三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 10月30日 まだ知らない、全自動検撚器

2014-10-31 | メンテナンスお気楽日記
機料店からの、呼び出しでした。
「検撚器の新品を探しているお客さんだが、三筋さんの資料で説明して欲しい」の依頼。

しかし、客先はすでに「三筋電動タイプ検撚器」を所有しているとのこと。ところがこの電動タイプ
でも、検査結果の提示が間に合わない?ので「プリンター付き、全自動検撚器」を希望。

資料のカタログの中には、確かにそんな機器もあるが、実際使っているのを見たことも、見る機会も
無かった。大企業の検査室?には、まず入れてもらえないし、価格からして一般ではまずムリ。


方法は基本的?に理解している。「解撚加撚式」と言って、一定の張力をかけた試験糸を
検査方向に回転させる、そうすれば解撚され、糸は伸びる(長くなる)そのまま解撚を続ければ、
最長点(撚り数0)に達し、尚且つ回転をかければ、逆撚りが入り、そのまま糸が短くなっていく。

その張力を掛けた重り(糸長針芯)が元の位置にもどった時、撚り数の2倍が表示される。
50㎝計測なら、一度で1m値のTWが出る計算になる?

後は、電気回路でセンサーやカウンターなどを組み込み、パソコンとつなげばプリンターにも。
リセット回路を利用すれば、一つの検査糸で何回か繰り返し、平均値を出すことも可能


ところが、機料店からメーカーに問い合わせた結果
「紡績糸仕様なので、合繊のフィラメントでは正確な数値は難しいし、お勧め出来ない」とのこと。

??? 小松の検査協会では、もちろん色んな糸種の検査をしてもらえる。
検撚器は三筋の電動タイプで、糸を解撚して針先でフィラメントを割り、撚り0での回転数を出す。

フットスィッチとS・Z切り替えスィッチで微妙な操作は必要だが、糸種にこだわったことは無い。
なぜ、全自動タイプの場合、フィラメントには不適合なのか理解出来ていない???

まだまだ、知らないことが多いと実感した、興味ある商談でした。これも又楽しい。

●10月31日 追伸「知らない事は、聞けばイイ」

全自動検撚器で、合繊のフィラメントを解撚した場合、繊維自体に伸びが発生するらしい。
と、いう事は、「解撚」と「加燃」の回転数が狂ってくる。単純計算で2倍になることは無い。
その為、フィラメントの場合は、解撚だけで、撚り数を出すとの事でした。

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メンテお気楽日記 10月28日 「こだわり」の大切さ

2014-10-29 | メンテナンスお気楽日記
「ものづくり」の基本は「こだわり」にあると思います。
少しでもイイものを、少しでも便利なものを。それを考えるから行動できるのです。

そりゃ、最終的には「売りたい・儲けたい・喜んでもらいたい」って欲望があるとしても、
他人(お客)のために、何が出来るか、どうすればイイかを考えることから始まります。

もちろん、生活やファッションにも「こだわり」があると思いますが、それは自分の為に
何を選ぶかであって、他人が何を望んでいるかを考えることが「商い」であり「こだわり」です。


よく「職人のこだわり」って言葉も耳にしますが、これもお客様・使ってくれる人を想えば、
あと一手間・二手間の仕事をしてしまう。自己満足と言うより、人を想っての「こだわり」

知り合いの職人さんの中にも、中古整備に際してベアリングをすべて新品交換してしまう人が
います。同業者からは「そこまで・・」とか「部品代と手間で価格が合わない」と言われますが、
お客様が付いているのを見れば、やはり中古機械での信頼を得ているのだろう。

別の機料店でも、老人部隊?を屈指して、機台をピカピカに磨きペンキ塗装までしての販売を
する、当然、世間相場が3万円のとき、その機料店に世話してもらえば5万円となる。

でも、お客さんとすれば「満足」があるから買う。何を満足させるかが「商売のこだわり」


自分の商いは、8~9割が顔を見てでのメンテナンスとお世話。まずお客さんに惚れなければ
仕事にならない。相手が何を望んでいるのか、相手のために何が出来るかから始まる。

