三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 1月10日 重力とかたむき

2018-01-25 | メンテナンスお気楽日記
何年かブリの「大雪」です。でも、北陸?では各家に「ママさんダンプ」や「雪スコ」があるので、
すぐに対応できます。わが家のスノーダンプなんて、もう十ン年ものです。

ひさしぶりの大雪で困ったのは、長靴のスパッツが劣化していました。いくら長靴でも、新雪の中を
進めば、靴の中に雪が入ります。これが後々大変なのです。ビニール部がバリバリでした。

朝の半日は「雪かき」についやされるが、この後、仕事に出かけるのが、また大変なのです。
それは、客先での「駐車場確保」です。まず、職人のためにワザワザ雪かきしてある処はありません。


その点、白峰や五箇山の山間部の出張の方が、意外とラクなのです。幹線道路はスキー場へのアクセスの
ため、除雪が優先されている。そして、何より、山間部の生活自体が雪対応が充実している。

湧き水を道路にあふれさせ、傾斜を利用して道の方へ水を流す、雪は積もる前に消えてしまいます。
流れのコントロールは、薄い板で自在に変えることが出来る。雪のない時には、ため池?には鯉が泳ぎ、
客をもてなす料理にともなります。日々の野菜や農機具の洗浄にも、便利な生活設備です。

もちろん、雪国には道路融雪装置が設備されていて、新しいバイパス道路より、旧市街地のほうが走り易い
という知識というか、常識?もあります。水を利用するためには、かたむきを考慮します。


「かたむき」で糸編の話をすると、同じ工場で作った糸が、一方の整経屋さんからクレームが来た事があった
綾ズレが発生して、仕事にならないと言う。もちろん、同じ糸、同じ撚り数です。

この場合、事故工場の自然環境の差は考えにくい、技術の差と言ってしまえば事は簡単なのだが、やはり
違いの差?を見つけなければならない。出来る工場では、ごく当然の?事なので、目にとまりにくい。

気付いたのは、ペッグ芯棒の先に付いているボルトの頭?この事によって、チーズ紙管に傾きが出来る。
この何度かの傾きが、糸の重力に影響する。傾き給糸で試験巻きしたら、問題なく作業が終わってしまった。

この様に、解ってしまえば、見てしまえば「何だ、こんな事か!」ってのが、要領であり技術です。

白峰の融雪装置。都会?では「穴あきホース」として売られているが、水の流れ、傾きがあってこそ
効果が発揮できる。経費を掛ければ何とかなる世の中だが、案外、昔の生活の中に、ヒントはある。


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メンテお気楽日記 1月16日 贅沢な?機械

2018-01-17 | メンテナンスお気楽日記
バブル景気と言えば、1990年頃だったと思うが、繊維機械もその頃がピークだった。

張力漸減装置(デクリーズ機構)やオニ綾分散装置(ツー&フォー)等が当たり前の様に機台に組み込まれ
全自動ワインダーってのも開発された。紙管が自動で補給され、勝手に?糸を巻く、定量になれば、糸を切り
ベルトコンベヤーで定位置に、すべて人手無しの作業ができる。窓のない工場すらあった。

「作れば売れる」と言うよりも、「金に糸目を付けぬ」開発が可能だった。客先から「こんなコト出来ないか
?」なんて言われれば、何でも作ってしまう。日本の知恵と技術には、今更ながら驚嘆する。


ところが、知っての通り、バブル崩壊も早かった。せっかく作った新規開発機械も1号機・2号機でストップ。
試作とは言わないまでも、機械は「数」を作ってこそ、使ってこそ、「完成品」となる。

客先での、使い勝手と、材料の選択の繰り返しによって「定番機械」が完成されてきた。それがバブルが翻弄され
開発機どころの話では無い。ワインダーメーカー自体が休業・廃業に追い込まれる事態となった。

当然、機械は部品の集結です。メーカーの看板だけでは製品は完成しません。下請け工場・部品工場があっての
製品のカタチを成す。下請け工場・加工職人がいなくなれば、行き着く先は目に見えている。

売れるから作る。儲かるから仕事。儲からない仕事は誰もしたくない。いや出来ないのが本音です。
部品工場をはじめ、繊維加工工場。今、大変なことになってます。さあ、どうするのか?どうなるのか?


