三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 5月30日 節取りガイド

2017-05-31 | メンテナンスお気楽日記
ダブルツィスター撚糸機160錘に「節取り装置」を付けて欲しいとの依頼でした。

そもそも、エステル原糸のボビンワインダーで不良糸が出ること自体が問題のハズです。
客先も色々と、考慮しての結論だと思いますが、撚りを掛ける前に不良個所を取り除きたいとの事です。

それにしても、160錘プラス80錘は多すぎます。事故糸は仕事糸の0コンマ何パーセントかと推測されるが、
どこに「事故糸」があるか解りません。作業の中で、事故糸がなければ「良し」とする作戦です。

「多い」と言ったのは、部品供給が極めて難しいからです。まず、光電式装置は中古在庫が揃う訳もなく
新規設備となれば、百万単位で何ヶ月待ちとなります。この何ヶ月待ちが、待てるはずもない事項です。


勧めたのは、アナログ仕様の「スリット式節取りガイド」です。すき間を調整して取り付ければ
糸の太さ以上の箇所が通過する時、糸を引きちぎって?しまいます。事故糸だけを停止させます。

さっそくメーカー注文を掛けましたが、ここでも返事は「三ヶ月待ち」でした。
在庫が無く、製作依頼の納期でした。それに、新規価格がいくらになるか解らないとの事も。

次の対応は「仲間たちの力」です。「中古在庫として持っていないか?」の部品探し。
当然、240個も持っている業者はマレですので、北陸地区何軒かに声を掛けます。

20個30個50個50個と集まりましたが、タイプが微妙に違う、機台別・錘列別に振り分けるも、
「すき間調整」が大仕事、一個一個すき間ゲージを挟んで調整します。当然、取り付け金具も、取り付け
作業も、240錘必要となります。客先は焦っている様だが、そう簡単には進まない。


これと同じような相談も受けています。整経機にワキシング装置を付けられないか?との事です。
整経は400本、その一つ一つにワキシング装置が必要です。ダブルテンションを利用すれば、
付けられない事もないが、装置400個はメーカ品・中古を含め、調達するのは無理と感じます。

その為には、新たな図面をひいて、製作依頼するのが良いかとも思います。
しかし、ものづくりのは、すべて仕様ポイントというものがあります。効果、使いやすさ、各メーカーが
試行錯誤しながら、開発してきました。ただワックスが回転するだけの装置では、ありません。

気がかりなのは、停止時の惰性回転が発生すると考えられる。糸のたるみ又は絡みが発生する。

メーカー部品が作れない!そのことは、積み上げてきたノウハウが発揮出来ない、失われると言う事でもある。

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メンテお気楽日記 5月25日 薄利多(小)売

2017-05-26 | メンテナンスお気楽日記
どうして、儲からない?どうして、生活に追い回されているのだろう?
答えは、すぐに出る「薄利多売」が根本の原因。ともかく、儲けの分が少ない。
「多売」とは言えない状況の中、利益だけは低い。上げたいのはやまやまですが・・

オヤジたちの時代は、作れば売れる。売れるから作る。だから設備投資、技術開発。
その技術・品質が世界にも認められて、勘違いしたのは?バブル景気だった。

汗をかかなくても飛び回るお金に翻弄されてのバブル崩壊。そしてお金がきえた。
それでも儲けたい人が考えたのは、デフレ社会だった。

「安くすれば、売れる」 実にアンチョコで簡単な理論というか方法。

ここで「デフレスパイラル」を解説する気にもならないが、しわ寄せは生産現場に来た。

当初はまだ「多売」の波にガマン?も出来たが、世の中、モノがあふれる生活となった。

それでもまだ「安ければ」と対策したのが、海外加工・海外工場。生産コストから儲けを絞り出す。
安い製品がドンドン輸入された。そして価値観が狂った。スーツ¥8,800時代です。

その時の商社の言い訳?がまたオモシロイ「中国から安い価格で入って来る、価格を下げなければ
国産品は買ってもらえない」で、加工費削減。首をたてに振らざるをえない状態だった。