だから、おいおいオーバーサービス?世話焼きどころか、お節介?
お客が困っていれば、時間を惜しんで四方奔走。情報を集め、部品を探し、尚且つ自宅加工。

販売店の営業から見れば、合わない事ばかりやっています。
車を走らせればガソリン代が掛かり、部品集めや買い出しにもそれなりの時間を費やす。

でも、お客の見えない処を請求することが出来ません。タダの気弱かも知れませんが。
汗を流した?工料と、世間相場の部品代。これにまだ手間賃を重ねれば、大変なことに・・・

お客から見れば「都合のイイ人」に成るのだろうが、本人は「イイ人」だけで満足。
仕事を依頼され、お金をいただく、尚且つ「ありがとう、又頼むネ」と言われれば・・


「機械屋」の看板こそ挙げてはいるが、機械に関する「こだわり」は薄いかもしれない。
だから、ホームセンターで材料を探したり、電装品を自作組み立て、出来る事を提供。

しいて言えば、客が望んでいるのを、いっしょに考える、人付き合いこそが「こだわり」かも。

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メンテお気楽日記 10月24日 工場内立入禁止

2014-10-25 | メンテナンスお気楽日記
メンテのお仕事は、当然、客先の工場内での作業。

「おばちゃん、どうした?」なんてズカズカと入っていく作業場もあれば、受付で名前を記入
胸にカードを付けての入所もある。帰りには出所時間を記入してカードを返却。

東レやグンゼなどの大企業になると、初めての入所の際、血液型まで登録された。
工場機密というより、工場内での事故や安全が大事らしい。構内は10k走行の表示。

先日の福井でのタイマー組み込み、ワインダーをわざわざ荷受け場まで持ってきてあった。
工場内の設備も解らないまま、指示された作業だけをして終了。又、別の工場では
ワインダー室にだけしか出入りが出来ない。後で聞いた話だと、配送トラックのドライバーが
トイレを探しに?工場内をウロウロしただけで、始末書を一筆書かされたとの事。

けっこう厳しいところは厳しい様だ。ま、馴れ合いや気のゆるみを防ぐ為には必要かも。

今日も企業でのお仕事。社長と懇談した商談室には、来客用のキャップや白衣?が用意されている。
来客を工場内に案内する際、着替えてもらうらしい。工場の取り組みを実感してもらう効果もある。

自分はというと、工場入口から作業服のまま工場長に「来たョー、今日は何ダ?」てな調子。
確かに入口には「無断立入禁止」の札が掛かっていたが?気にもせずサッサと通り抜けている。
メンテという仕事の内容もあるだろうが、気を使うところには気を使うのが本筋かも。お気楽過ぎ?

こんな厳しい工場は1~2割で、大半は出入りに気を使っていない。呼ばれればズカズカ?と入っていく。

以前?は「無断立入禁止」の札はよく見かけた。それは「ものづくり」の自信で、自分の技術を
真似されるのを極端に嫌った。「工場内は危険だから入らないで下さい」とは意味が違った。


今コツコツと集めている「女工さんの知恵袋」
「自分は見たいが、みんなが読めるというか解ってしまえば、ちょっと厳しいナー」なんて撚糸屋も
何軒かあった。それは自社の技術?が公になると、競争が出来なくなるという心配から。

でも、その技術は伝承でしかなく、より良い製品のためのステップにならなければならない。
設備や機械がものづくりをするのではなく、人間が知恵がものづくりを発展させている。

くれぐれも「井の中の蛙」にならない様、井戸から頭を出して世の中を見渡す、刺激を受ける。
最後に、「見せる処と隠す処」ハッキリと自覚すること自体が、本当の意味の「立ち入り禁止」

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メンテお気楽日記 10月23日 竹製マイワ

2014-10-24 | メンテナンスお気楽日記
竹製のマイワの修理です。繊維工場の便利屋?としては出来そうな事は何でもします。
竹の羽根が折れているだけなので、代わりの材料さえあれば、後は工作感覚。

それより、なぜ竹製を使っているのか?そっちの方が興味がある。

工場長は「昔の機械でなければ、作業が出来ないのもあるが、マイワは木製機械に付いていたから
そのまま使っているだけ、鉄製もあるが使った事もない」・・・それだけかい。

何かのコツを期待して「竹製でなければ!」を知りたかったのに、少々肩すかし。


材料は竹。ホームセンターの資材売り場を廻ったが、竹ヒゴでは細すぎる。いっそのこと
山の孟宗竹を切ってきて、一から手作り作業もありなのか?

