三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 10月31日 スプレーオイル

2015-10-31 | メンテナンスお気楽日記
工場に「油さし」が置いてない?。特に「外注」と言われる機台一台?で作業している工場に多い。

最近のメンテ傾向として、「油切れ」が原因と考えられる故障?が2~3割にも感じている。
動かない、動きが固い、音がする。 対応は給油して、動きを滑らかにするだけで終わり?

その場合、ホコリが乾燥した「白カス」ならば手当てだけで済むが「赤カス(サビ)」の場合は、
結合部品が摩耗して痩せていると考えなければならない。当然の結果として「ガタ」が発生する。


話を折って悪いが、海外研修生?や若い?パート作業員を雇用している機台は要注意。
彼らは、生産作業の為の雇用で、機台の管理や維持には無関心。時間がくれば帰ってしまう。

メンテ依頼が来た時点では、もうガマン?の限界仕様で、シャフトの交換、ベアリングの交換など
大掛かりな工事が必要となる。残念なことに、企業にメンテ担当を雇用できないのも要因。


自分の場合は、濃度の薄いスプレーオイルを持ち歩いています。素早く油を浸透させ動きを取り戻す
ためには必要です。只、効果を長く維持させるためには濃度の濃い油を補給することも大切です。

その為、工場のマシンオイルやギヤオイルを要求するのですが「油さし」が出てこない??
「機械に飯も食わさず働かしているのかい」そんな戯言も出てくるのが現場です。


反対に油のさし過ぎにも困ります。短繊維工場ではホコリと絡まってガピガピ状態になっていたり
長繊維機台も油汚れ、如いては糸汚れにも影響します。ポイントは給油後の拭き取りにあるのですが、
大半の工場では、オイラーからポコポコ。そのままの状態で作業終了。

油は「色気」とも似ています。よく「ばあちゃんといっしょでカスカスじゃないか」なんて戯言も
飛び出しますが、色気たっぷりの女(機械)にも気を付けないといけない。火傷の元です。

色気は隠しているのが魅力です。ベトベトでは近寄りがたい。その為にはダスターで綺麗に化粧して
作業員が惚れ直すようにするのもメンテの仕事です。と言うより、本人(機械)自体への「気使い」です。

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メンテお気楽日記 10月30日 カマの刃・さま・さま

2015-10-29 | メンテナンスお気楽日記
実に便利な道具です。シャフトに絡みついた糸クズを、カッターやカミソリで取ろうと思っても、
なかなか上手い具合にはいかない。カマの刃なら、テコの原理でズバッと切れる。

キャスターの隅に入り込んだ糸クズも、ひっかく様にすれば狭い隙間の糸クズも切れる。
分解式のキャスターは手入れが簡単だが、どうしても安価な台車を選んでしまう。

糸編の仕事をしていれば、台車はもちろんの事、機台の回転シャフトにはいつの間にか糸クズが
絡みついている。ISOの工場でも同じ事で、掃除をするかしないかの違い。


ところが、このカッター、今、大変な事になっている。
機料店や機材店にいけば、売ってはいるが、大抵は台湾製か韓国製?輸入品です。

形こそ同じだが、切れ味がまったく違う。悲鳴は現場から起こった。スグに切れなくなってしまう。
女工さんからの要望で撚糸屋のおやじが「日本製でなければ、事故が起こりかねない」と買いに来る。

でも、機料店の情報では、もう一軒だけ一人だけで作っているらしい。その機料店にも2~3か月に一度
200枚程度しか入ってこない。だから10枚小割にしての販売。価格は一枚4~50円ってところ。

需要が減れば、製品が消える。これまでも色んな製品が店頭から消えて行ってしまった。
けっして、需要がない訳でもないが、儲からないから。数が出なければ利益が出せない。

じゃ、一枚100円200円で売れるかって言うと、そんなモノでも無い。モノの価値相場もある。

変なもので、20年前にはカマの刃の握り・安全ケースだけで商売をしていたメーカーもあったのだが、
そんなもの最近は目にしたこともない。どこの工場でもカマの刃だけで使っている。


