三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 4月27日 見栄があるから世間は廻る

2015-04-28 | メンテナンスお気楽日記
最近、「仕事ができればイイ。」って工場が気になります。
応接室はもちろんの事、談話スペースもない。電話の前が事務所兼休憩場所。

工場はというと、何が入っているか解らないダンボール箱が山積です。
もちろん、本人は解ってはいると思うが、箱の上にはホコリも溜まっている。

仕事に追われ、納品する製品は次々と動いてはいるが、準備のためのボビンや不良糸処理を
整理する時間がない?とは言い訳で、やる気がないから溜まってくる。

人の目に触れない安心感?は、緊張感を削ぎ、つい自分に甘え後回しとなってしまう。

以前は工場間の交流もあり(撚糸屋のおやじは女工さんまかせでけっこうヒマがあった)
応接室もそれなりの役目をはたしていたが、今は訪ねて来る人も、まずいない。
と、言うより、おやじ自身が作業に追われ、ゆっくりお茶飲み話も出来ない。


いつも思うが、人間、見栄がなくなれば産業は発展しない。動物でさえ見栄がある。
自分をきれいに見せたい、強く見せたい、カッコ良く見せたい、裕福に見せたいなど。

ファッション産業、自動車産業、建築産業など、すべての産業は顧客の満足のために知恵を絞り
それを提供することによって、商いとなり世間が成り立っている。欲望が原動力。


いつの頃からか?100円ショップにもよく行く様になった。いつ行っても客数は多い。
自分の事はさて置き、不安もよぎる「まにあわせ製品で産業はどうなるんだろう?」

安いから買う?安いモノしか買えない?安モノで充分?そこにはもう見栄なんて存在しない。
必要なものが安く手に入ればイイ。品質も解るが、使えるだけで用は足りる?

どっか撚糸屋さんで聞いた「加工費」の話と似ているのが怖い。


今、加工費を上げる為に、汚いケツを捲くっても、商社や顧客は見ているだけです。
本来なら、商社や顧客の方から、寄って来たくなる「製品」や「環境」が必要だと思います。

その為には、見栄を張り「見せる工場」も大切なポイント。それは自分のやる気をも引き出す。

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メンテお気楽日記 4月26日 トラバースワインダー

2015-04-26 | メンテナンスお気楽日記
中古ワインダーの問い合わせの半数が、トラバースタイプを希望しています。

トラバース方式はカム駆動なので、機構が複雑で部品数も多い。だから錘あたりのスペースも取り
生産高を確保する為には、それなりの施設もいる。それと捲きスピードも高速とはいかず、メンテの
対応や、カムトラバースの稼働音を気にする人もいる。

その為、ドラムトラバースでの糸の転がりを嫌う、扁平糸や撚りの少ないレーヨンなどに使われ、
パイナップル形状捲きが可能な為、綾落ち対応の難しい?糸にも利用された。その他ミシン捲きの
クロスワインドにも対応できる機種もあり、特殊設備としての需要があった。

50年前?は各メーカーがこぞって開発したが、市場では石川シュワイダーと村田テクスマットが
両端を担い産業を牽引した。その後神津SSPが単錘駆動のワンモータータイプを発表し、今でも
その人気は高い。問い合わせの大半はSSPの情報依頼から始まる。

ところが、人気が高ければ手放す工場も少なく、中古相場もそれなりに推移している。
探すのが難しい機械です。それと、機種タイプが多く10吋のラージ捲きから4吋の片鍔ボビン捲き
など、色々の仕事仕様に適応したタイプの情報は、まずヒットすることも少ない。

他にも鳥居やシンコーといった、トラバース機構のワインダーもあるが、生産台数からみてメンテ
対応や部品の供給が難しい。仕事が出来ての中古機お世話ですから、なかなか話が進まない。


情報も無いことは無い。10吋の問い合わせをすれば「4吋なら知っているが・・」など。
もう一つの問題は、出荷工場と納品工場の距離。北陸圏内ならそれなりに動けるが、九州の顧客に
京都にある情報を提供しても、確認のしようが無い。もちろん自分も話が進むまで確認できない。
中古機械のお世話は、メンテナンス以上に運搬経費が大きなネックとなる。

と、まあトラバースワインダー。必要だから探すのか?無いから探すのか?
仕事があるのは確かとして、新規生産メーカーがない状況をどう対応すればいいのだろうか?

「もうすぐ上海で繊維機械の展示会があるけど」「・・・・」

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メンテお気楽日記 4月25日 思い込み注文?

2015-04-25 | メンテナンスお気楽日記
景気回復?と言うより、生産納期の遅れ対策として設備の追加見積もりが増えています。
外注工場が減少し、現在の稼働工場も天井がある為、生産高が限られています。
もちろん、人手があれば解決?する事なのだが、人件費で儲けが消えるのも現状です。

その為、機械の錘数を増やして追いつこうと考えるのだが、人手の無い機械操業には
問題が山積しています。人間あっての機械であり、人間あってのものづくりが基本です。


とか言っても、機械注文が来れば、機械をお世話しなければ成りません。
「三筋ワインダーあるか?」「三筋ならいつでも組み立てることは出来るョ」
「じゃ、客先に話してくるから、見積もり書送っといてくれるかナ」

最近、機料店・販売店からの依頼が増えている。本筋と言えば本筋なのだが。
只、客先を教えてもれない事も多い。納品に行って初めて仕事内容を知る事となる。

客先の希望・販売店の理解・三筋への指示・三筋の思い込み。三者三様の思い込み仕様。
間違いなく伝われば問題はないのだが、これが微妙な処で変化する。

今回も紙管角度での思い込みがあった。「テーパー紙管でZ方向」指示。
だから、3°30′Z方向で組み上げた。ところが客先仕様は9°15′での作業・・?

