飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

ひと目でわかるハイパースペクトル事例集(農業1)

2015-05-16 06:00:00 | 佐鳥新の教授&社長日記

航空リモートセンシング視点での農業分野のスペクトルデータの活用事例です。

水稲のタンパクマップ
水稲のタンパクマップ |北海道衛星株式会社
解説

2つの波長を使い求める正規化植性指数(NDVI)と米のタンパク含有量との相関を等級化したタンパクマップです。タンパクマップは土壌改良と施肥量を決めるために使われております。

提供:富士通北海道システムズ様

キーワード 農作物,生育,管理
小麦の生育マップ
小麦生育マップ |北海道衛星株式会社
解説

人工衛星データを使い、音更町周辺の圃場から小麦の生育状況を可視化したマップです。赤は、倒伏状態、成熟の早い順から黄、緑、青で示されています。

道立中央農試 安積大治氏 提供

キーワード リモートセンシング,農業,生育状況,小麦

ハイパースペクトルカメラによる土壌成分分析

2015-05-15 23:55:16 | 佐鳥新の教授&社長日記

土壌成分分析結果簡易報告

http://www.hokkaido-sat.co.jp/about-collaboration/collaboration-report-remote-control.html 

昨年、2014年11月に行った土壌成分分析の結果の一部を公開いたします。圃場を24つにわけ、その箇所の土壌成分分析を行いました。

土壌成分分析エリア |北海道衛星株式会社
土壌成分の結果から「腐食」「硝酸態窒素」の紹介します。また、同時期に撮影したハイパースペクトルデータからNDVIを算出し、グラフによる比較をおこないました。比較結果は以下のとおりとなっております。
土壌分析結果とNDVI |北海道衛星株式会社


今日のニュース150511

2015-05-11 05:06:52 | 佐鳥新の教授&社長日記

■NASA、一卵性双生児の遺伝子発現など宇宙滞在の影響調査-有人火星飛行を想定

米航空宇宙局(NASA)が、将来の有人火星飛行を想定し、長期の宇宙滞在が健康に与える影響について、一卵性双生児を使った実験を始める。国際宇宙ステーション(ISS)に1年間滞在する米国人飛行士と、地上に残る双子の兄との実験データを比較することで、体に及ぼす影響を調べる。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720150508eaae.html

 

■赤方偏移7.730、もっとも遠い銀河の記録更新

うしかい座の方向に発見された銀河「EGS-zs8-1」は、2010年から2013年にハッブル宇宙望遠鏡(HST)を用いて行われたサーベイ観測により、特異な色合いを持つ銀河として確認された。赤外線天文衛星「スピッツァー」による観測も行われたほか、米・ハワイのケックI望遠鏡の分光観測から、遠方宇宙までの距離の目安である「赤方偏移」の値が7.730と求められた。

http://www.astroarts.co.jp/news/2015/05/08farthest/index-j.shtml

 

■超小型宇宙探査機「PROCYON」、故障で小惑星への軌道変更を断念

超小型探査機が、エンジン故障のため、小惑星への軌道変更を断念した。
東大などが開発した超小型宇宙探査機「PROCYON(プロキオン)」は、2014年12月に「はやぶさ2」とともに打ち上げられ、省電力技術を使った軌道のコントロールや、地球との通信による小惑星への接近を目指していたが、3月にイオンエンジンが故障して、加速できなくなったことから、小惑星への軌道変更を断念したという。

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20150509-00000039-fnn-soci

 

■太陽系外惑星で初めて火山噴火を発見か

太陽系外惑星に関する最近の報告の中でも、今回、論文サーバー「arXiv」に投稿された論文は驚くべきものである。地球から40光年の彼方にある「かに座55番星e」という太陽系外惑星で、大規模な火山活動が起きているかもしれないというのだ。

彼らがスピッツァー宇宙望遠鏡を使って実際に観測したのは、この惑星の温度が約1000℃から約2800℃まで大きく変化しているということだ。

かに座55番星eは地球の約2倍の大きさで、質量は8倍近くある。今回観測された温度変化は、低温の場合でも約1000℃あるので、生物が生きることはできない。

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/15/050700085/

 


