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飛び出せ! 北の宇宙基地

北の地である北海道で、人工衛星の開発などを行っている 北海道工業大学 佐鳥研究室の活動日記です。

宇宙関連情報: 来年は宇宙人来訪? 「90%の確率で“重大な出現”」中国のUFO研究第一人者

2010-08-10 07:00:00 | 北海道衛星
8月7日17時21分配信 産経新聞

 【上海=河崎真澄】未確認飛行物体(UFO)の目撃情報が各地で相次ぐ中国で、専門家が「西暦で末尾に1、2、7がつく年は多数のUFOが観測されており、来年は重大な出現が90%の確率で起きる」と発言し、話題を呼んでいる。

 華僑向け通信社の中国新聞社電によると、大胆な予測をしたのは江蘇省南京にある中国科学院紫金山天文台の王思潮研究員。王氏は中国におけるUFO研究の第一人者で、39年間にわたって観測を続けている。

 王氏の研究では、末尾に1、2、7のつく年の4~10月、特に7、8月に出現の報告が集中しているという。今年は“当たり年”ではないが、6月末から新疆ウイグル自治区や湖南省などで住民のUFO目撃証言が後を絶たず、浙江省杭州では先月、飛行物体の出現が原因で空港が一時閉鎖される騒ぎも起きている。

 王氏は「重大な出現」について、「地球の人類文明は初期段階にすぎず、はるかに高度な宇宙人の飛行物体による地球の訪問もありえる」とまで予言した。


出典: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100807-00000526-san-int

宇宙関連情報: はやぶさ2の開発計画は「妥当」 試料持ち帰りに注文も

2010-08-09 12:54:05 | 北海道衛星
小惑星探査機「はやぶさ」の後継機となる「はやぶさ2」について、文部科学省の宇宙開発委員会は5日、開発方針を「おおむね妥当」として了承した。ただ、委員からは「確実に小惑星の試料を持ち帰ることができるのか一抹の不安がある」「情熱を持つリーダーが見えるような体制を早急に構築すること」などの意見や注文もついた。

 はやぶさ2は、地球と火星の間の軌道にある小惑星を目指す。表面の試料採取をした後、小惑星に物体を衝突させて人工クレーターを作り、底から試料を採取して地球に戻る。はやぶさが到達した「イトカワ」と違い、有機物を多く含んでおり、生命誕生の起源に迫れる可能性があるという。

 小惑星が地球に接近する2014年の打ち上げを目標にしており、文科省は来年度予算での開発着手を目指している。


出典:http://www.asahi.com/special/space/TKY201008050327.html

宇宙関連情報: NASA、「最高の火星地図」公開 拡大どこでも自由に

2010-07-31 11:49:27 | 北海道衛星
NASA、「最高の火星地図」公開 拡大どこでも自由に


星をどこでも自由に拡大して見ることができる詳細な地図が完成した。米航空宇宙局(NASA)が23日、火星探査機が撮った最新画像から作り公開した。川の流れで浸食されたような地形も鮮明に観察できる。火星の鉱物などの研究資料に使えるほか、上空を飛んで火星探査しているような気分にもなれる。

 地図は、NASAの探査機「マーズオデッセイ」がこの8年で撮りためた2万1千枚の画像から作られた。地球の半分の大きさの火星全域をカバーしている。担当者は「研究者が火星表面の構造や鉱物の組成を調べるのに最高の地図ができた」という。地図はNASAのサイト(http://www.nasa.gov/)から見ることができる。

 火星探査は1970年代に本格化した。近年、浸食された地形や丸い石が多数見つかり、水の存在が有力視されるようになった。生命の発見にも期待が高まっている。

 東京大総合研究博物館は24日から、生命の痕跡らしい跡がある火星から来た隕石(いんせき)の実物や、火星の3次元映像などを展示する特別展を始めた。月曜は休み、入場無料。10月30日まで。宮本英昭准教授は「日本が目指す火星探査の素案も示しており、広く意見を募りたい」と話す。(東山正宜)

出典: http://www.asahi.com/special/space/TKY201007240467.html

宇宙関連情報: 手作りロケット、夏空へ 宇宙機構、高校で連携講座

2010-07-30 12:00:00 | 北海道衛星
手作りロケット、夏空へ 宇宙機構、高校で連携講座

大阪府立大和川高校(大阪市住吉区)で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との連携講座があり、生徒がプラスチック製ロケットを作って飛ばした。

