飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

植物工場の記事の紹介

2015-05-02 01:00:13 | 北海道衛星

【時の人 話題の組織】嶋村茂治・(株)みらい代表取締役 植物工場を新たな農業分野として確立

http://www.jacom.or.jp/series/cat161/2014/cat161140818-25108.php

聞き手:加藤一郎・(株)ジュリス・キャタリスト代表(前JA全農代表理事専務)
・極寒の南極昭和基地隊員に新鮮野菜を
・日本の農業技術がモンゴル文化に影響
・JA東西しらかわの思いを実現する
・薬草や機能性野菜の可能性を追求
・播種から収穫までオールLED使用
・農中6次化ファンドで「補助金ゼロ」へ
・消費者のニーズを一つひとつ実現

《抜粋》

○嶋村 大規模化ができる装置の販売と野菜生産の両方を行っているのが最大の特徴です。弊社では、「装置を売っているのではなく、畑を作るお手伝いをしている」のであり、本当のコアは「栽培」だと考えていますし、農業ですから、栽培を無視した植物工場は意味がない思っています。

○極寒の南極昭和基地隊員に新鮮野菜を

嶋村 以前にもあったそうですが、思うように収穫できなかったので、装置だけがあってもだめで、遠隔で野菜栽培をコントロールできることが条件でした。いまは、レタスやハーブが順調に収穫されています。
加藤 「遠隔コントロール」とは実際には…
嶋村 南極は磁気嵐などでオンラインは難しいので、データをパッケージ化して衛星回線で1時間に1回、日本に送ってきます。そのデータをみて、「こういう風にしてください」と指示するわけです。昭和基地の植物工場担当者は、「農協さん」と呼ばれているそうです

○日本の農業技術がモンゴル文化に影響

嶋村 2012年に、ある銀行の商談会に参加しモンゴルに行きました。モンゴルは肉食というイメージが強かったのですが、現地では毎食、野菜サラダが出てきてちょっと驚きました。モンゴルの平均寿命は冬の間お酒を飲むし、肉食なので男性で65歳、女性で71歳と短いんです。だから健康を増進するために野菜を食べたいという話でした。・・・・

嶋村 冬場に野菜をつくることにとても憧れを持っていて、冬場にモンゴル産の野菜ができたことをものすごく喜んでくれ、消費者から「感謝します」とまでいわれました。
 もっと嬉しかったのは、働いている若い女性たちが、収穫する時に「刈るのがかわいそうだけど、仕事だからごめんなさい」といっているという話を聞いた時です。そして、私たちは歩留まりを考えて苗を少し多めに作り、使わないものは捨てますが、彼女たちはそれを集めて自宅でベビーリーフを作って食べています。
 これは食文化もそうですが、日本の農業技術がモンゴルの文化に影響を与えていることであり、良かったなと思いました。

○農中6次化ファンドで「補助金ゼロ」へ

嶋村 私は「これからが本番、勝負」だと考えています。一番重要なことは、販路の確保と、どうやって栽培するか、この二つのバランスです。このバランスが取れていなければうまくいきません。
 いままでで一番欠けているのは、商品をどうやって消費者に伝え、どう届けるのかという工夫が足りなかったからだと思います。
 これからは、通常の農業は当然ですがなくてはならないものですし、旬の野菜は誰でも食べたいものです。そうであっても日常的に簡便に手に入って、安定した品質で安全なものは、新しいジャンルとして必要ではないかと思います。
 旬や地元の野菜とは違うけれど、これを買えば「いつも同じ味で、同じ量で、値段も一緒」というスタンダードなものを植物工場で作りたいと思います。「安かろう悪かろう」ではいけないので、美味しさとか安全性など消費者が求めるニーズを一つひとつ実現していくことで、アピールしていきたいと考えています。そのことで、いままでとは異なるジャンルの農業として確立し、それぞれの農業分野が伸びていくことが私の理想です。