植物工場の記事の紹介

2015-05-02 01:00:13 | 北海道衛星

【時の人 話題の組織】嶋村茂治・(株)みらい代表取締役 植物工場を新たな農業分野として確立

http://www.jacom.or.jp/series/cat161/2014/cat161140818-25108.php

聞き手:加藤一郎・(株)ジュリス・キャタリスト代表(前JA全農代表理事専務)
・極寒の南極昭和基地隊員に新鮮野菜を
・日本の農業技術がモンゴル文化に影響
・JA東西しらかわの思いを実現する
・薬草や機能性野菜の可能性を追求
・播種から収穫までオールLED使用
・農中6次化ファンドで「補助金ゼロ」へ
・消費者のニーズを一つひとつ実現

《抜粋》

○嶋村 大規模化ができる装置の販売と野菜生産の両方を行っているのが最大の特徴です。弊社では、「装置を売っているのではなく、畑を作るお手伝いをしている」のであり、本当のコアは「栽培」だと考えていますし、農業ですから、栽培を無視した植物工場は意味がない思っています。

○極寒の南極昭和基地隊員に新鮮野菜を

嶋村 以前にもあったそうですが、思うように収穫できなかったので、装置だけがあってもだめで、遠隔で野菜栽培をコントロールできることが条件でした。いまは、レタスやハーブが順調に収穫されています。
加藤 「遠隔コントロール」とは実際には…
嶋村 南極は磁気嵐などでオンラインは難しいので、データをパッケージ化して衛星回線で1時間に1回、日本に送ってきます。そのデータをみて、「こういう風にしてください」と指示するわけです。昭和基地の植物工場担当者は、「農協さん」と呼ばれているそうです

○日本の農業技術がモンゴル文化に影響

嶋村 2012年に、ある銀行の商談会に参加しモンゴルに行きました。モンゴルは肉食というイメージが強かったのですが、現地では毎食、野菜サラダが出てきてちょっと驚きました。モンゴルの平均寿命は冬の間お酒を飲むし、肉食なので男性で65歳、女性で71歳と短いんです。だから健康を増進するために野菜を食べたいという話でした。・・・・

嶋村 冬場に野菜をつくることにとても憧れを持っていて、冬場にモンゴル産の野菜ができたことをものすごく喜んでくれ、消費者から「感謝します」とまでいわれました。
 もっと嬉しかったのは、働いている若い女性たちが、収穫する時に「刈るのがかわいそうだけど、仕事だからごめんなさい」といっているという話を聞いた時です。そして、私たちは歩留まりを考えて苗を少し多めに作り、使わないものは捨てますが、彼女たちはそれを集めて自宅でベビーリーフを作って食べています。
 これは食文化もそうですが、日本の農業技術がモンゴルの文化に影響を与えていることであり、良かったなと思いました。

○農中6次化ファンドで「補助金ゼロ」へ

嶋村 私は「これからが本番、勝負」だと考えています。一番重要なことは、販路の確保と、どうやって栽培するか、この二つのバランスです。このバランスが取れていなければうまくいきません。
 いままでで一番欠けているのは、商品をどうやって消費者に伝え、どう届けるのかという工夫が足りなかったからだと思います。
 これからは、通常の農業は当然ですがなくてはならないものですし、旬の野菜は誰でも食べたいものです。そうであっても日常的に簡便に手に入って、安定した品質で安全なものは、新しいジャンルとして必要ではないかと思います。
 旬や地元の野菜とは違うけれど、これを買えば「いつも同じ味で、同じ量で、値段も一緒」というスタンダードなものを植物工場で作りたいと思います。「安かろう悪かろう」ではいけないので、美味しさとか安全性など消費者が求めるニーズを一つひとつ実現していくことで、アピールしていきたいと考えています。そのことで、いままでとは異なるジャンルの農業として確立し、それぞれの農業分野が伸びていくことが私の理想です。