 JAXA元職員で、物理の教師に転じた同校の中川人司(ひとし)教諭が「科学の面白さを伝えたい」と企画。小惑星探査機「はやぶさ」の運航に携わった技術者らを招いた。

 同校サイエンス同好会部長の榎本太一君(3年)は将来、宇宙にかかわる仕事に就きたいという。「この夏は夢に向かって、ロケットのような勢いで受験勉強します」


出典: http://www.asahi.com/special/space/OSK201007220135.html

宇宙関連情報: ロシアが新ロケット基地計画 1兆円超投入、都市施設も

2010-07-30 07:00:00 | 北海道衛星
ロシアが新ロケット基地計画 1兆円超投入、都市施設も

【モスクワ=副島英樹】ロシアが、ソ連時代からロケット打ち上げ拠点としてきたバイコヌール宇宙基地(カザフスタン)に代わり、ロシア極東のアムール州に新しい打ち上げ基地を建設する計画に着手した。プーチン首相は今週、基盤整備などに3年間で247億ルーブル(約740億円)を投入すると明らかにした。

 新しい「ボストーチヌイ宇宙基地」は2012年に着工し、15年に無人ロケット、18年には有人ロケットの打ち上げをめざす。野口聡一宇宙飛行士も昨年末飛び立ったバイコヌール基地はソ連崩壊でカザフスタン領となり、ロシアは毎年1億1500万ドル(約100億円)を払って借用してきた。ロシア宇宙庁によると、段階的に新基地へ打ち上げ拠点を移していく方針だ。

 アムール州のウグレゴルスクやスボボードヌイ付近一帯に、発射施設のほか、住居や病院など、2万~2万5千人規模の都市施設も整備する。事業全体では計3650億ルーブル(約1.1兆円)規模が投入され、極東経済を活性化する起爆剤に、との期待もかかる。政府系シンクタンク・ロシア地域発展国際センターのメラメド所長は「技術力の高い日本企業に参画や投資を呼びかけたい」と強調する。

 アジアと欧米を結ぶ貨物輸送のハブ機能を持った空港を建設。アムール川に建設中の新しい橋を活用して中国との物流拠点としても位置づける。幹線道路や鉄道敷設、小型ジェット輸送網、ロケット燃料の液体水素工場の建設などの分野で日本企業と連携を望んでいる。



出典:http://www.asahi.com/special/space/TKY201007220281.html

公募案内: 平成22年度 「超小型衛星研究開発事業」の公募開始について

2010-07-29 07:00:00 | 北海道衛星
平成22年度 「超小型衛星研究開発事業」の公募開始について 平成22年7月26日
http://www.mext.go.jp/b_menu/boshu/detail/1296156.htm

 既存の人工衛星システムに比較して小規模である超小型衛星は、開発期間が短く、低コストで済み、加えて最新の研究開発成果を取り込むことが可能となると期待されており、これまで大学等において、その研究開発が進められてきました。
 また、超小型衛星の研究開発の過程には大型衛星の開発に比べ、大学等の若手研究者が主体的に参画しやすい環境を構築できることから、国内外の若手人材育成のツールとして超小型衛星開発を積極的に活用していくことも求められております。
 そこで、平成22年度の本事業では、超小型衛星による高頻度な地球観測の実現に向けた研究開発と、アジアなどの宇宙新興国との協力によるキャパシティ・ビルディングを組み合わせた事業の実施を目指します。
 公募概要については以下をご覧ください。

1.公募概要

(1)公募対象の提案内容
 本事業では、超小型衛星のコンステレーションによる高頻度な地球観測の実現に向けた研究開発と、アジアなどの宇宙新興国(以下「アジア等新興国」)との協力によるキャパシティ・ビルディングを組み合わせた実施を目指します。
 平成22年度事業においては、以下の2つの提案を1つの提案として求めます。


1)アジア等新興国との超小型衛星によるコンステレーション・ミッションの実施に適切な人工衛星バスシステム(以下「衛星バス」)の開発手法の確立
2)アジア等新興国との協力によるキャパシティ・ビルディングを組み合わせた事業計画の提案(アジア太平洋宇宙機関会議(APRSAF)も活用したミッション検討)

