三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 7月31日 消耗部品・維持部品

2016-07-31 | メンテナンスお気楽日記
「機料店」の売り上げが、極端に落ち込んでいます。客先の減少を考慮すれば、当然の数字。
ところが、それ以上に、取引先からの注文依頼自体が、少ないとも聞いている。

と、いう事は、稼働中の工場からも「注文」が無く、又は、縮小注文に抑えられている。
単純に考えれば、「経費節減」のために、ギリギリまで使おうとの「魂胆」と考えてしまう。

で、クレームが発生すれば、とりもなおさず、交換部品集めを急がされる、のも現状です。
もちろん、クレーム原因が何であるか、どうすれば良いか、工場主自身もよく理解もしている。


じゃ、なぜ、メンテナンス(保守・点検)出来ないのか、しないのか?
それは、時間(仕事)に追われる環境と、人員不足が原因と感じています。

どの工場に行っても、工場主(工場長)とゆっくり懇談、茶飲み話の時間なんてのもない。
指示された作業をし、確認してもらえばサッサと帰り支度。工場主はお仕事中です。

もっとハッキリ言わせてもらえば、事故が起こるまで、気付かないかも知れない。

音や匂いで機械の異常を感じれば、まだ救いの道はある。ところが、撚りムラやケバは
普段通りの作業から、仕上げ段階で発見される。検品を怠り、発送してしまえば、大ごとでは済まない。

機械操作に携わっていれば、何が消耗部品で、何を交換しなければ、も当然解ってはいる。

でも、目が届かない。確かに糸道(キズ)はガイドの裏側にできる、ワッシャーの内側にできる。
確認する、裏返しにする「ひと手間」が出来ない。おろそかにもなる。


工場主にそれを求めるのも、酷な事かもしれない。本来ならば、女工さんが保全係が報告しなければ
ならない事案。経費節減の一番槍が、人員カットでは無理からぬ事かも知れない。


しかし、「仕事」となれば、そんな「言い訳」はいっさい通用しない。
おろそかになる手間であれば、それを「スケジュール」として行動しなければならない。
その事が「自信」であり、「信用」でもあると思う。


最後に「機械維持費」が「加工料」に含まれていない?含まれない?話も、そこいらじゅうで聞く。
オカシイと思うのか?厳しいと思うのか・・・・・・機械維持費は生活維持費に消えるそうです?

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メンテお気楽日記 7月30日 伝統産業施設 保存?事業

2016-07-30 | メンテナンスお気楽日記
今日は、大それたことを書くかも知れません。まだモヤモヤとした気持ちでしかないのだが・・

目に見えて、繊維産業施設の廃業が続いています。一言で「時代の流れ」と言ってしまえばお終いだが、
撚糸工場から、幾多の繊維加工機が搬出され、ガラーンとした建物を見れば、虚しくなってしまう。

まだ搬出業者が運送会社であれば、望み?もあるが、大半は解体業者のトラックです。
工場の歴史が消えてしまう事自体も大ごとだが、産業機械の姿もいっしょに消え去るのです。

その事は、加工技術の低下・衰退を招き、加工技術の伝承のチャンスさえ奪ってしまう。
後継産業は、また一から学ぶこととなる。ボタン操作では、出来ない事の方があきらかに多い。



「産業施設を残したい、伝統産業として技術の伝承の場として」それも無理の多い事実です。
まず、工場は工場主の生活の場でもある。「車を入れたいから、機械をなんとか・・」何度も聞いた。

「富岡製糸所」の様に観光客?が来る訳でもない。工場として維持?するだけでも「経費」が掛かる。
税金や電気代だけでは収まらない。はっきり言って儲からないから廃業。仕事をしても儲からない。

政府の「産業支援基金」これも「お金をやるから何とかしろ」まさに、お役人の投げ捨て支援?
ヘリコプターからモミを巻く、育った稲は汗を流して刈らなければならない、楽を出来るのは大手の
大型コンバインだけ。


商社の撚糸工場支援事業?にも、厳しい話が聞こえて来ました。
若手の研修期間が終われば、設備費(中古)を立て替えて、個人経営の工場としての取引きです。
工賃が上がるとか、仕事を増やすという話もなく、取引き補償だけでは、現状と何ら変わりない?