メンテ商売をやっていれば、どうしても必要な部品も出て来る。今、メーカーに注文しても、加工所に
製作依頼しても、プーリー一枚歯車一個がン万円。指定スピンドルに至っては一本3~4万。

どう客先に説明したらイイんだろう。材料コスト・加工コスト・販売コストがすべて価格に上乗せされる。
当然?客先が思っている価格と差が出る。いくら一点ものでも、価値相場が大きく食い違う。


需要があっても利益の出ない品、それならば海外から安く輸入すればイイ? あまりにも短絡TPP。
現場を知らない、汗をながした事ない人が考えるマネーゲーム。モノが動けばお金が落ちる?

品物は安ければ売れるんじゃなく、便利だから効果があるから品質が安心だから。必要だからこそ価値がある。

ものづくりはそんな「こだわり」があるから生まれる。しかし、生活を確保することで手一杯なのも現実。

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メンテお気楽日記 10月29日 浜処(潮風)中古

2015-10-28 | メンテナンスお気楽日記
                       「機械」は仕事をしてこその「機械」でなければ。

カセ繰り仕様のボビン繰り機を買い上げました。以前から業者に問い合わせしてキープしてあった機械です。
120錘機で、工場主渡しが5万でいい?というので、部品対応でもいいかな?って情報でした。

そんな時、「カセ繰り機の小型機?」の問い合わせがあったので、分割して原動部をそのままに20錘機として
お世話しようと話が進んでいます。低価格よりも、仕事が出来る機械として残すことが重要です。

分割となると、それ相当の手間と再整備が必要です。業者には工場紹介と作業応援を頼み、廃工場に入りました。

イタリー撚台はすでに処分され、ガラ~ンとした工場にはカセ繰り機だけがポッンと残っている。
初期投資がいくらかは知る由もないが、廃業にまで「追い銭」がかかる現状、売れるモノがあれば足しにしたい。
業者の「これなら・・ひょっとすると・・」の一言が機械を生き残らせ、命を与えることとなりました。


馴れない準備機械だが、機械なら何とかなると思いながら、分割に取り掛かりましたが、「錆び」がいつもと違う?
中古機械は、使っていれば、それなりの汚れや錆びは当然で、「想定内」として整備する。

ところが、この機械。上と言うかホコリの溜まる部分だけが錆びている。それも極端な?錆び。
シャフトも上半分が赤色で、下の方には油っ気も残っている。塩分ホコリが原因と考えられる。

業者は「浜どこだから」って簡単に言う。「おい、おい」って言いたい気分だが、話は進んでいる。
確かに、海岸沿いの機械は錆びやすいって知識や経験はあるけれど、一言言って欲しかった。

安い価格に乗った自分も悪いが、安く世話できればお客さんが喜ぶのも知っている。
只、それなりの?中古機でも、確実に稼働し仕事が出来ることが「当然の条件」となる。

機能の方は、部品交換や整備で、ドウとでも仕事の出来る様にはできるが、やはり「見た目」も大切。
「きったね~」なんて言われたくない。その為には、清掃や汚れ落としの整備がある。

ワイヤーブラシにペーパー仕上げ、それでも隠せない?処は再塗装で仕上げなければならない。
エライ「手間仕事」が増える。コリ出したらキリがない。「あ~小型機でよかった」自分で自分を諌める。

業者に作業料と世話賃で3万円。客先10万でのお世話では自分の手間賃で真っ赤っか!!!

「安物買いの銭失い」やはり、職人ふぜいが商売すればロクなことはない。全部、自分のかぶり仕事。

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メンテお気楽日記 10月27日 お茶菓子?お土産?