 また、平成23年度以降の事業においては、アジア等新興国と協力しながら、超小型衛星のコンステレーションによる高頻度な地球観測の実現に向けた研究開発を行う提案を求めます。


(2)事業規模
 年間約3億円以下としますが、研究開発計画の内容等を勘案して予算の範囲内で毎年度決定します。


(3)事業期間
 5年以内

(4)提案者の要件
 大学、高等専門学校、大学共同利用機関、独立行政法人、公益社団法人、民間企業(ただし法人格を有する者)、特定非営利活用法人 等

2.スケジュール
 公募開始から事業開始までのスケジュールは概ね次のようになる予定です。

 公募開始:平成22年7月26日(月曜日)
 公募締切:平成22年8月16日(月曜日) 17時00分(必着)
 審査:平成22年8月下旬頃
 事業開始:平成22年9月中

3.審査
 提案の選定に係る審査は、文部科学省に設置された外部有識者からなる審査評価会(以下「審査評価会」。)において非公開により行います。審査評価会は、提出された提案を書面審査、ヒアリング審査を経て、採択を決定します。

4.公募要領等
 公募内容の詳細については、以下の公募要領等をご覧ください。


平成22年度 超小型衛星研究開発事業公募要領 (PDF:257KB)
平成22年度 超小型衛星研究開発事業審査要項 (PDF:151KB)
平成22年度 超小型衛星研究開発事業提案書類一式 (Word:262KB)

お問い合わせ先
研究開発局宇宙開発利用課宇宙利用推進室
川口・栗栖
電話番号: 03-6734-4156 03-6734-4156
ファクシミリ番号: 03-6734-4158 03-6734-4158
メールアドレス:uchriyou@mext.go.jp

宇宙関連情報: IAA50周年記念シンポジウムのお知らせ

2010-07-28 21:36:05 | 北海道衛星
IAA50周年記念シンポジウム

気候変動とグリーンシステム
「地球のために宇宙技術に何ができるか?」

IAA 50th Anniversary Celebration Symposium on Global Climate Change

主催: 国際宇宙航行アカデミー(International Academy of Astronautics)
共催: 宇宙航空研究開発機構(JAXA)、愛知県
後援: 無人宇宙実験システム研究開発機構(USEF)、宇宙科学振興会(SPSS)
開催日 : 2010年8月30日(月)、31日(火)
会場: 「ウインクあいち」10、11階 (http://www.winc-aichi.jp/
〒450-0002愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4-38
TEL: 052-571-6131
発表言語: 英語
参加費 : 無料(要事前登録、先着200名)
トピックス: ①宇宙からの地球観測
②宇宙システムによる地上システムの高効率化
③宇宙技術の地上システムへの活用
④宇宙からの代替エネルギーと資源利用
⑤環境にやさしい宇宙開発活動
レセプション: 日時 8月30日(月)19:10-21:10
場所 キャッスルプラザ(http://www.castle.co.jp/plaza/
参加費 無料
ガラディナー: 日時 8月31日(火)18:00-21:00
参加費 10,000円
申込・問合せ先: 財団法人 日本宇宙フォーラム (担当:小林/小平)
以下のホームページからレジストレーションフォームをダウンロードいただき、E-mail等で申込みください。
E-mail: iaa50-gbm@or.knt.co.jp
TEL:03-5200-1302  FAX:03-5200-1420
ホームページ: http://www.iaaweb.org/content/view/401/559

International Academy of Astronautics
(IAA)は、1960年にデオドール・フォン・カルマン、オーベルト、フォン・ブラウン、ハレー、ヴァン・アレン等の錚々たる宇宙開発のパイオニアによって創設された、権威ある国際学術団体です。2010年に設立50周年を迎えるに当たり、11月17日に
ワシントンD.C.で「宇宙機関長サミット」を開催し、①気候変動とグリーンシステム、②災害管理と自然災害、③ロボットによる惑星探査、④有人宇宙飛行について、国際協力の進め方等を議論することにしています。本シンポジウムは上記①気候変動とグリーンシステムに関するサミットへの報告や勧告を議論することを目的としています。

