飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

第3回宇宙ビジネス勉強会で学んだこと

2005-09-13 23:27:44 | 佐鳥新の教授&社長日記
昨日のビジネス勉強会で学んだことを紹介する。

①JSATの小手川部長の講演より

20年前に設立されたJSATは日本で初めての宇宙ビジネスを立ち上げた企業であるが、その着想を思いついたのは非専門家による社内懸賞論文が発端となったという。個人の情熱が結果的には会社全体を動かし、日本初の事業を実現したのだ。
最初は「夢があるから」という理由で賛同してもらったそうだが、時間が経つに従ってやはり夢だけでは結果がついてこないという現実に直面する等の危機を乗り越えてきたエピソードを聞けたことは私にはとても勉強になった。人がやらないニッチなことを推し進めることが新たな道を拓くということだ。
これからの宇宙ビジネスのキーワードは、「通信」、「位置情報(GPS)」、「地図(リモートセンシング)」の三位一体の事業を企画することにあるという。

②JAXAの石塚部長の講演より

石塚部長には国の立場から宇宙産業創出の切り口について講演して頂いた。現在世界の宇宙産業の規模は10兆円であり、そのうち日本は9千億円程度を占めている。宇宙産業を拡大するためには、宇宙技術の民生利用(スピンオフという)と非宇宙分野からの参加者を得ることによって新たなビジネスチャンスを増やすことの2点に集約されるようだ。JAXAでは宇宙オープンラボという制度を設けることで、国として受け皿を担っている。

③大樹町の伏見町長の講演より

大樹町における過去20年間の宇宙基地誘致の取り組みについて講演して頂いた。伏見町長からは夢を持続することの大切さを学ばせて頂いた。必ずや大樹町から北海道衛星『大樹』を大気圏外へ飛ばさねばならないと私自身深く受け止めさせて頂いた。

④植松電機の植松専務の講演から学んだこと

植松電機では1年前から北大の永田先生との共同研究を契機に、社員が宇宙というテーマに前向きに取り組むことで仕事に理想と喜びを感じるようになり、飛躍的に業績が伸びたというお話しを聞かせて頂いた。また植松専務の言葉の端々から会社とは人のために役立たねばならないという利他の姿勢と企業価値の意味に対する不動の信念が滲み出ており、彼の人としての素晴らしさに感動させられた。こういう方がもっと日本に増えて欲しいと思った。(植松氏は2005年度の「人間力大賞」の全国大会でのグランプリを受賞している。彼の人間性はレイランドに正確に表現されている。)