さるみみ屋

夫サボさん、私さるみみと2000年生まれ長男コナンくん
2004年産次男エナリくんとの「人生楽ありゃ苦もあるさ」日記。

「空白を満たしなさい」読破

2014-01-21 21:43:24 | さるみみ文庫2014
またまた平野作品。
サボさんがずっとこれも読みたい、って言ってて紀伊国屋で購入して
「もうこれは絶対売らない」と言うほど感激して私に回ってきた一冊。

ですが。。

ちょっとこれは私には今一つだったかも。
死者がよみがえる、という設定に「え?」って感じを持ちつつも
まあ「ドーン」を読んだときも設定が近未来で火星有人飛行が終わって…という話
だったけど、結構それなりにリアル感が残っていたから
今回の設定も平野啓一郎なら緻密に書いてくるのかな、と思って読み進めてた。

ネタバレにならない程度に書くと、
主人公が生き返ったとき、自殺だったと言われていたんだけど
自分には妻子があり幸せな暮らしをおくっていたはずだから
自殺するはずがない、ということで自分の死因に疑問を持つところから始まるのね。

ここでも平野啓一郎の「分人思想」についての説明が入ってくるんだけど
結局この人はこの主義主張を広めるために作品を書いている?と思うほど
この作品でも丁寧に説明されてたわさ。
だけど、ちょっとその説明がうるさいと感じる。
もうわかってるから~、と思っちゃう。
分人思想を持てば自殺は防げるっていう思いで書いているのか?

結局この本は何を伝えたかったんだろう、って部分が私にはつかみきれなかった。
いろいろな問題提起をして終わってる?っていう感じがするんだよね。
なんとなく中途半端に終わった感じがするんだよね。

ちょっといくつかの部分でしっくりいかないところがあって、
全体をあまり楽しめなかった感じ。

理解できないのは凡人ゆえかね。

宗教、死生観、心理学、いろんなテーマが絡み合いすぎた感。
次はもう少し軽い感じの本を読むことにしますわ。