宇宙関連情報: 「IKAROS(イカロス)」の姿勢制御デバイス(液晶デバイス)の実験速報

2010-07-23 00:00:00 | 北海道衛星
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」の
姿勢制御デバイス(液晶デバイス)による姿勢制御成功について
http://www.jaxa.jp/press/2010/07/20100723_ikaros_j.html

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成22年5月21日(日本標準時、以下同
様)に種子島宇宙センターから打ち上げられたIKAROSの運用において、7月13
日に姿勢制御デバイス(液晶デバイス)による展開後のセイルの姿勢制御実験
※1を行いました。その後、データの確認・解析を行い、想定通りの姿勢制御
性能を達成していることを確認いたしましたのでお知らせいたします。
 姿勢制御デバイス(液晶デバイス)とは、通電することで表面の反射特性が
変わる薄膜デバイスで、燃料を用いずに太陽光圧のみを利用してセイルの姿勢
制御を行うための工学実験機器です。
 IKAROSのようなスピン型のソーラーセイルにとって、柔軟性を有する大型の
膜面に対して振動を励起しないように小さい姿勢制御トルク※2を連続的に発
生させる技術や、スピンする膜面の持つ大きな角運動量の方向(姿勢)を燃料
を消費せずに制御する技術は、非常に重要な技術となります。太陽光圧を用い
て姿勢制御を行う今回の方法は、そのための有力な手段の一つであり、世界に
先駆けてJAXAが独創的に開発してきたものです。
 今後は、IKAROSでの姿勢制御実験を継続して実施し、姿勢制御性能を詳細に
評価するとともに、ソーラーセイルを用いてより遠くへ、より長期間航行する
ことを可能にする技術として、太陽光圧を利用した姿勢制御技術の研究を進め
ていきます。

※1 IKAROSの通常時の姿勢制御は、液晶デバイスではなく、実証機本体に搭載
  されたスラスタを用いて行っています。
※2 トルクとは回転軸まわりに物体を回転させようとする力のモーメントのこ
とです。今回の液晶デバイスを用いた姿勢制御実験では、太陽光圧を用い
て姿勢制御を行っているため、発生する姿勢制御トルクは非常に微小であ
り、連続的にトルクを発生させることで、膜面の振動を励起せずに姿勢制
御することが可能です。

出典: JAXA プレスリリース配信サービス

宇宙関連情報: 「IKAROS(イカロス)」の光子加速確認について

2010-07-12 07:00:00 | 北海道衛星
小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS(イカロス)」の光子加速確認について
http://www.jaxa.jp/press/2010/07/20100709_ikaros_j.html

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、平成22年5月21日(日本標準時、以下同
様)に種子島宇宙センターから打ち上げられたIKAROSの運用において、セイル
展開後に実施した精密軌道決定により光子加速(※1)を確認しましたので、
お知らせいたします。
 太陽光圧による推力は1.12mN(※2)であり、想定通りの値です。
 これによりIKAROSは、惑星間航行において、光子による史上最大の加速度を
発揮した実証機となりました。

(※1)光子加速とは、太陽の光子の圧力(太陽光圧)により物体が加速され
    ること。
(※2)N(ニュートン)は1キログラムの質量を持つ物体に1メートル毎秒毎秒
    の加速度を生じさせる力を表す(探査機の推進力を表す)単位。
    1.12mNは、地球上で0.114gの物体にかかる重力にほぼ等しい。

図1 セイル二次展開運用時のドップラー計測値
http://www.jaxa.jp/press/2010/07/20100709_ikaros_j.html#pict1

 図1は、6月9日セイル二次展開運用時の、IKAROSの視線方向速度(※3)の実
測値(ドップラー計測結果)と計算値(光子加速無し)との差を表しておりま
す。計算値は光子加速を加味しておりませんので、光子加速が無い場合はこの
グラフが水平になり、光子加速が有る場合は傾きます。二次展開を実施した
9:36(世界標準時)前後の約1時間は展開運用のためデータ欠損しております
が、その前後で明らかに傾きが変化していることがわかります。

(※3)視線方向速度とは、IKAROSの地球に対する飛行速度のうち、地上局と
    IKAROSを結ぶ方向成分のこと。

図2 IKAROS軌道決定結果に基づくセイルパラメータの推定
http://www.jaxa.jp/press/2010/07/20100709_ikaros_j.html#pict2

