三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 2月28日 ビチョビチョとカラカラ

2018-02-28 | メンテナンスお気楽日記
「ストップシャフトが回っていない」との連絡でした。点検した処、カラー部分が白いカス状態です。
油っけがまったくなく、このまま回っていれば、シャフトが摩耗して、サビが発生し、大事になります。

以前から、油切れによる不具合が多いと感じていたが、そんな工場に限って「油差し」が置いてない。
あっても、赤いスプレー缶?があるだけで、音がする時だけ、シューとするだけ。

自分も修理用にスプレー缶は持ってはいるが、浸透性が早く、動きを取り戻し、作業がしやすい為だけです。
動きが正常に戻れば、仕上げとして、粘度のある油を補給するのが、メンテナンスの基本です。

昔の?工場長は「油つぼ」と「油拭きボロ」を持って回っていれば、メンテナンスの要は足りた。
よく「昔の機械は油汚れで真っ黒」なんても言われたが、油を挿した後のひと手間が、機械に表れる。


只、油を挿せばイイってわけではない。油はホコリや汚れ、風綿を付着させやすい。
そのことが「黒い機械」の原因でもある。見た目も悪く、言ってみれば、やり過ぎの方が問題が出やすい。

よく、油切れの事故には「自分の飯は食べるくせに、機械には何にも無しかい」なんても言ってはいるが、
大半の場合は、スプレー缶止まり、外注工場に油差しの油を準備する意欲は見えない。

そのスプレー缶でも、ピンキリで300円で買えるものから一缶4000円近くするのまである。
ここでも、安いのを選ぶのはい止めないが、油の性質・特長を理解しないまま選んでしまう。

スプレー缶の場合は、約一週間と考えて下さい。あくまでも、即効性と浸透性が目的で、長持ちはしない。
機械油でも、色々種類はあるが、一か月以上せめて半年に一度は、「油切れ」の確認は必要です。


「機械が入ってから、一度も油をしたことがない」これも、外注工場の現実です。

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メンテお気楽日記 2月26日 仕事のお値段(原着撚糸)

2018-02-26 | メンテナンスお気楽日記
                    アルミナガイドの糸道(ヘタリ)はケバが発生しない。でも・・

そりゃ、誰だって「少しでも高い工賃は欲しい。それが、同じ加工工程ならば、なおの事。
しかし、そんな「オイシイ話」はめったにある事でもないし、大抵の場合は「それなりの理由」がある。

「原着糸加工」の撚糸屋さんからの相談でした。「巻き玉が固くなりすぎ、紙管がつぶれてしまう」
当然?50から20の極細糸ですから、時間はかかっても、テンションの掛からない低速は指示してある。

糸道ガイドのキズには、特に気を付けないといけない糸だから、仕事が変わる前から強く釘を刺してある。
ところが、ケバの発生は確認できないとの事。次に考えられるのは「アルミナガイドの糸道」です。

炭素繊維の原着撚糸では、通常、考えられない箇所に機台ダメージを及ぼす。簡単に言えば、
炭素(ダイヤモンドと同等?)の粉を練り込んだ糸を巻くのだから、糸ヤスリを巻く様なもの。

「アルミナガイドはキズが付かない」は思い込みです。ガラス器にも当然カット方法はある。
機台の寿命や維持費、他糸加工を考慮すれば、当然、解っている事なので、工料も高くなっている。


「原着糸」とは、ポリエステルやナイロン原液に色を付けてから、糸を作る方法です。原液着色です。
後染に比べ、製造過程での環境への影響、染色堅牢度などの利点があります。ロットの多い製品には最適です

その中の「黒色」に炭素粉末を練り込んだ原糸もあります。製品の特性や特長などは、まだ理解していないが
何軒かの撚糸屋さんでは、東レ・帝人などの原糸パーンを見ることが出来る。

相談があれば「この仕事に係れば、浮気仕事、他仕事は出来ないょ、機台維持費も倍とは言わないが・・・」
でも、目先の加工賃につられて、色気を出す。言い訳は「自分の代で終わりだから」
そのくせ、機械維持費としての「上乗せ」も生活費として消えているのが、現状です。


そもそも「加工賃」がオカシくなったのは「海外生産」が引き金でした。
月給が5千円とも1万円とも言われた「人件費」と競争するなんて、誰が考えても無理な話です。

それを、首を縦に振ってしまった撚糸屋も悪いとの話も聞きますが、受け入れざる事情も多々あった。
今さら「昔の価格」と言っても、これも無理がある。ものづくりの流れが、そうなってしまった。

