三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 7月29日 ばあちゃんのベビーパウダー(天花粉)

2017-07-31 | メンテナンスお気楽日記
ワインダー機の上に、「天花粉」の丸い箱が乗ってます。パフは直ぐに使えるようむき出しです。

ばあちゃんしか?いない、カセ繰り外注工場の風景です。孫はもうとっくに成人していて
ベビーパウダーの必要ないと考えられるが、ベビーパウダーはばあちゃんの必需品です。


染色工場から持ち込まれたパッケージを開け、レーヨンのカセ糸を出します。それを、両手でパン、パンと
伸ばす様にして、カセさばき棒に、何カセか掛けます。カセ輪に糸を掛けるための準備工程です。

ばあちゃんはもう力がないので、カセさばき棒で糸を伸ばす際は、友達に作ってもらった漆塗り?の張り棒を
使っています。塩ビ管では静電気が起きて、糸が絡まったり分離してしまう。


外注(内職)工場にクーラー設備があることは、まず無い。あったとしても狭い作業場では、風の流れが、
作業の妨げになる。扇風機ぐらいは欲しいところだが、「強」にすれば、準備の際、糸が流れてしまう。

で、ばあちゃん達は、額に汗し、タオルで汗を拭きながらの作業。しなびたオッパイの下にも汗をかく。
当然、手にも汗は出るが、これが糸とくっつけば作業がやりづらい。で、ベビーパウダーです。

汗を拭いたあと、パフをポンポン。サラサラの肌?で糸の処理をします。元々のしわしわは別として、
糸離れを良くしないと、作業がはかどりません。糸に天花粉が付いたとしても天然素材だし、効果もある。

ついでと言ったら何だが、額の汗止めとしてもポンポン。オシロイお化け?と化す訳だが、そこは誰も見ていない。
下請けの気楽さだが、若い?後継者がいるかと言えば、まず、誰もしたがらないだろう。

昔は?外に出れば、服もいる、化粧代もいると言って、内職仕事を望んだ人もいたが、今は化粧も服も普段から。
夏は汗だく、冬はストーブにかじり付く作業環境では、二の足を踏んでしまう。パート仕事でも好環境でン万円。

じゃ、それなりの?工賃が頂けるかと言えば、これまた厳しい「孫のこずかい稼ぎ」が正直なところ。

義母の面倒を見るため外仕事に出れない奥さんに、ワインダー機を設備した事があります。
ワインダーの回転スピードを決める前に、カセ輪が準備出来ません。カセ糸の裏表、糸口に端糸。教えても
実際、自分の手で覚え(慣れ)なければ、作業にはなりません。何とか使いこなすまで、半年が掛かった。


カセ染糸をコーンアップする作業は必要な仕事です。誰でも出来るかといえば、難しい仕事です。
慣れるのが一番だが、そこにはコツやポイントがあります。それを伝えていく事が重要でもある。

以前、カセ揚げ機の問い合わせでした。「綴じ糸は出来ますか?」って聞いたら「綴じ糸って何ですか?」でした。

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メンテお気楽日記 7月15日 理想と本音

2017-07-15 | メンテナンスお気楽日記
朝、犬といっしょに町内を歩きます。朝はまだ清々しいので、気持ちがいいです。
田んぼのあぜ道も散歩コースです。稲は今、青々として育ち盛りの生命感すら感じる。

ところが、あぜ道は「黄色」です。除草剤による刈草対策です。散布した処と散布前?の処では、
パッチワークの様に色が違います。除草剤効果を認識するには、充分の景色です。

感心するのは?田んぼの稲は青々としているのに、30センチ横のあぜ道の草は黄色く枯れています。
JAの技術開発か技術指導によるテクニックがあると思うが、稲に掛かれば、当然枯れてしまう。


除草剤に関しては、ホームセンターやドラッグストアでよく見かけます。その量は半端ない。
売り場コーナーとして山積みにされています。と言う事は、売れている。需要があると言う事です。

一般家庭はもちろんのこと、工場内敷地においても、人手による草刈りは難しいと感じます。
はっきり言って、草刈りの時間が取れません。だから、おいおい除草剤頼りになるのも理解できる。

もちろん、青々とした自然が好きな人もいれば、無農薬栽培にこだわっている農家さんだっている。
しかし、現実には厳しい状況であることも確か。虫の嫌いな人からは、身勝手とさえ言われる。


撚糸屋さんの話をします。撚糸屋さんの元は農家だった処が多い。儲かるゾ!の話に畑を何枚か潰し
工場を建てました。今だに何枚かの畑は残ってはいるが、その管理がまた大変です。

