三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 3月28日 糸結び器(旧型?)

2015-03-29 | メンテナンスお気楽日記
現在、同業者うちでは、メスダンのノッターが品不足です。もちろん中古器の話です。
新品なら5万以上ですが、中古相場も上がってきているとの話も聞いています。

原因は、織結びの出来ない女工さんに支給するためです。熟練工さんが退職し、募集を掛ければ
集まることは集まるのですが、技術の伝承がないままでの引継ぎとなるのが現状です。

本来ならば、ノッターを使ってしまえば、手作業を覚えるチャンスを逃がすことになるので、
あまりお勧めしたくないのですが、切実になれば「機械」に頼らずにはいられない。

当然、自分の在庫も底をつき、現在修理出来るのは、可動部品のバネの交換や不足部品の補充のみ、
肝心のハサミの切れ味や糸結び機構となると対処出来ません。中古で中古を治すか、廃業工場からの
まともな?品が出て来るのを待つ、あわれな状況です。

エアースプライサーの様に、人間の手では出来ない糸の連結方法は別としても、糸結びに関しては
本来、人間の手先・指先の作業です。一度、体で覚えてしまえば一生の財産となるはずと思うのだが・・


と、言っても昔から不器用な人はいるみたいで、おやじの道具箱の中からも「糸結び器」らしき
装置を見つけました。これが今で言う100円ショップに売っている様な簡単な仕組み。

針金で作ったカマと、ガイドの針金のみ。ちゃんと?ベルトに固定するプレートや作業角度をきめる
バネ板がメッキされていることを見れば、量産していたとも考えられる。

自分の代?では見たこともなかったが、糸を絡めながら色々と使い方をためしてみる。
「結べた!」いとも簡単と言えるほど。針金に糸を巻き付け、ガイド側の糸をカマの方にズラして
引けば、糸が結べカットされる。二重に捲きつければ二重結びになっている。

何結びかは、名前が出てこないが短繊維なら充分の強度があった。只、これが合繊となると疑問が
残る。多分、問題があったから普及しなかったとも考えられる。で、なければノッターはこれほど
までに普及しない。北陸の撚糸屋さんが廃業すれば必ず2~3台は出てくる。

それとも「手の方が、よっぽど早い」なんて理由も考えられる。てか?

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メンテお気楽日記 3月25日 繊度計

2015-03-25 | メンテナンスお気楽日記
別に骨董趣味がある訳でもないが、ひと昔の機械や機器を見つけると、つい愛着?を感じてしまう。

今回は「繊度計はかり」です。ガラスケースに入った微妙な天秤はかりの一式セットです。
木枠で組まれたガラスの箱も「味」があるが、真鍮で出来ている天秤も妙にカワイイ?

丸い穴には各種の分銅が納められ、小引出には0,1グラムからの剥片が入っている。
ピンセットだけは妙に新しかったが、使っていた証しだろう。


「繊度計」とは、使用されている繊維や合撚されている糸の太さ(デニール)を計る機器。
1mの長さの糸の重さが解かれば、その繊維のdやdtexが計算される。又、生地を計れば
使われている繊維の太さや打ち込み数を知る事が出来、繊維設計の基礎となる。

只、9000m・1gが1dなので、その計測は微妙な作業となる。現在の繊維試験所では
デジタル方式の自動はかりを使用している。ボタンを押さなければ扉も開閉しない様式で
ホコリやチリが計算されない?様に、気を使っている。

その作業を、昔の人は息を止めてピンセットで天秤はかりにオモリを載せていたのだろう。
そんなことを想えば、アナログ世代の情熱を感じずにはいられない。

検撚器ならば、ちょっとした工場ではよく見かけるのだが、繊度計となると試験所のデジタル式しか
見たことがなかった。でも、ここは歴史のある大手の織物工場、研究室には技師たちがいて、新しい
繊維の開発や、気になる繊維の繊維分解などをやっていただろうと推測される。

ところが、時代の波に乗れなかったのか?検撚器を探す際、同業者から紹介されたのが、廃業準備中の
この会社だった。名前こそ知ってはいたが、機屋さんなのでワインダーは外注工場での作業のみだった。

専務に面会し、検撚器は譲ってもらえる事になり、昔話にも華が咲く(話に付いていけるって事は
自分も充分、お年寄りってことか?)残っている工場設備も見せてもらった。

めずらしいと言うか、興味のある骨董機械が色々と並んではいるが、いかんせん大量生産機ばかり。
生かしたい気持ちはあるが、100錘200錘の機械を5~10錘にする訳にもいかない。

「繊度計」も現在使いこなす人がいるか?って事になると、疑問形が残る。
笑い話でもないが、真鍮製検撚器の様に「飾ってあるだけでも価値がある」ってことなのか?