デフレをインフレにすると誰かが言ったが、それは、ものづくりを辞めるしか方法がないのか?
確かなことは、外注先がない、加工所がない、仕事の出来る人がいないなどの、相談が多くなった。

「仕事のお値段」とは、家業としても代々引き継いでいく、生活費が確保できる「仕事の価値」です。

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メンテお気楽日記 2月21日 電子制御のいぶかし差

2018-02-21 | メンテナンスお気楽日記
                           誤動作を予測して?2段構えの「節取り装置」

アナログ人間のたわごとかも知れないが、やっぱり気にはなる。前回のブログ写真がフェイスブックでは
以前の写真が掲載されている。記事は新期なのに?ブログでは投稿の写真で表示されているのに・・・?


絹糸の「節取り加工」として、電子機器が開発・普及したのは、もう何十年も前の事でした。
糸の太さを「影」として捉え、光量のブレをアンプで増幅し、ソレノイド(カッター)を作動する装置です。

まず、メンテナンスに呼ばれれば、ハンマーの動きやカッターのへたりなど、機械的原因は良しとしても、
「誤動作」節がないのにカッターが作動してしまう事例には、原因が見えません。

多いのは、リボンブレーカーのマグネットスィッチ接点がへたり、ショート電磁波がアンプに影響して、
節もないのに作動してしまう事例でした。(無接点ソリッドステーリレーで解決。)

他にも、カミナリによる一斉誤作動や、西日による誤作動、蛍光灯の点滅誤作動など、色々とありました。
電磁波の影響と解ってしまえば、シールド方法も色々試されたが、満足のいく方法はなかった。


もし、不良箇所が特定されたとして、機器のトランジスターや抵抗器だけを、交換修理する事もありません。
基板パネル一式や機器自体の交換になります。修理と言うよりも、交換対応しか出来ません。

この事はジグザグミシンが開発され、プリント基板を見た時「もう、機械仕掛けの時代じゃない」と感じた。
その後、家電を筆頭に自動車制御もプリント基板です。直そうと思っても、手の付けようがない。

それが現在では、パソコンをはじめスマホなど、生活の中で欠かす事の出来ないツールになっているのも確か
です。もし、誤動作が起きたとしても、対応できる人間は限られています。どこがどうなれば、どうする?
知らないで使っている人が大半だと思います。

ワザと誤動作を誘発することも出来るそうです。データーの流失をはじめ、ハッキングやウィルス攻撃。
つい最近は、一瞬にして何億円が消えたニュースもありました。


人を信じたいおっさんとしては、何がどうなれば、どうなるのか?チンプンカンプンです。
只、自然の驚異には、不安を感じる。カミナリや台風・水害。そして火災になれば、データーはどうなる?
なんでも、宇宙規模の電磁波嵐もあるそうです。電子機器に及ぼす影響は?。

東京での積雪のニュースを、田舎のおっさんは苦笑いで見ています。これが、首都停電なら・・・
大雪による渋滞や運休。宅配便の遅配で仕事になりませんでした。しかし、これも田舎のおっさんなら
当然、起こりうる自然の現象として受け入れている。自然と付き合ってこその人間であり生活がある。

最後に「自動運転自動車」これは、よほどの対応・対策がなされなければ、怖くて乗れない。
圧雪やデコボコの輪ダチ、除雪車による除雪壁。センサーはどう感知するのだろうか?

運転技術がいらない?って事は、知識も知恵もいらないって事?それは、もう人間じゃない。サルでも運転?

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メンテお気楽日記 2月19日 0、5ミリのガタ

2018-02-19 | メンテナンスお気楽日記
携帯電話のバイブレーションは、マイクロモーターに取り付けられた、小さな偏芯プーリーが回って
機器を振動させます。その事は、機械から発生する不快な振動(音)と、原理は同じです。

モータープーリーの穴あけ加工は、ボール盤があれば簡単そうに思えますが、素人加工では必ず?
不良ブレが発生します。見た目には良かれと思っても、一分間1,700回転では誤魔化しきれません。
やはり、プーリー加工など回転部品は、鉄工所の旋盤加工にお任せします。