販売店に文句を言っても始まらない。見本紙管一本あれば済む事だったが、自分も確認しなかった。
代償は大きい。福井までの納品だけなら手間として我慢するが、ワインダーは一から組み直し、
まずドラムはまったく別仕様、クレドールも別仕様。中古部品としての材料が足りない。

販売店の焦りも解るが、ないモノは出来ない。探してみるから・・としか。

みんなが皆「良かれ」と思っての行動。でも歯車が一つ違っただけで在らぬ方向へ。
「ホウ・レン・ソウ」だっけ?ただの格言じゃないョね。あれ?「ソウ」は何だったけ?

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メンテお気楽日記 4月23日 マジックリン

2015-04-24 | メンテナンスお気楽日記
最近、車を洗車しましたか?自分の車はもう何か月も洗っていません。
購入時はけっこうマメに洗っていたのに、変ですネ。


中古機械のお世話が商いとなって、毎月何台もの機械の整備というか、客先の仕様にあった様に
組み替えるのがお仕事です。その時には、一応?清掃から始めるのが段取りです。

やはり、客先納品の際には、少しでもきれいな状態で届けたい気持ちはあります。
ところが、入って来る中古機の汚れは半端ない。塗装も長年の油でまっ黒の状態です。

洗剤も色々試してみたが、価格と効果ではやはりマジックリンが一番落ちます。
でも、けっして完璧とまでは行きません。顔を洗っただけの感じです。

その為には、手間を掛けるしか方法がありません。分解清掃・再塗装。機械を組む3倍の手間です。
3錘ぐらい?なら「手間を惜しんで」なんて言ってられるが、6錘12錘となると、販売価格に
合わなくなってしまう。おいおい機能確認の整備が中心になり、見た目はマジックリン仕上げ。

以前には「老人部隊」や「アルバイト磨き」といった整備に手間をかけ、中古価格をそれなり?に
確保していた販売店もあったが、最近はあまり見かけない。やはりニーズの対応への変化なのか?

それにしても、まとも?な中古機との出会いが極端に少なくなった。中古機は中古機と言ってしまえば
実も蓋もないが、それをどう生かして、仕事が出来る機械、売れる機械とするかが販売店より課せられる。

無理もない話で、今は作っていない機械の中古機が、次々と出てくるハズがない。
車だって、新車が売れているから、中古車販売が存在する。中古車からの再中古市場となれば、それは
レストア・プレミアム車?希少価値ということになる。

繊維機械だって、もう充分その域には入っている。言い方を変えればプレミアム機械か?
でも、だから価格が上がったって話は聞いたことも無い。価格が合わなければ商談もならない。

使っている方にしたって、儲けの出ない機械に「感謝」の気持ちが持てない、道具としての設備でしか無い。
だから、汚れても磨くなんてこともなく、さらに潤滑油のメンテさえ忘れがちの処が多い。

てな調子ですから、ピカピカ中古機械は、まず無いと考えて下さい。
自分に出来る事。仕事は仕事ですが、とりあえず自分の車のオイル交換からでも始めようと思います。

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メンテお気楽日記 4月13日 早いもの勝ち!

2015-04-13 | メンテナンスお気楽日記
中古機械・機器のはなしです。約一か月前に見つけた電動式検撚器が出ていきました。

ブログ日記に書いた数日後、奈良県からの問い合わせがありました。TWが200~600という事で
「もったいない」って返事?しました。手動タイプで充分対応できると判断したからです。

その後も、福井の客先に手動タイプを納めた際「大阪の取引先が電動を探している」って話がありました。
その時は「もうすぐ嫁入りだから」ってピカピカに磨いて、いつでも出て行ける様、準備をしていました。

ところが大阪からのお呼びがありません。まさか、こっちから急かせる訳にもいかず、梱包箱に入ったまま
時間が過ぎていきます。


先週、短繊維加工の工場から、定長と撚りムラの相談があり「機器と管理」についての提案をしました。
機器に頼ることなく?人間の「感」が品質管理のポイントで、その確認のための道具も必要だと。

捲き糸の重さを計るハカリは言うに及ばず、回転を確認するストロボや、検撚器や検尺装置も時によっては
必要な道具です。検尺器までは持っていないが、検撚器とストロボは使っているとの返事でした。

ここで自分の勝手?な思い込みで、短繊維なら手動で充分と思っていたが「TWは2、●00」の返事。
「エッ、手回しで計っているのか?」「そりゃ強撚だから、時間の方がもったいないョ」

こんな工場には「電動」を使って欲しい。道具とは仕事に合ってこその道具だから。

ストロボならダイヤル一つで1~10000回まで調整できるが、検撚器は歯車の回転で計る。
せいぜい25㎝で計るか50㎝で計るかの差で、それを手で回すかモーター駆動では大きく違う。

で、社長に稟議書を送り、今日返事がありました「ぜひ、使いたいから譲って欲しい」とのこと。

大阪の件は気にはなっていたが、必要な処で必要な道具として使っていただくのが一番うれしい。
やはり、情報のある方へのお世話の方が力が入る。じゃ次の品があるかと言えば保証はない。それが、
中古機械・機器の販売であり、お世話です。

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