三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 1月22日 異業種交流と喫茶店文化

2017-01-23 | メンテナンスお気楽日記
最近は「喫茶店」には、あまり行っていません。コメダ珈琲みたいなファミレスタイプの店しかない
からです。店員は他人行儀だし、もちろんマスターの顔もわからない。

商談や打ち合わせには、ボックス席を利用する事はあっても、一人でカウンター席も座る事はまずない。
確かに一人で雑誌や新聞を読んでいる人もいるにはいるが、隣の人と話す雰囲気もまずない。


今回も「昔話」と一笑されそうだが、喫茶店には常連とは言わないまでも「たまり場」的空間があった。
名前も知らないが、顔を見れば挨拶をし、お客同士として受け入れる仲間意識みたいなものもありました。

もちろん、マスターの存在も大きく、世間話やちょっとした話題を、カウンター越しにお客同士の意見を
言える空間でもあった。なるほどと思ったり、へぇーって聞いたり、色んな考えを聞くことができた。

客筋も、近所のご隠居さんや自動車のセールスマン、夕刊配達を終えたおやじや、煙草販売のおやじも
腰を下ろしてコーヒーをすする。きっと居心地が良かったのだろう。自分もつい顔を出したくなった。

別に、難しい話や仕事の話をする訳でもないが、たわいのない話や意見が、人柄を通して感じられる。
考えれば、仕事に関係ない?からこそ、居心地が良かったとも言える。テレビや新聞の情報も、人の意見
として聞くことも、大切なのかも知れません。情報は共有すれば、色んな見方が見えてくる。

もちろん客先のおやじとも顔を合わすこともある「世の中の動きはどうだ、何が忙しい?」なんて
やはり構えてしまい、カウンターの隣で「ボソボソ」。あこはドウのここはコウのなんて言えるハズもない。

特に、製造業のおやじや社長様は自社技術はスゴイのに、意外と他社や同業情報に疎いとも感じる。
それは、仕方が無い?ことかも知れないが、どうしても他人の意見を聞く機会が少なくなるのは事実。
その事が、アイデア・ヒント、しいてはコラボチャンスを逃がしていることもある。


その点から言えば、若い後継者には、チャンスは今からドンドン増える事となる。
まず子供のためのPTA保護者会。次は町内役員会など、仕事を離れた意見を聞く機会が多分にある。

もちろん参加してこその仲間づくりだが、目的のために力を合わせる意義は大きい。
異業種交流会なんて下心よりも、バカ話しの出来る仲間を見つけることが一番だとも思う。

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メンテお気楽日記 1月21日 維持部品が作れない?

2017-01-22 | メンテナンスお気楽日記
写真は、そうとう昔のカセ繰りの芯棒を乗せる(掛ける)ためのハンクメタルです。

三筋ワインダーには、鉄板製のハンクアームの上にプラスチック製の同じようなメタルが付いています。
「利用できないかナ」なんて持ち込まれましたが、サイズ自体が大きく違いムリでした。

まだヤマダ製のH繰り機のメタル方が、よく似ているのでアドバイスしましたが、すでに試験済との事。
メーカー部品というのは、設計製作が一貫している為、同じ仕様でもメーカー別サイズが異なる。

30~50年前の繊維機械全盛期?には、各社の部品製作工場もたくさん有り、小さな部品でも、
ロット1000個2000個の注文で、仕事のカテとして維持して来た。それが交換部品としての需要も。


それが、もう感じている人も多いと思うが、交換部品の入手がとても困難な状況にある。
無理もないことかも知れないが、まずメーカー自体がない。メーカーからの注文が少なく?なれば
部品工場も製作出来ない。仮にロットが100となれば、手間単価も大きく変わって来る。

なにより困るのは、その部品の意味(使用目的)も理解しないでつくる二次工場しか無いことです。

確かにこの時節、同じような?モノは簡単に?作ることは出来る。しかし、バネ鋼の太さが一番違う、
樹脂材料が違うなど、メーカー指定とは微妙な差が出て来ます。それが、使い勝手に影響を及ぼす。

言葉は悪いかも知れないが「中国製品と同じと考えて下さい」も過言ではない。
形だけ似せても、材質や強度によって、部品の存在価値自体が失われてしまう。


今回のハンクメタルは木製です。材料は木工所が選んだ硬い材料と考えられます。形は箱型ではなく、
ハンクアームに横からはめ込み固定する、台形加工です。芯棒のあたり部分はR加工されている。