三筋ワインダーのクレドール(紙管支え)もベアリングケースの鋳もの穴が大きくなれば、修理の手間を
考えれば対応出来ません。そこで、他社の燃台部品を改造して、使用出来る様、考えました。

当初は、市販のベアリングが使用できる事や、ジスク(紙管押さえ)もベアリング外径が津田駒・村田・片岡
製ジスクと同じため、各社の量産製品で対応できるなど、良い点ばかりが目立っていました。

一番のおすすめは、ジスク外れが無く「仕事が早くなる」と女工さんさんからの評判が、後押ししてくれました。

調子にのって、3°30′仕様のクレドールも作りましたが、テーパー接圧がジスクの減りを早めます。
燃台では、せいぜい100~200回転の部品を、合繊仕様なら1,400回転等で仕事をする事になります。
「樹脂製を金属削り出しに出来ないか?」との話もありましたが、製造費で躊躇しています。


チーズ紙管ならば、そうとう高速回転でも対応できる事は解りましたが、その事が「落とし穴」になりました。

72錘分の注文を受け、製作・納品しました。ところが、すぐに「うるさくて、仕事にならない」との連絡。
すぐに現場に入り確認しましたが、確かにクレドールというかスターチングレバーがガタガタ揺れています。

見た目では判断出来なかったが、紙管を揺すってみると、多少の?ズレを感じます。紙管内径とジスクサイズが
合っていないと言うことです。中古部品として世話して頂いた機料店も、当然58㍉として納品しています。

話していくと、紙管厚さによって、メーカーから57,5㍉での納品もあったとの事でした。
中古部品として、ある程度の分類はしてあるが、0,5㍉の差なんて、見た目では判断できない。


今日の注文は15錘分でしたが、納品前に紙管見本を送ってもらい、一個一個ジスク確認をしたうえでの製作と
なります。失敗したからこそ、知識となり知恵がつく。たかが1㍉0,5㍉それが技術の差となる。

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メンテお気楽日記 2月15日 企業化と見積書事情

2018-02-16 | メンテナンスお気楽日記
                          問い合わせばかり?の卓上ワインダー

「いくらで出来る?」「○○かな?」「じゃ、すぐ持って来い」これが、撚糸屋さんとの商談でした。
家内工業と言わないまでも、おやじ(社長)が即決指示を出していました。

ところが、いつの頃からか、見積書提出が当然の取引となった。まず、話があれば、見積書を作る。
提出しても、返答は1~2週間。長い時は一か月以上かかって返事が来る。

数のあるモノや、右から左に世話出来るモノならいいが、各店に残る?在庫情報や中古機台の情報は
その場限り、言ってみれば「早い者勝ち」です。今日あるモノが明日あるとは限らない。

新たに製作して欲しいと言われても、旧価格で納品できないのが、現状です。製作数の問題です。
それ以上に「製造中止」の部品も多々あります。欲しくても、無いモノ、作れないのも現状です。


ホームセンターにしろ大型量販店にしろ、目の前にある商品を選んで買うのが当然の?商い世相。
店で予約(値切り交渉し?)し家に帰って、家族会議のあと、改めて買いに行く様なものです。
「企業購入」とはそんなものと理解しつつも、「売れるだろう」の取り置きは厳しいものがある。


「合い見積もり」って解ってしまう事例もある。二軒あるいは三軒の機料店から、同じ仕様の機台の
見積もり依頼が同時期に入ってきます。せっせと見積書は起こしますが、まさか、選択する訳にもいか
ないので、宛先だけを変更した見積書を送ります。

結果が出たとしても、あまり喜んでもいられない。決まった機料店の儲けが一番薄かったという事です。
ワインダー機械としては、一番安く売られたという事でもある。機械の価値も下がっていきます。

部品企業の営業さんの話によると「問い合わせの半分以上が消えていく、見積書なんて書きたくないが
書かなければ、話が進まない」なんて。要は少しでも安いところを探しているということです。

キツイ言葉で言えば「出入り業者を信用していない」もう「出入り業者」自体、死語かもしれません。
安ければ、他業者でも、量販店でも、ネットでも良いのです。(ネット購入については次回に)

只、気掛かりなのは、あくまでも自分で選ばなければならないということです。
相談する。自分の仕事仕様や希望は、相手に伝わってはいません。モノの価格でしかないのです。


「○○さんの好きな、イイ魚が入ったョ」これが、商店街の鮮魚店のおやじの呼び込みでした。

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