セイル実行断面積比 = 軌道上でのスピン面投影面積 / 地上製造時面積
セイル鏡面反射率  = 鏡面反射光量 / 太陽入射光量

 図2は、6月9日以降のIKAROSの軌道決定結果と、設計段階でのセイル光学パ
ラメータ(セイル実行断面積比とセイル鏡面反射率)とを比較したグラフです。
 今回、軌道決定の結果により推定された太陽光圧による推力は1.12mN(ミリ
ニュートン)で、その推力を実現するセイル光学パラメータの組み合わせが、
青色の曲線で描かれています。
 四角で囲った領域は、セイル製造時の設計値から推定される、面積比と反射
率の予想範囲を示したものです。(セイルは軌道上で光圧の影響を受けて変形
するので、この図のように設計点からある範囲をもって分散します。)
 この図から、IKAROSが設計通りの光子加速能力を発揮していることがわかり
ます。


出典: JAXA プレスリリース

宇宙関連情報: イカロス 世界が注視「宇宙ヨット」 光を帆に受け金星へ

2010-07-11 07:00:00 | 北海道衛星
 世界初の宇宙ヨット「イカロス」に関心が集まっている。海外メディアが詳報し、インターネットの簡易投稿サイト「ツイッター」では、ゆるキャラ「イカロス君」が約3万4000人のフォロワー(閲覧者)を獲得。小惑星探査機「はやぶさ」に続く新しいアイドルになれるか?【山田大輔】

【完全図解】「宇宙ヨット」イカロスはこうして帆を広げる

 イカロスは5月21日に金星探査機「あかつき」と一緒に打ち上げられた。イカロスの主な任務は宇宙ヨットの航行技術の確立で、6月10日に最大の難所だった帆(14メートル四方)の展開に成功。現在、金星に向かって航行している。

 宇宙ヨットは、ごくわずかな運動エネルギーを持つ光の微粒子を帆に受け止めて飛ぶ。帆の厚さは0.0075ミリ。台所用ラップの10分の1以下で一見、セロハンのような薄い膜だが、携帯電話の電子基板と同じ素材で、宇宙空間の強い放射線にも10年以上耐える。

 米国が過去3回打ち上げに失敗するなど開発が難航してきただけに各国の関心も高く、米誌タイムは「はやぶさ」とともに「ウォークマンを発明した国が、テクノロジーの開拓者のイメージを取り戻した」と報じた。英BBCテレビは「日本、帆の展開に成功」と伝え、打ち上げ時に折りたたまれた帆の広げ方まで図解で詳報。「オリガミヨット」と巧みさをたたえた英情報誌もあった。

 相模原市の宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所。はやぶさチームの隣にイカロス運用室はある。約20人のメンバーの半分は大学院生、最年長は36歳の森治チーム長と非常に若いチーム。メンバーふんするイカロス君はツイッターで頻繁につぶやく。「はやぶさ兄さんみたいに頑張るからね」「今日はあまり忙しいことしないみたいー」「金星まではまだまだあるねぇ」などなど。携帯電話のストラップや風呂敷などはやぶさと組み合わせたキャラクターグッズの企画も進行中で、6月下旬には手作りアニメ「イカロス君の大航海」もインターネットで公開した。

 03年のJAXA発足時、イカロスは「挑戦的すぎる」としてプロジェクトが一時中断する苦杯もなめてきた。だが、04年の基礎実験1号機では帆を四つ葉のクローバー形にするなど、一貫して「より多くの人に、イカロスを通じて宇宙に興味を持ってもらえるよう意識して開発に当たってきた」(森チーム長)という。

 米の「ボイジャー」など従来の長距離探査機が搭載した原子力電池を必要としない「エコ設計」は、今後の惑星探査で不可欠な役割を果たすと期待される。イカロスでは、通電を切ると帆の一部が曇りガラスのようになり、受けるエネルギーを減らして進路変更する装置も正常に作動。今後は宇宙に漂うちりの観測なども行い、金星付近に達する半年後には必要な実験を終え、その後は地球と金星の軌道間を燃料なしに回り続ける。

 小さな帆で大宇宙を旅する「イカロス」は、宇宙開発史に1ページを加えつつある。

出典: http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100708-00000004-maip-soci