2015-10-26 | メンテナンスお気楽日記
「三筋さんは畑は作っているケ?」「いいや・」で、用意されたのはイモとカボチャ。

自分にはなぜか?お土産が多い。大抵は畑で作った野菜類。
秋にはクリから始まり、柿・イモ・カボチャ。去年は新米ってのもあった。

よほどモノ欲しそうな顔をしてる訳でもないと思うが、一仕事終えて世間話している内に用意されている。
せっかくの好意をむげに断ることもしないから、家には色んな野菜がたまって来る。根菜はいいが、柿や
葉物は多すぎても、お母さんからは苦言を聞く「次はダイコンと白菜の季節ですネ。」

少なくなったとはいえ、まだまだ自営撚糸工場はしぶとく?お仕事をしている。
大半は、農業をしながら、何十年か前「撚糸は儲かる」って口車?に乗って、田畑や百姓小屋に撚糸工場を
営んで来た。だから、70過ぎになっても作りモノの喜びや楽しみは忘れていない。


企業や専門工場においても休憩タイムはある。そこで出されるのは大半「缶コーヒー」。それも部屋隅に
置いてあるダンボールケースも見ることがある。もちろん、お茶菓子なんてものもない。

別に不満を言っている訳でもない。それが当然だとも思っている。企業では事務員さんの数が徐々に少なく
なっている。専門工場でも奥さんは作業員の一員。手いっぱい時の休憩にこそ気が引ける。

今だに?コーヒーやお茶を点ててくれる工場もあることはある。これも気が引ける。
繁栄時の来客への「おもてなし」習慣が続いている。社長との懇談ならまだ遠慮はいらないが、
わざわざ自分の為にと思うと、やはり感謝しなければならない。


と、もうひとつ。煙草が吸いたい!。企業が大きくなればなったで「喫煙所」はたいがい場外。
施設内には灰皿がない。応接はもちろん休憩室も禁煙。仕事後のいっぷくを旨としている自分には辛い。

休憩もそこそこに場外の喫煙所に。そこには同志?が集まって来る。変な話かもしれないが、
自分の場合、課長・専務と話すより先に、工員さん達と顔見知りになってしまう。
それが、工場内を動き回る「お気楽メンテ」の要因かもしれない。

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メンテお気楽日記 10月25日 一年前の記事

2015-10-25 | メンテナンスお気楽日記
gooメールには一年前のブログ記事の案内?が入ります。いつもは気にもせず見過ごしていますが、
今日は何気なしにクリックしてみました。

「竹製マイワ」の修理をしたときの話でした。もう一年前の事かと思いながら、記事を読み返す。

「こんな事もあったナー」なんても思いながら、仕事を楽しんで、それを記事にできるブログの有難さに
感謝です。いくら嬉しい事や、楽しい事があっても、誰かが共感してくれれば、倍の満足になる。


ブログを勧められた時は、ホームページを立ち上げようかと考えていた時期で、商売がしやすくなるか?なんて
期待(欲望)もあったが、よくよく考えれば、メンテ業なんて客先の機械、客先の要望があっての仕事。
特に電話一本で売れる品物もないし、客先の顔(人柄)があってこそガンバれる仕事です。

その為には、仕事の内容や、こんな事出来ますョ。って事を記事にすれば、興味をもってくれる人や、
共感してくれる人がいると教わりました。何より「見せる日記」は、自分のための日記で、
仕事や生活を見返し、人に見てもらうことによって、自分自身を見直し、奮起する手段でもある。

「マンネリ」とは言わないまでも、日々依頼仕事をこなしていく仕事は、何を残されるのか?
「あんな仕事もあったナ」なんて、自分の記憶の中だけに収まってしまう。


よく、産業の伝承・技術の伝承が危ぶまれていると言われています。確かに伝える手段が無くなっている
のは、実感として感じます。後継者のいない工場、女工さんを雇えない工場。伝え様がない。

ブログ日記は、どこの誰でもイイ。興味を持った時、迷った時「こんなことが書いてあったナ」なんて
思い出してもらえば、「伝承」のヒントになればとも考えています。


その為、なるべく?技術的な記事や、仕事の内容について書き残していますが、本当に伝えたいのは
「自分の仕事が必要とされ、客先から「アリガトウ」って笑顔をいただける」満足感であり、充実感です。

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