まだ商社は「設備がなければ生き残れない」と解っているだけ良しとしよう。
お金さえバラ蒔けば産業育成?そんなものスグに無くなる。誰かが言ってた「貧乏人にお金を渡しても・・」

産業を維持し、継続、技術を伝承する為には、工場が必要です。加工機械が必要です。
触れてこその伝承であり、技術です。本や画像では伝えることは出来ない。畑がなければ作物は育たない。

そのために今する事、しなければならない「支援」のカタチもあると思う。
それを、あれこれと提案する気もないが、何を残すために、何をしなければいけないのか考える時間も少ない

このままでは、世界遺産?〇〇遺産になってしまう。それだけはカンベンして欲しい。

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メンテお気楽日記 7月29日 卓上カバーリング機?

2016-07-29 | メンテナンスお気楽日記
「卓上ワインダー」があれば、当然「卓上撚糸機」や「卓上編み機」ってのもある。

企業の事務所や研究室用に要望開発された機種だが、最近は工房さん?からの問い合わせが多くなった。
自分で「糸づくり」から関わりたい要望だが、産業現場の機械では、取り合ってもらえない。

先月は「家庭用撚糸機」なんてのも送られて来た。手回しでは生産性が追いつかないのでモーター駆動に
して欲しいとの事。これまでも、工房用?のカセ揚げ器や座繰り器まで、変速モーターを組み込んだ。


卓上撚糸機はリング撚糸方式が主流だが、絹糸工房をしている方からは「イタリー撚糸機でなければ、風合いが
出せない」と相談され、わざわざ綾部から北陸の廃業工場へイタリー撚糸機の部品調達に来られた事もあった。

今度は「カバーリング機」の問い合わせ?です。最初から自分で作る?予定で、部品調達のお世話をして欲しい
との依頼です。ところが、職人仲間?に聞けば聞くほど、奥の深い、部品集めになりそうです。

いくら畑違いの機械でも、職人仲間の処に行けば、それなりの?中古部品として調達する事は出来ます。
ところが、専門職ゆえに選択が難しい。「糸種は?ボビンサイズは?送りは?シングル?ダブル?」

「???、糸に糸を巻き付ける、ごく一般的な仕様の・・・」なにをどう説明していいのかも解らない。
一般仕様なんてのも無いそうです。糸が決まり仕事が決まっての、機械仕様で、部品も変わってくる。


言われれば、その通りで、自分に「ワインダーを下さい」って言われても、困ってしまう。
どんな糸を、どんな形からどんな風に巻きたいのか?錘数は?巻き量は?変速は?リボン対策・ワックス使用?
聞かなければいけない事がいっぱいある。で、なかったら動き様もない。

ものづくり、機械づくりは「目的」がなければ、形が見えてこない。目的があればこそ、方法も対策もある。
よく「素人考え」なんて言うけれど、それは、プロにどれだけ説明するか(出来るか)によって、大化けもする。

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メンテお気楽日記 7月27日 メンテナンス

2016-07-27 | メンテナンスお気楽日記
「メンテナンス」とは名ばかりで、大半(90%以上)は故障が起きてからの依頼です。
どうにもならなくなって、どうにかならないか?と電話(お呼び)がかかります。

企業にも、工場長はいるものの、生産管理がお仕事です。機械管理は「整備士」のお仕事。でした。
その、整備士(保全係)って役割が、まずいない。若手はもちろんのこと、定年の再就職者であっても
、生産現場の作業に追われている。