「多売」の時代は、もうとっくに終わっている。出来るのは大手量販店の企画商品ぐらい。
規模が違うし、規模があるから出来るワザ?でもある。

とこらが、問題は「薄利」がそのままって事です。それがモノの価値観にすらなっている。
材料費はこれだけ、加工費はこれだけ。みんなガマンしていた時期の価格取引です。

それに、30代40代の営業マンにとっては、それが常識なのは、仕方がない事でもある。
「今だけ、何とかこの価格で・・」の営業さんは、もうとっくに定年退職している。


部品を1000個作るのと、10個作るのでは、単価が違うのは理解できると思います。
それは、経費が違うからです。経費と儲けを、どう分散するかが、単価価格です。

人件費を削り、機械維持費を削り、なんとか工場維持してきた価格が、常識?としてまかり通っている。
「人を雇えば、儲けが飛んでいまう」そんな工場を何軒も見てきた。工員がいない。
当然、生産天井も限られている。仕事があっても、受け取れない現状もある。

これを何スパイラルと言うのか、知らないけれど、確実に負の渦に飲み込まれていく。
下関の渦潮には、潮止め時期があるらしいが、逆転の渦はあるのだろうか?

と、まあ、みんな色々と儲けを出す方法を考えているが、今やっている仕事で儲けが出るのが大切。
その為には「常識利益」を今一度、考え直す必要がある。ところが、この常識も人様々。自分勝手。

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メンテお気楽日記 5月23日 作業のポイント・コツ

2017-05-25 | メンテナンスお気楽日記
最近、特に多く感じるのは「工場内設備」の依頼です。幡屋さんをはじめ、リボン屋・紐屋さんなど。
原因は、外注工場に頼んでいた、分割・小割作業の、高齢化による「廃業」です。

ここでは、後継者問題をとやかく言うつもりはないが、作業してくれる人がいない。大問題です。

対応は、自社工場内での分割作業です。よこ糸が中心となるため、あまり難しい?作業とは考えていません。
ワインダーを設置し、「担当者は誰になりますか?」と尋ねると、隣で作業していたおばちゃんが、
「幡結びできるから大丈夫。でも、ワインダーは触ったことがないから・・」の状況です。


この話をよくすると、現場からは「そんな、簡単なものじゃない」との返事が返ってきます。
撚糸屋・幡屋・染色屋。もっと撚糸屋を細かく言えば、下撚り工場・カセ繰り工場・ボビン繰り、そして
ワインダーでの仕上げ巻き。外注工場というか「専門工場」の力量が必要とされていた。


いまの世の中、ホームセンターを筆頭に、スパー○○店舗などが乱立している。大型量販店です。
一歩店内に入れば、金物はもちろん、工具・電化製品・家庭用品・薬品・園芸用品・食料品。
ホームセンターでお米まで売っている。ペットコーナーには20万円の柴犬までいた。

当たり前と言えば、当たり前?なのかも知れないが、アマノジャクに考えれば、もしホームセンターが
廃業になれば、その町には店舗(専門店)が無いという事です。車がなければ生活もできない。

八百屋には野菜を、魚屋さんには魚を知り尽くした店主いた。そう、商店街をイメージして欲しい。
各店舗はすべて「専門店」です。「どれがイイ」って尋ねれば「これがお客さんへのお勧めかな」なんて。

それを、店内をウロウロ?する「販売員」に託すのは、多少の不安があります。もちろん大型店舗にも
専門販売員もいるだろうが、リピーターを確保する「心づかい」は感じられない。


それと同じ様な事が、製造現場でも起こり兼ねない。製品に対する愛着、自信。悪く言えば、責任がない。
人間100%の人はいません。だから専門職がある。何でも出来る人を「器用貧乏」と言います。

話を元の戻せば、どんな作業・作業工程にも、ポイントというかコツがある。言い方を変えれば「手間」
それを、ボタン操作で出来ると思うのは、大きな間違いです。

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メンテお気楽日記 5月17日 ハイオクガソリン

2017-05-18 | メンテナンスお気楽日記
今週末は関東地区への出張です。車の走行距離は往復で1000㎞をオーバーするだろう。

もう20万㎞を超えた愛車?は、最近タペット音が気になります。ピストンリングが原因の不完全燃焼の
せいだと思います。今はまだ、アクセルワークで調整できるので、整備を躊躇していました。

オイルの減りも頻繁なので、さすがに、長距離走行の前にはオイル交換が必要と思い、出入りのスタンドに
持ち込みました。世間話(整備話)をしているうちに「ハイオクを入れてみたら」の話になりました。

自分はいつもレギュラーです。10円ちょっとの差がエラクもったいない様な気がして、安い方を選んでいた。

結果はすぐに実感できた。今日の仕事は福井県の関西寄り、片道90㎞の走行距離になります。
まず、タペット音が全然しない、何より驚いたのはアクセルの吹上、スピードを背中で感じる。