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メンテお気楽日記 3月22日 事務所でコツコツ。

2015-03-21 | メンテナンスお気楽日記
先週のお楽しみ?は、事務所に帰ってからの木工細工でした。

おかげで、狭い事務所の中は電池ドリルやドライバーの工具類、それに電気配線する為の特殊工具で
足の踏み場もない状態での作業となりました。

単に、手動綛揚げ器にモーターと定長ストップと糸切れストップを組み込んで欲しいとの依頼でしたが、
送られて来た綛揚げ器はりっぱな!木製品。ここで、凝り性に火が付いてしまった。

変速モーターとコントロールパネルを木製の箱(手作り)の中に納め、手回しハンドルの横には
これまた、木製の丸ベルトプーリーを特注した。近くには山中塗りロクロの里や四つ枠の製作や、
シャットル織機の管を作る工場があるので、頼みに行っても好き者同士、話が進む。

でもさすがに、モーターやユアサの糸切れセンサーなど電装品と木製製品との組み合わせは、
無骨になってしまう。定長カウンター(スイッチ付きと交換)は板で覆い、何とか態をなす。

後の配線は、外部信号用なので細いコードで足りるが、やはり見た目的には気にかかる。
凝れば、どこまでも凝れる作業だったが、期日の20日までには一応?完成とした。

梱包の箱探しも大変だったが、送られて来た時の1,5倍の大きさになってしまった。
だって「ここをああして、ここを合わせて」なんて指示も出来ない。出来る限りの組み付け状態。


今頃は、荷解きが終わっているのか?まだ運送屋さんのトラックの中なのかは解らないが、
自分なりに、使い勝手も考えてのレイアウト。思い込みがなければイイが・・・

遠方からの、相談や依頼があるのは、とっても嬉しいことなのだが、なんせ機械も見ない、仕事も
解らないでの対応は、いくら理解したつもりでも、お互いの思い込みに陥りやすい。

いくら北陸新幹線が開業したと言っても、関東地区での打ち合わせだけ?でも3~4万が経費
日当まで考慮すれば5万以上。これじゃ三筋の機械が作れてしまうョ。

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メンテお気楽日記 3月20日 すきま機械

2015-03-21 | メンテナンスお気楽日記
久しぶりの「8錘機」の製作です。しかし、これも9°15′4錘と3°30′4錘仕様です。
今月に入って、作った機械は3錘機、4錘機、それに残糸処理のための変則綛揚げ機器です。

12錘の産業機の受注は一時の波でした。その後、問い合わせもありません。
やはり、自社設備には、機械では解決できない諸問題があるとの話も聞こえてきました。

どんなりっぱな?設備を入れても、使うのは人間です。
高級車に乗れば、事故が起こらない?訳がない。軽四でスーパーに買い物に行く方が、
便利で効率もよく、利にかなっている。もちろん運転する人間の安全意識が大切。

熟練作業者の高齢化、工場の廃業。嘆いているだけでは問題は解決しない。
根本は「後継者がいない」と言われているが、後継者がいないなんて、そんなことはない。

様は、仕事に魅力を見いだせない、もっと正直に言えば、生活がままならない。
後継者だって人間。自分の道を切り開いていく選択もある。

今ここで、原因を挙げればグチでしかない。反省しても「昔話」になってしまう。
大切なことは「前に進む」こと。今何が必要で、何をしなければならないか、行動すること。


と、まあ、いつもどうり自分が出来ない?戯言に話が進みそうなので、ここでお終い。
ともあれ、小型機械にしろ注文があるってことは、仕事があるってことだョね。

それも「あと少しあれば・・」「自分で出来れば」って事だろうが、仕事をする為に
必要って事。「すき間産業」ってどういう定義かは解らないが、そのための「すき間機械」も
必要って事か??。

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メンテお気楽日記 3月15日 日曜日のお仕事

2015-03-16 | メンテナンスお気楽日記
先週は、小型ワインダーばかりの納品が続き、倉庫で中古機械を切ったり張ったり。
突然の寒波には、鼻水をすすりながら、何とか仕上げることが出来ました。

相変わらず「3錘機をこの価格で売れば、手間賃だけだょ」って言われながらも、客先に届く
12錘と3錘では、当然、価値価格がちがうと思えば、正当?価格を付けられない。


先週届いた「木製綛揚げ器」の改造。金曜日にはモーターユニットも入荷しました。
ところが、このモーターけっこう大きい?普段は400Wや0,75kwばかり使っているので
「40W」を軽く思っていたが、綛揚げ器に組み込むにはギリギリの大きさでした。

木製器改造の「こだわり」として、電源部も木製製作と考えていましたが、これが大変な手間。
まず、板には厚さがあり15㍉や20㍉の材料加工となります。箱のほうは簡単?の組めるが、
コントローラーやスイッチの穴加工をしなければならない。鉄板加工とは大違いです。

日曜日だからチマチマと作業こそ出来るが、アレが欲しいコレも必要となると、ホームセンター通いを
余儀なくされます。ビス一本でも長さが合わなければ使い物にならない。

定長カウンターや糸切れセンサーなどは週末までに準備は出来たが、モータープーリーや駆動
プーリーは器材店注文なので本日はお休み。完成には、もうちっと時間が掛かります。


ところで、便利で使い良い、デジタル表示付きのスピートコントロールユニットを選んだのだが、
カウンターや糸切れセンサーでモーターを停止させる為には、外部入力信号の配線となります。
せっかくのコントローラー部のスタートスイッチが使えない為、別スイッチを取り付けました。

それと、ランプ表示も考えていましたが、リレーなど別配線が複雑になるため機器の雰囲気?が
こわれてしまいます。機械として使うよりも、道具として使ってもらう方が良いと考えます。

いくら「機械屋さん」って呼ばれていても、木製機器にはやはり機械作りの原点を感じます。
今日は天気もイイし、心まで暖かくなる楽しい気分です。

p/s もちろん手作業にもこだわりたいので、ベルトを外せば手動器として使う取っ手を残します

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