もちろん当時の単価は知りません。でも、木工所を拝み倒して作ってもらえるとしても、10個20個の
ロットでは、手間単価は部品価値と大きくかけ離れてしまう事は想像できる。

けっして作れない訳でもないが、量産だから作れた品、単価の存在が立ちはだかる。

以前なら300円の部品が、新規製作で1000円と言われても、当然と考えるのか・・・疑問です。

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メンテお気楽日記 1月16日 静電気注意予報

2017-01-16 | メンテナンスお気楽日記
             北陸の雪は重く湿っぽいのが定説?だが・・・なんか変わってきている

北陸は「弁当忘れても、傘忘れるな」のことわざ?があるくらい、雨が多い地域とされています。

雨が多いって事は「湿度」も高いです。このことが「糸の加工」を容易くしています。
適度な湿気は、糸に腰を作り出し、撚糸加工や糸巻き機・織機の糸の絡みを良くします。

絹撚糸が、儲かる仕事として爆発的に工場が増えた時期もありました。手本にしたのは上州産地の
蚕糸から始まる撚糸工場でした。そこでは工場内「加湿装置」があり、当然のように北陸工場にも
設置されました。ところが、北陸では湿度過多になり、機械が汗をかく状態にもなりました。

80~90%の湿度の中に一日中いるわけですから、保湿のもっちり肌なんて言っていられない、
まず、女工さんの体がネを上げる。機械も当然、動きのない部分からサビが浮いてくる。

加湿装置のスイッチを切っても、品質には何ら問題も出ない。それ以上にガイドの滑りが良くなったり
ベアリング交換率も減った。なにより、縦糸の整経不足事故もなくなった。湿度が糸を重くしていた。

そんな事があり、北陸の撚糸工場では、加湿装置を見ることは稀な状況です。

ところが、最近(けっこう前)から「静電気事故」と思われる事案が増えてきています。
原因として考えられるのは、工場施設の間取り?です。りっぱになった?がゆえの原因です。

すき間風工場とは言わないまでも、以前の工場には風(空気)の流れがありました。
確かに、高速回転を繰り返す燃台工場は糸の乾燥が早い。それを補う湿度が、隣の部屋や窓から流れこみ
何もしなくても70~80%の湿度は確保できていた。

ところが、新工場では空調設備(暖冷房)の為、仕切られた間取り工場が多く、風が遮断されます。

自分の仕事で言えば「ワインダー室」ってのもありました。仕切られた部屋の湿度は50%以下でした。
「卓上加湿器」を設置することを勧めただけで、巻き玉の綾落ち事故は回避出来ました。


「湿度」と「静電気」の関係はけっこう難しいし、微妙でもある。

もちろん、糸自体にも静電気が発生し易い糸と問題のない糸がある。静電気が帯電すれば、糸と糸、
フィラメントとフィラメントが互いに反発しあう。これを「綾落ち」や「フィラメント割れ」と言う。

静電気事故は加工業にとって、目に見える不良巻き・不良織として現われる。対策を急ぎたい。
ところが、湿度があれば静電気が発生しない訳でもない。それ以上に発生原因?も大切なポイント。

ガイドによるこすり発生も、スピードとの相互関係がある。そこに湿度という条件が重なる。


ま、話が長くなるので、結論と注意事項です。昔から「静電気対策」には色んな知恵が取られています。

氷の張るような日の朝は、工場が多少暖かくなってからの作業をお勧めします。特に朝の事故率が多い
です。一番、効果があるのはストーブにやかんです。午後からメンテでは直っている場合が何回もある。

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メンテお気楽日記 1月14日 寒気事故

2017-01-14 | メンテナンスお気楽日記
冬場の寒さが原因とされるワインダー事故は「モーター負荷過剰」と「ゴムの硬度へたり」です。

まず、正月休みに、良かれと思って行った、機台掃除とベアリングへのグリスアップが引き金となります。
特に、グリスアップは機台停止状態で行う事が多く、ベアリンボールのすき間に、古いグリスを押し込む
結果となります。結果は・・。 又、農業機械用の硬いグリスを使用する外注工場も多いのも現実です。

正月明けの仕事始め、冷え切った工場内で、ワインダーのスイッチを入れれば、モーターが唸ります。
ドラムシャフトの回転負荷が、電圧事故となります。産業機用の長いドラムシャフトの場合は特に注意です。