軽自動車の弱点は、妙高高原や軽井沢の山道で毎回感じている。トラックを追い越せない。
今日は平道だが、アクセルが軽い。燃費も200㎞走ったが、目盛り2本しか減っていない。


「安物買いの銭失い」とまで言わないにしても、安物買いは実感している。
中古機商いのせいでもないだろうが、安く買えば儲けがでるし、安くなればお客も喜ぶ。

100均ショップを筆頭に、スーパーの割引シールも気にならない、むしろ得した気分。
もう興味がないと言えば、言い訳だが、衣料品も価格のほうが優先順位となる。


ここに、AとBの品がある。見た目は同じ?だが、Aは高くBは安い。
当然、Aには高い理由があり、Bには安い理由があるはずだ。

ところが、大半の人はBを選ぶ。高くなる要因に必要性を感じないのかもしれない。
使えればイイ、着れればイイ。「こだわり」よりもお得感を選んでしまいます。

良い方に考えれば、B商品でも「粗悪品」がないという安心感かも知れません。

安くても安心できる日本のものづくりには、今更ながら感謝しなければならない。。


追伸。土曜日のビジネスホテルの予約検索、ここはと思った所はみな×でした。
   息子に検索を頼んだら、そのホテルを予約してくれました。価格は1000円アップです。
   そう、自分は格安プランばかり探していたのです。1000円の差で、豪華部屋?に泊まります。

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メンテお気楽日記 5月15日 量販価格

2017-05-15 | メンテナンスお気楽日記
普段着と言うよりも、作業着として、ジーンズを長年愛用しています。当然、作業着として履いていれば
油汚れが付きます。これが、なかなか落ちない。で、低価格の中国製が何本も貯まりました。

スタイル的?には不満があるものの、ウェストと股下サイズが豊富なため、自分のサイズがすぐ選べる。
価格は1980、イオンブランド?の規格品です。5千円以上のジーンズは見ても見ないことにしていた。

ところが、先月、家のすぐ近くに、北陸最大のイオンモール新小松ってのがオープンしました。
ショッピングモールとは、幾多の専門店で構成されています。当然、海外ブランドの量販店も入っています。
H&MやGUも出店しています。「たまには、仕事で履かないジーンズも」と色気を出して探しに行きました。

店内をウロウロ、目的はボトムコーナーです。好きになってしまった最低価格は¥1,990からでした。
ストレッチ生地のスリムデザインは良しとして、サイズはS・M・L 股下はカット料金が掛かります。
いかにも、量販店企画だと感心しながらも、今日は見てるだけと、店を出ました。

隣の店舗は生地屋さんでした。流行というか一押しの生地にも知らなくてはならない。繊維業界のサガです。
デニム生地も気になったので、プライスをチラッと「1m¥850」から¥1、500等々。

何か、腑に落ちない、複雑な気持ちです。100円ショップで感じる「モノ作りのカラクリ」
材料があって加工がある。もっと細かく言えば、製糸・生地織り・カット、縫製・その他キリがないくらい。
どれだけ多くの人々の手を回って来たかは、想像に値する。そこにモノ(製品)がある訳じゃない。

材料費に加工費、それに流通費と儲け。どうして、この価格でものづくりが出来るのか?正直な気持ちです。


そりゃ、品質が確保され、なおかつ安いとなれば、大半の人は買う気にはなると思います。
そこを狙ったのが「量販企画」だとしても、そこには大変な苦労と努力が必要とされます。

誰だって、自分の利益は確保したい。安く売るって事は、すなわち儲けが少ないって事です。
材料費に人件費、もう天井が見えています。後は、手間賃を計算しない?ものづくりが現状です。

只、量産すれば、加工費がでる。これも道理というか倣いでもある。商売でいう「薄利多売」
しかし、これにもワナがあります。同じモノを作るには、どうすれば安く作れるか?に集約されます。

いいモノを作りたい。新しい製品を作りたいは、二の次になり兼ねない。技術のマンネリ化です。

世界の工場と言われる、中国や東南アジアは低加工費が魅力でした。技術さえ提供すれば、大量に
製品が生産出来ました。それと同じ事が国内工場に求められている。輸入費用も掛からない。

大きく違うのは、アジア諸国は技術と設備が提供され、今後の伸び率が期待される。国内工場は
古い機械の使いまわしと後継者問題。追いつき追い越されかねない。品質さえ空威張りに聞こえてくる。

「生産」と「販売」。もっとケンカをしなくてはならない。どちらも、お客様を想っての事だから。
どちらかと言うと、ネクタイを締めた人に、首を横に振れないのが、生産現場の現状とも感じる。

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