三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 1月29日 小型ワインダー

2016-01-30 | メンテナンスお気楽日記
                           資料・2錘機(機台幅75cm奥行90cm)

約半年ぶりの小型ワインダーです。客先仕様に整備して、今日、納品しました。

商いとは面白いもので、問い合わせにも流行り?があります。同じ様な機種が集中します。
小型ワインダーから、卓上ワインダー。それが切れた?かなと思うと、産業機の問い合わせが重なります。

只、産業機の場合は、商いとして魅力はあるものの、肝心の機台・それを同じ仕様で揃えるのが難しい。
部品整備はもちろんのこと、新品部品の手配もままなりません。中古価格の域を超えてしまう。
だから、問い合わせ状態が長く続き、なかなか納品まで話が進まない。

そこへ行くと、小型ワインダー(1・2・3・6?錘)は話が早い。
問い合わせに「出来ますョ」の返事をして、一週間もあれば納品が可能。

ドラムを30本集めるか、3本選ぶかでは違いが歴然。後は、どれだけ手間を掛けられるかです。
2・3錘機の場合は「手間を掛けすぎ」の意見もあるが、作ってる本人も楽しいから、良しとしよう。


本日納品の3錘機は、織物工場の整経糸の分割仕様でした。外注工場なら産業機での作業となるのだが、
自社設備としては、場所はもちろんの事、不要の大きさになります。

そこで、リセットタイマーを組み込んで、繰り返し作業で対応します。同じサイズが何本も仕上がります。
もちろん、タイマー装置も手作りです。ストーブ前での作業にはうってつけでした。


他にも、2錘機の問い合わせや、残糸処理装置を作って欲しいって話もあります。
倉庫には、夏場?準備した小型ワインダーの基礎機台も何台かありますが、そろそろ怪しくなってきた。
と、言って、寒い倉庫で一人ちまちまと「手間仕事」をする気にもなれない。夏場だから出来た手間?

はっきり言って、小型ワインダーは儲かりません。価格が安ければ、儲けも小さい。
手間を価格に換算する方法もあるらしいが、見えない作業を解ってもらうのは難しい。
人に言わせれば「お人好し」らしいが、メンテが「ものづくり」するのも間違いらしい。

でも「こんなモノを出来ないか?」って相談されれば、つい、のめり込んでしまうのもメンテのサガ。

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メンテお気楽日記 1月28日 加工材料

2016-01-28 | メンテナンスお気楽日記
話がちょっと違うが、木工所では加工材料を何年も寝かせて?あります。生材では後から変形するからです。
ところが、新たな注文のため材料を買おうとしても、乾燥木材が手に入らないと、おやじは嘆いていました。


「ものづくり」は「材料」が基本で、それを加工して、目的機能を得る、大切な要素でもある。
中国や東南アジアの繊維機械に手が出せないのも、材料がまだ?未熟なことが解っているからです。

ところが、その「日本製部品」にしたって安心は出来ない。今、危うい状態にあります。
繊維機械メーカーや繊維産業を支えていた「部品加工所」が、次々と廃業。原因は・・・・です。

例えば、梨地パイプ。見た目はリッパでも?金ノコの歯が入ります。製造中止になったユアサ製は
金ノコの歯が滑って、パイプカッターでしか切断出来ませんでした。

見た目や形こそ、同じ様な製品を作れる加工所は、まだまだ?探せます。
でも、昨日今日の加工では何かが違う。一番大切な何かが違います。目には見えません。

「量産」してきたからこその技術・ノウハウ。ポイントを知り尽くした材料選択・加工技術。
日本の自動車がスゴイ?のではなく、部品製造にこそ「日本製のスゴさ」があったと思う。


繊維製品の基本は「糸」です。糸なくして生地もテープもリボンも紐も作れません。

糸加工はは織り・編みの製品づくりを始め、撚り・染め・練りの前加工など様々です。
これらが、いかに斬新なアイデアや技術で、売れ筋商品を開発しようと、糸に問題があれば、元のモクアミ。

ところが、この「糸づくり」。まったく元気がありません。原因の行きつく処は「工賃問題」ですが、
女工さんを雇用するどころか、若手には生活費もままならない現状。「高齢者産業」と呼ばれています。

60・70・80?代に頼らなければならない産業の、10年先は考えるのも怖いものがある。
いくら、若者たちが「夢」をもって製品づくりをしたくても「材料」が手に入らない事になります。

「海外の糸」で日本製品を作る。それもグローバル化と言うのなら、カラフトシシャモの様に
安値競争から抜け出せません。恩恵は輸入業者のみかもしれません。

「材料」があるからこそ、産業が発展し、ものづくりが出来る。それを「地場産業」と言う。

今、後継者に工場を維持してもらう方法は?・・・・・・やはり、いきつく処は○○か。

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メンテお気楽日記 1月26日 道の駅

2016-01-26 | メンテナンスお気楽日記
                                      こまつ木場潟「道の駅」

ネットを始めたと言うか、ブログを書き始めたおかげで、県外からの問い合わせが増えました。
中でも、わざわざ訪ねていただける顧客もあり、待ち合わせ場所はいつも「こまつ木場潟・道の駅」です。

まず、わかりやすい場所が基本ですが、駐車場・トイレ、それに特産品売店と食堂が併設されています。
多少の時間のズレも気にならない利点もあります。何よりは「借倉庫」が近いのが一番です。

倉庫の様子を知ってもらい、食堂でコーヒー(200円)を飲みながらの懇談。
相手先の仕事内容や希望を理解するための大切な時間です。

何より嬉しいのは、相手の「顔」が見える事。顔が見えれば「何とかしてあげたい」って気持ちにも
力が入ります。電話の声でも充分ですが、やはり、合って話すことは、色んなことが理解できる。