そんな時、貧乏症のアンテナが調理製品売り場に反応する「菜箸は竹製だよナ。」
へんな風景です。作業服着たおっさんが、調理品売り場で「菜箸」とアレコレにらめっこ。

太さは6㎜、長さはカットするから関係ない。ベスト素材は竹の外皮が付いていれば強度が
増すことは、直感的に解るが、「菜箸」には滑りやすいから付いているワケがない。

家での作業。羽根には微妙な曲線がついているので、その曲線を最初から付けるものだと思い
竹ヒゴの模型飛行機よろしく、バーナーで曲線づくり。そして、組み立てたら解った。

曲線は何十年も使ってきたタワミ。最初から曲線に合わせようとすると、曲がり過ぎる。
「やってみないと解らない」どっかで聞いた様なフレーズだが、知らないから楽しい。

「息抜き作業」と言えば、工場長に怒られそうだが、たまの変な仕事。これもまた楽しい。
ちなみに、材料費は6本で消費税込み111円でした。さあ、加工料をどうするか?

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メンテお気楽日記 10月22日 お宝発見!B型Hボビン

2014-10-21 | メンテナンスお気楽日記
解体現場に入ると、鉄材はボルト一本まできれいに清掃して行くが、木材やプラスチック類は
工場の隅に残されたまま。

元はと言えば、ベークのボビンやプラのシリンダーキャップ。すべて作業に必要な部品として
買い揃えたモノ。それが今は不用品。それどころか、処分のための追い銭まで掛かると言う。

リサイクル処理もあるが、よほど大量に出なければ、運搬費と人件費の方が上回る。
依頼主も追い銭まで出して片づける気もなく、業者まかせの時期を待つ。なかなか取りに来ない。

一応?清掃確認のため、工場を訪れる。やはり隅にはダンボールの山。つぶれた箱からプラの色が
見える。サイズから見ればHボビンか?整理箱もなくぶっ込み状態。まったくのゴミあつかい。


Hボビンに関しては色々の編さんがあり、以前(けっこう昔)は糸を捲いて出荷していたボビンが
「返却されない」ってブーブー言っていた撚糸屋さんもけっこういたが、糸加工の価格が下がるに
つれて、運搬費節減のため紙管納品。終いには「Hボビンで送られると処分に困る」とまで言われる。

絹から合繊に移行するに従い、カセ糸をHボビンに捲く行程も少なくなり、大量加工に対応する為
500g捲き・750g・1㎏捲きとサイズも大きくなった。現在在庫は大半がC型かK型。


ところが手に取ったボビンはB型。胴が太くて鍔が小さい。捲き量は250~350g。
織ネームの整経工場から「探して欲しい」って頼まれていたボビン。正直、返事もに困っていた品。

ネームも技術革新?で糸が細くなり、50D以下の30・20の世界、経糸の整経屋さんでは
このボビンでなければ解除出来ない(2度手間)。しかし巷では超希少価値、探しても見つからない。

それが目の前にある! C型だとばかり思い込んでいて、需要のない不良在庫とばかり・・
清掃確認に来なければ、そのまま処分場へ持ち込まれるところ。危うくセーフ。売り物か?


でも問題がひとつ。いくら整経屋さんにとって「お宝」でも、世間の中古相場はC型で100円以下。
今一度、箱を開けて選り分ける手間賃もでない。形も大きいので、まとまれば運ぶのもこれまた大仕事。

ま、今回は元手はタダ。でもタダより高いモノにならない様、お世話・お世話です。

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