飛同飛44角とされて

評価値は0近辺の互角です。先手は焦って攻めてはいけないのでした。

なお54歩を打たない形で後手が64歩を突くのは (先手の65銀を防ぐ意味)

96歩43銀97角

先手は角で64歩を取りに行きます。45歩には54歩63銀64銀54銀左 (右でも) 53銀成

52歩を見て、この図の評価値は+354の先手有利です。それでも後手としては押さえ込まれないうちに戦う方がましなのですが。

途中の変化として

42角の受けは、64銀58飛成同金右

53銀成があるので飛を交換しても構いません。この図の評価値は+432の先手有利です。

 

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(84)

2025-04-09 | 基本定跡の研究

先手の変化はまだありまして、58金右の代わりに58飛

これも後手の56歩に備えた意味があります。攻めのねらいとしては、64歩77銀63銀66銀54銀56歩

中央を数で制圧しようと。56同歩同飛65歩55銀左

中村先生の解説では55同銀同銀64銀54歩 (千日手を回避した) 55銀同飛

これで先手が指せるとしているのですが、評価値は-371の後手有利です。平凡に55同角同角54飛11角成28飛

38銀の受けには58銀が厳しいです。

途中の64銀では66銀のほうが (後手にとって) 良いようです。つまり

ここから55同銀同銀66銀とすれば

後手から千日手回避できます。46銀打に67銀成同玉54歩

63銀55歩52銀不成同金左59飛

先手の駒得ですが玉が薄いです。56歩55歩28銀

桂香を取りに来られてちょっと指しにくいようです。まあ後手は千日手を選んでもよいわけですが。

ということで58飛は先手の失敗です。無理をしなければ悪くはならないのですが、58飛とする意味はなくなってしまいます。

 

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(83)

2025-04-08 | 基本定跡の研究

後手の56歩を恐れたら、先手は58金右の代わりに77角とすることはできます。

これでも56歩ならば同歩同飛24歩同歩22歩

この図の評価値は+354の先手有利です。進めると77角成同桂33桂21歩成同銀24飛22歩35歩

こんなところでしょう。評価値は上がっていきます。

戻って

角を上がるデメリットは、77銀~66銀と左銀を使えないことです。中村先生の解説では94歩96歩64歩58金右65歩

これで一局だとされています。ただし評価値は+278なので先手の作戦勝ちになるのでしょう。AIの読み筋は37桂~86角など。でも明快な攻め筋ではないので、先手は選びにくいか。昨日一昨日に見た58金右56歩同歩のほうを勧めます。

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(82)

2025-04-07 | 基本定跡の研究

後手32銀型で飛をさばく形の続きです。

先手は56同歩が有力で、後手から角を交換されても戦えました。交換しない形は56同歩同飛66歩

すでに68銀としているので、66同飛や66同角は怖くありません。54飛67金44歩96歩94歩77角43銀88玉

後手は角頭をカバーするために飛を一度54に引いています。51飛78金32金57銀上54銀35歩

想定手順なので必然とは言えませんが、先手は銀2枚を前に出して中央で戦います。3筋が薄くなったら手を出しましょう。45歩34歩44角37銀43銀

36銀34銀24歩同歩同飛23金

28飛26歩56銀33桂35歩

35同銀同銀同角36歩44角32銀

こんな調子で戦います。薄いようでも5筋は平気なようで、飛と銀2枚で戦い、持ち歩を生かします。後で角を使えば有利になるでしょう。この図の評価値は+283の先手良しです。

定跡化するには実戦を重ねなければいけないのでしょうが、最初にやった、先手から角を交換する形よりも指しやすいです。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(81)

2025-04-06 | 基本定跡の研究

後手が美濃囲いを優先して、32銀型で56歩とさばく形の続きです。

AIに聞くと56同歩が有力です。先手から角を交換しません。後手から換えるのは88角成同玉56飛

77銀51飛66角33角

角を打ちあうのは仕方ないようで、角を打たずに33銀は24歩同歩22歩

この図の評価値は+352の先手有利です。

33銀ではなくて33桂ならば35歩同歩34歩

これはすぐに見えますね。評価値は+597の先手有利。

戻って

68金寄94歩96歩までは進むとして、後手は駒を動かしにくいので66角同銀もしかたないか。64歩ならば55角

64歩をかすめ取ります。この図の評価値は+284の先手良し。

後手が64歩ではなくて33銀ならば、35歩同歩24歩同歩34歩

先手は軽く飛をさばきます。22銀24飛23歩28飛

この図の評価値は+217、大したこともないようですが、32金55銀右36歩54歩52歩26飛

というように、進めてみると評価値は+272に上がります。先手が指しやすいでしょう。


SS4-13 ゴキゲン中飛車(80)

2025-04-05 | 基本定跡の研究

後手の工夫で、32金を保留して美濃囲いにすると

68銀に32銀の形を調べます。次の先手58金右のところは他の手もあるのですが、後手が56歩とさばいたら

33角成同銀56歩同飛

中村先生の解説では35歩76飛77銀74飛24歩同歩65角

飛をいじめる順なのですが、せいぜい互角にしかなりません。

戻ってAIに聞くと

24歩同歩37桂が最善です。

32金45桂44銀24飛23歩29飛

これでまあまあのようですが、後手に54角があって難しいようです。57金76飛77銀74飛56金55歩

66金45銀55銀

この図の評価値は+141、先手ペースのようですが銀桂と角の二枚替えくらいでは威張れません。

あるいは

54角に66歩もあって、45角同銀同銀67角

これは55桂56銀同銀41飛57歩

後手に攻められます。57同銀67銀打88玉58銀不成56銀69銀不成同飛31金打

この図の評価値は+152、どちらも先手ペースなのでしょうけど、難しいです。

ということで先手にはもっと工夫が必要です。

 

 


SS4-13 ゴキゲン中飛車(79)

2025-04-04 | 基本定跡の研究

後手の54飛がうまくいかないので33銀

ぶつける手はどうでしょうか。先手としては33同銀成や35歩もあるのですが難しいです。中村先生の解説通り、23歩が最善のようで、31角33銀成同金22銀

角の逃げ方で変化があり、64角には33銀成同桂65金

金を打って角を追います。ここで56歩は64歩57歩成同銀、57同飛成は35角で王手竜取りですね。なので31角24飛14歩・・・と解説は続きますが、長い実戦手順を覚えなくてもよいでしょう。この図の評価値は+432の先手有利です。自然な攻めを心がければ。

戻って

42角と逃げた場合は33銀成同角34金

ここでも金を打って角を追います。筋が良いとは言えないのですが、51角43金54飛22歩成

と金ができて桂香を拾えます。この図の評価値は+455の先手有利。

ということで、後手の71玉32金の形は先手が攻略できました。