話がドンドンずれていく。定番機械を作らなく?なって、もう30年近くなっています。
いくら、需要があっても、作ってない機械の中古情報なんて、それこそ「お宝探し」です。

で、今回の依頼は「丸編みネット機の試験機」です。染色工場での内層・外層の色の差を確認する為などに
「編み検査」としての需要です。得意分野ではないが、どの工場の片隅に何があった覚えています。

さっそく交渉し、譲ってもらう事になり、専門職人に整備を依頼しました。ところが、職人が驚くほどの
「贅沢な機械」との事でした。製造は1997年。まだまだメーカーに馬力のある時期の製品でした。

21色の糸口を1本(色)にして、納品します。せっかくの部品や装置を取り外しての改造です。
「田舎道をベンツで走る様なものだ」でも、軽トラが無ければ、歩いて畑に行かなければならない。

「適材適所」それが道具選び・機器選びの基本だが、繊維機械の中古情報に際しては、限りなく厳しい。


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メンテお気楽日記 1月4日 起爆剤!

2018-01-09 | メンテナンスお気楽日記
正直言って「羨ましい」かった。そして、嬉しかった。

新聞記事に知人の顔を見つけ、「おっ!」記事を読む。仕事がらみの話題だから、自分事のように誇らしい。
やはり、自分の知ってる人が、ガンバッテいるニュースが出れば、直接応援出来なくとも、嬉しくはなる。


内容は「炭素繊維」。けっこう興味もある素材でもあったし、各社からの関わりも何度かあった。

十年以上前、能登の工場で初めて見た素材は「糸」では無かった。ドラムで巻けばパキパキ折れた。
目的も、産業繊維素材というよりも、建設資材としての開発だったと聞いていた。

その後も、分割ワインダーやカバーリング加工など、色々の試行錯誤が持ち込まれたが、平織り織機や
ブレーダーが開発されたことによって、生地素材・パイプ素材としての特質が、特化されてきた。

航空機や自動車フレームに至っては、もう「糸素材」ではない。シートやベルトの話でもない。
金沢の工業試験所にも、開発施設が出来た時も見学に行ったが、もう別世界の素材と感じてしまった。

京都でレピア織機での加工も耳に入ったが、それほど興味も湧かなかった。
それが同じ市内でのニット化なると、話は別です。興味深々。給糸形状は?屈折角度は?


正直なところ、現在マンネリ感とも違うが、仕事意欲が薄れています。目先の事しか出来ていない。
自分から、「興味とお節介」がなくなれば、タダのおっさんです。「手間仕事」も意欲が湧かない。

「やる気スィッチ」が見つからないまま、修理屋さん稼業。言われた事だけ。

だから「羨ましい」って言った。「どうすれば、どうなる」こんな羨ましい仕事はない。
考える事は前進、前を向くってことです。興味があるからこそ、仕事を楽しめる。

そんな、やる気スィッチ、背中を押して欲しかった。この新聞記事が何かに火をつけてくれれば良いが・・

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メンテお気楽日記 1月3日 退院許可

2018-01-04 | メンテナンスお気楽日記
「退院許可」が頂けたということは、体の方は、もう大丈夫という事ですね。
ところが、やっかいな「おまけ」が付いてきて、なかなか、元通りという訳にはいかない。

それは「やる気」というか、気力維持が続かない。身体が動かないと言うよりも、
「後でもイイか」という、言い訳以上の、やる気無し。

「病気だから」も言い訳でしかない、正月休みのぐ~たら生活が家や仕事にまで輪を掛ける。


そりゃそうだ、入院生活なんて「究極のぐ~たら生活」

病院内のホカホカ環境はもちろんのこと、揚げ膳据え膳に、下の世話まで他人まかせ。
身体の「点滴管」こそ無ければ、それこそ「殿様生活」 これが半月続いてしまった。

「出来ない事」から「やる事がない」もどかしさに気付いても、抜け出せないのが入院生活。
今まで他人事のように聞いていた、廃業工場のグチが、そのまま自分の処に来た感じ。

「定年退職も同じだが、廃業も身体の持っていく場所がない」それこそ、用もないのに院内をウロウロ。
ブログも何回か書いてはみたが、中途半端で次の文章が出て来ない。おっくうになりアップも出来ない。

以前、お坊さんから「極楽浄土なんて、無い。極楽へ行きたい気持ち、心掛けが修行であり宗教だ」なんて
聞いたことがあるが、その時は「坊主丸儲け、サギ商売」じゃないかと思ったが、

確かに、竜宮城とは言わないまでも、温泉センターで美味しい食事に、きれいなお姉さんの踊り、そして
温泉三昧が出来たとしても、はたして、何日もつかって事です。贅沢は一瞬だから価値がある。


と、言う訳で「人間、不満があるからこそ、泣いたり笑ったり出来る」って事を悟り?ました。
もっと言えば、ものづくりにしても、金儲けにしても、不満があるからこそエネルギーとなる。

「欲」の無い人、仙人でも聖人でもなんでもない。ただのボーっとしたおっさんでしかない。

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