それにしても「駅の道」を企画・実行した人はエライ!
一石二鳥どころか一石三・四・五鳥。利用するすべての人が、価値と満足を得る事ができる。

以前は「産直市場」らしきものは存在したが、個人農家の無人販売小屋の域を出ない。
それを、駐車場を確保し、多くの農家の産直、特産品を提供できる施設としてプロデュースした。

そのことは、他県からの「道しるべ」はもちろんの事、地場産業振興の弾みともなっている。
「車社会」を見据えた企画は確かだが、今、何が必要か?望まれているのか?先見の明の賜物。


商いもそうだが、「儲けたい」だけでは人々は集まらない。「売れるだろう」だけでも客は来ない。
そこには、お客の満足度・価値観を提供してからこその、「商い」であり「儲け」が発生する。

客自身が「良かった・儲けもん」と思わなければ、商いは長続きしない。
すべては、お客の希望・満足のために「自分に何が出来るか?」それが「ものづくり」であり「商い」


自分にも出来ていないゴタクを並べても、空言しかならないから、この辺でやめる。
ま、自分は今「道の駅」には、充分満足し、興味津々ということです。

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メンテお気楽日記 1月23日 メンテの小道具

2016-01-23 | メンテナンスお気楽日記
                     カラーマグネットで不良個所を表示します。

企業の外注工場が高齢化?のため廃業し、設備を「企業内工場」へ移設した工場も多くあります。

しかし、ベテラン工員がいる訳もなく、パート工員や海外研修生が作業にあたっています。
当然、ミスや不手際で不良巻きも多くなり、納期計画も遅れ気味です。

納期遅れなら、まだマシも?不良糸が、そのまま次加工へ回る事故も目立つ様になりました。
それは、不良個所を発見した際、メンテに報告、又は使用中止箇所とすればイイのだが、
仕事に追われ、製品納期が優先されます。特に海外研修生の場合は要注意です。

企業も当然解っている?から、不良巻きが発生すれば「その箇所は使用中止」の指示も出しています。

ところが、企業内メンテ傭員がいる処も少なく、貯まりにたまってから?のメンテ依頼となります。

現場に入り「どうなんだ?」と聞いても「巻けません!」の返事しか返ってきません。
ケバが出ていたのか?綾振りがおかしいのか?ベアリングが回らないのか?・・・・・

ワインダー作業のプロになる意識すらない人に、そこまで期待する方が無理なのかも知れない。
どうして巻けない・どうなった・どうしたら直るのか?。それは専従員(外注)だからこその考え方?

もっと大変なのは、現場工員さんとコミニケーションが取れない、言葉が通じない(海外研修生)。
こっちは、おもいっきり優しく聞いているつもりでも、笑顔だけでは不良原因も解らない。


で、対応は「カラーマグネット」での不良個所と不良様子(原因)の表示です。
これで、修理時間も大幅に短縮できました。パート工員も「説明・指示」さえすれば、やる事はやってくれる。
マグネットを色分けする事によって、おのずと不良原因も観察するようになりました。

外注工場の時は、どうしても直らない箇所には、マジック文字やガムテープがベタベタ。
機械外見よりも、良い製品を作ることが優先された。でも今は、作業空間が雇用にも影響する時代です。

ともあれ、不良個所が直った時の研修生の「笑顔」は格別です。言葉は解らないけれど。

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メンテお気楽日記 1月22日 中古価格・新品価格

2016-01-21 | メンテナンスお気楽日記
                     倉庫の箱入り娘(神津SSP)まだ、嫁に行かない。

決して、景気が良くなったとは感じないが、ここにきて、中古機台探しの依頼だけは多い。
でも、正直、ヒットする出物は無い。依頼の8割が「探して見るネ」の返事しかできない。

泣き言じゃなく、約30年近く、繊維機械メーカーの新規製造が行われていない(ほとんど)
と、言うことは、お世話できるとしても40~50年物。廃棄されてしまった機台も多い。

各業種機料店・職人・工場への出入りが多い仕事柄、「中古情報」には、ある程度、自負していたが、
ここにきて「探しても見つからない」より「探しても無い」が正論になってきた。

いくら「産業支援基金」に頼るとしても、設備投資の「現物」がない場合は、どうするのだろう。

「新台」の情報も聞いています。でも、納期が3か月~半年。価格は以前価格の1,5倍になっています。
メーカーサイドの市場ロット、生産コストを考えれば当然の価格です。部品加工工場がないんだもの。

生産高による「減価償却」には目をつむるとしても、企業にとっては厳しい選択です。
資金を生かすためには、おいおい「使える中古設備」情報が必要となっています。


設備の「中古価格」は今、どん底です。設備投資の話すらなかったのも現状です。
例えば、30万の機台(新規50万)が6万?。10万では高い!と言われてしまいます。

売れない、儲からない中古機を「保管」する機料店もいません。コスト料金も出ないから。
中には「無くなれば、高く売れる」って話も聞いたが、結果「中古機は中古機」でした。


繊維機械の開発・製造の可能性は、極めて厳しいと感じています。

例えば、小松はコマツブルトーザーの生産基地でもあった。城下町?には幾多の工場があり、
製品として組み上がり、世界市場へ送り出した。それは城下町だからこそ出来る技・技術の賜物。

機械は「部品の塊」であることは理解してもらえると思う。いくら高機能・高性能な自動車?も
品質管理された「部品」があるからこその製品で、その「すそ野」は計り知れない。

で、繊維産業。糸道ガイド・ボビン・シリンダーキャップ・研磨加工・・・・・・
つい「ボヤキ」たくなる気持ちも、解って下さい。

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