メンテ方法は、ドラムシャフトを分割し、モーター側からベアリング部に軽油などの薄い油でならし運転を
していくだけの作業ですが、仕事始めから、メンテナンスを呼ぶ破目となります。

機台清掃の後には、必ずカラ運転をする事。グリスアップをする時は運転状態でアップし、ベアリン負荷を
確認することが大切です。もちろん、工場内の室温を上げることもあるが、これはなかなか難しい。


ニットやスパン糸の9°15′紙管の片持ちクレドールはゴムの変形によって、紙管の内側から固定する方法
が取られています。村田・神津・三筋など、皆同じ方法です。圧縮することによってゴムが広がり固定します。

ところが、ゴムのへたり以上に、寒気による柔軟性不良が発生し、作業途中で巻き糸が飛び出す事故となります
この場合は、新品交換しかありません。これを「消耗部品」と言いますが、経費節減や機料店廃業などによって
交換時期を先送りにしている工場が多い。ガムテープで嵩増し対応している工場もあった。

ゴム製品は、寒気による性質の変化は著しい。ワインダーだけではなくボビン巻きでも糸量が変化する。
ゴム加工工場では、単品加工の際、チッソ液に漬ければ、鉄と同じような旋盤加工が出来るとも聞いた。


先ほど「工場内温度」にも触れたが、暖冷房完備の作業環境が整っている工場は少ない。
特に、下請け工場へいくほど、火の気は少なくなります。作業員がアノラック姿の工場も多くなります。

広い工場?を暖房する経費がでない以上に、機械稼働率が低いことが懸念される。昔話と一笑されるかも
しれないが、撚糸工場では、冬場でも工場内では、Tシャツ一枚が常識だった。

汗を流してこその作業。縮こまっていては、作業もままならない。縮んでいるから灯油代が嵩むのです。

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メンテお気楽日記 1月12日 マグネットスィッチ仕様

2017-01-12 | メンテナンスお気楽日記
まずは、仕事始めの報告と思っていましたが、6日に客先の訃報が入りました。
年明けには、部品注文の納品にいかなければ・・と思っていた矢先でした。

その工場はカバーリング機10台程で請負していましたが、社長と奥さん、そしてパートさん2名での
作業でした。葬儀の際、奥さんから「どうしょう・・」と声をかけられましたが、返す言葉がありません。

多分、廃業になると思います。だって後継者がいなければ、奥さんだけの操業は厳しい以上に、技術は
社長の頭の中でしか成り立っていない。71才は現役バリバリのはずでした。工場内での心筋梗塞でした。

同業者からは「客先は確実に減っていく」とは言われていましたが、旅先からの問い合わせで、なんとか
維持していた感もある。やはり、地元の出入り工場がなくなると、正直、寂しさが先に立ち、気もぬける。


さて、年明け一番のお年玉メンテ。意外なことに、その後「マグネットスィッチ」の依頼が続きました。
昔から「仕事は重なる」と言われていますが、正論かも知れません。

「タイマーを付けて欲しい」から始まり、「リボンブレーカーの音がうるさい」など、マグネットスィッチ
仕様のお仕事ばかりです。おかげで、中古マグネットの組み直しのため、事務所は電気屋さん状態です。

マグネットスィッチはもう何か月も触ってもいなかったのに、今度は新たに注文まで掛けました。
無接点リレーやインバーター仕様が、お客さんが喜ぶと思っていたが、どっこいまだまだマグネット仕様の
機器は頑張っているという事です。と、言うより、そのままの設備で・・の方が正解かも知れない。


時間タイマーもピンからキリまであります。機器だけで言えばアナログなら四千円、デジタル表示が希望なら
一万二千円以上。装置として組み付ければ、一万円の差が出てしまいます。

お客希望は「経費を抑えて」ですから、おいおい中古組み替えになります。マグネットスィッチさえしっかり
していれば、色々な対応も出来ます。経費的には一~二万で納まります。後はタイマーの在庫選択のみです。

もちろん、ケース組込みのしっかりした?装置の依頼もあります。それには、ケースの大きさ選びから始め
穴あけ加工や配置・配線から考えます。マグネット・スイッチ・ランプは新品で組み付けます。

機械屋おやじの電気作業といえば、赤・白・黒の電線をどこにどう、つなぐかのアナログ作業だけです。
それは、自己満足なのか?安い工料目当てなのかは、あまり考えない事にしています。でも、笑顔を
いただける事だけは、確かです。

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