油壷をもって、機械の音や匂いに気を配り、工場内をウロウロ? もう夢物語の骨とう価値?
「保守・点検」があったこそ、30年40年と機械が維持できたのは、歴然たる事実です。

あと、10年いや5年で、機械は寿命?を迎えます。「修理・整備」の人員・技術がありません。
機械がおおきく破損しても、交換部品もありません。もちろん、国内での機械生産もない。

海外輸入に道を探る人もいます。でも、大きなリスクをかかえる事も事実なのです。
その事は「すべてが、無くなるワケはない」との、言い訳にすらなっている。


メンテナンスは「都合のいい」人間でしか出来ない。
そりゃそうでしょ、機械が壊れた時、何か問題があった時だけ、お呼びをかければ良い。

あまり入り浸りになる事は、生産現場が止まり、尚且つ、経費も掛かるという事です。
「便りがないのが元気のあかし」メンテも「お呼びがないのは正常のあかし」です。

メンテナンスは、よほどの事がない限り、苦情を聞くことはありません。お客さんのために
一生懸命に仕事をするからです。お客さんの出来ない仕事をするからです。

その事が「良い人」しいては「都合のいい人」と捉えがちになります。
「こんな機械・部品を探して欲しい」「こんな事出来ないかな?」「どうしたらイイかな?」

それはもう「機料店」の範疇です。でも、都合のいい人は答えます。教えます。
それは、商売抜きの情報として、客先にとって「都合のいい人間」でしかない。


「修理・整備」って、英語ではなんて言うんだろう。あまり聞いた事もない。

            PS・暑い! 写真は17才で逝った遺影です。次も柴犬が希望です。

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メンテお気楽日記 7月25日 オニ綾防止装置(リボンブレーカー)

2016-07-26 | メンテナンスお気楽日記
今日は「オニ綾防止装置」の話です。オニ綾とは、巻き玉に発生する「帯状の綾跡」で、巻き糸が重なり
ハチ巻きを巻いた様な形態になります。それを「リボン巻き」とも言い、不良巻きです。

弊害は、糸の重なりのため接触面が一点に集中し、「糸のへたり」が発生します。又、巻き玉解除の際
糸の重なりのため、「ズボ抜け」解除の原因ともなります。

発生原因は、巻き糸径が、トラバースドラムの直径と一対一・一対二になった際、ドラム溝の位置と同調し
ドラム溝と同じ個所に、ハチ巻き状の綾目が集中して出来ます。1㎏巻きの場合、約2回発生します。

ドラムトラバースで巻き糸を加工する際は、避けられない現象の一つです。


対策の一つとして「スリップ方法」があります。これはツインタイマーを使用して、モーターの動きを
ON・OFFを繰り返し、ドラムと巻き玉の綾目にスリップを発生させる方法です。

綾糸の同調期を拡散させるのが目的で、OFF時間(一秒?)の設定が調整ポイントとなります。
以前は、女工さんの目と動作で対応していたが、今は、機械まかせが必然機器となっています。


今、なぜ、こんな記事を書かなきゃいけないのか?それは、作業工場の変化です。
当然の?技術が「伝承」されずに、機械だけが設備として移動します。教えを乞う環境がないのです。

「機械があれば仕事ができる」なんて事もゼッタイありません。それを使いこなす「人間」が必要です。
たとえ、ボタン操作であろうと、タイミング・確認・見極めは人間でしか出来ないのです。

「技術の伝承」があればこそ、機械は機械としての働きを発揮します。使いこなしての機械です。


リボンブレーカーに話をもどします。以前はモーターのON・OFFをマグネットスィッチで操作していました。
その為、接点摩耗の寿命があり、動作騒音もありました。それがソリッドステート(無接点リレー)を使う事に
よって、長寿命と静音作業が実現しました。

「技術の発展」とは、そういうことです。問題を一つ一つ解決していくのが、人間の知恵でしか出来ない。
20年前10万以上といわれた機器が、2万3万で解決。これも人間の知識です。

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