草ぼうぼうになっていれば、近所から苦情がきます。除草剤処理が続けば、農地として認めてもらえない。
作りたくもない?野菜を作り露地栽培として維持します。旬になれば「三筋、カボチャいるか?」が始まる。


この季節、気になるというか、可哀そうに感じる風景があります。小学生の自然観察の学習シーズンです。
学校で習った事柄を、タモアミを片手にあぜ道を探し回っています。低学年は親まで動員されます。

昔話をすると笑われるかも知れないが、今、あぜ道の側溝を見ても、生き物や魚の姿は貴重品?です。
コンクリートの側溝をアミですくう姿は異様にすら感じる。でも、今の小学生にとっては当たり前の行為。

今、水生生物を見つける為には、ビオトープという人間が作った環境が必要です。正に動物園と同じです。
自然を理想とするならば、それは人間が作った自然?でしかない。

本当の自然とは、やっかいで手に負えないのが自然です。草ぼうぼうはおろか、山は崩れ、川は氾濫する。
それを、人間が都合よく作り変えてしまったのが、今の自然?です。

デパートやスーパーにカブトムシ。ペットショップにゲンゴロウ・水カマキリ。値札が付いています。

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メンテお気楽日記 7月13日 工場機械争奪戦

2017-07-13 | メンテナンスお気楽日記
あるワインダー巻きの外注工場が、廃業?しました。
早々に親方企業から、他の委託工場の紹介と機械移設の問い合わせ連絡が入った。

でも、正直本当に委託工場なんて、紹介できる現状ではありません。現在、稼働してる工場も
おばちゃん一人で手いっぱいの状態です。機械を増やしたり、人を頼む様な状況ではない。

なにより、おばちゃん自身も、いつ辞めてもおかしくないないのも現状です。
と言って、若手?が外注賃だけで生活できる状況でもなく、おいおい企業パートを選んでしまう。


対応策としての「企業内設備」も当然の流れとも言えるが、すべての企業が対応できる訳でもない。
大半の工場は、自社設備でいっぱいいっぱい。それに、人員もギリギリのところが多い。

「掛け持ち作業」といっても、外注工場が昼夜を問わずやっていた仕事を、片手間?に行えるハズもない。
機械があっても工場(設置場所)がない、工場があっても女工さんがいないのが、現状です。

企業にとっては一番の問題は、その設備がなければ、製品が作れない、納品出来ないとでもある。
「今さら」と言っても遅いが、後継者に魅力なない仕事にしてしまった責任は大きい。


ところが、その外注設備も問題です。外注工場の場合は「貸し出し設備」ではなく「自家設備」が多い。
辞めるとなると、外注さんから「売れるかな?」の連絡が入ります。少しでも高く処分したいのが本音。

親方は青くなります。新たに設備をしようとすれば、買値は売値の倍と考えてよい。チャンスは売値。
何としても、機械を押さえたいが、場所がない、人がいない。対応にも、それなりの時間が掛かります。

そんな時に限って?県外からの問い合わせも入ります。自分の本音としても、目の届く処には置きたい。
県外に出てしまえば、一時の利益。メンテナンスならば、たとえVベルト一本でも、なが~いお付き合い。

親方の様子をうかがいながら、県外販売店との板挟み。あせっても、どうにも動けない「もどかしさ」

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メンテお気楽日記 7月12日 デフレ工料?

2017-07-12 | メンテナンスお気楽日記
自分の事はサテおいても、家内工場状態?の加工賃は安過ぎます。それが、当然の様な感もある。

それは、一人分家族分の食い扶ちが稼げれば、何とか生活出来るという「あきらめ工料」です。

そこには、機械整備費もなければ、開発費や研究費、設備費なんてのも、もちろん入っていない。
一番、懸念されるのは「設備維持費」まで、生活費に回されているという事です。

様は、儲けが工場維持費と生活費で消えてしまい、利益が蓄積されない、出来ないという事です。


「安ければ、売れる」それは誰もが考える事だが、生産者にとっては「儲けを削る」ことでもある、。
ここで、デフレスパイラルの講義?なんてする気もないが、生産者は、イコール消費者でもある。

「安ければ 売れる」は、あくまでも販売者の理論?であって、生産者にとって大切な「こだわり」や
「必要だから作る」がないがしろにされている。いったい誰のために作っているのか?

厳しい戯れ話がある「貧乏人の、貧乏人による、貧乏人のためのモノづくり」こうは、なりたくない。


誰かが「インフレになれば、経済は回る」と言った。違うような気もする。お金は滞る。溢れなければ
次の水槽には流れてこない。田んぼの水争いでもないが、下流はいつまで待てばよいのか?

今、必要なのは「モノの価値を認識すること」と思います。スーツ¥4,800なんてもってのほかです。
3万円4万円のスーツが着たいからこそ、人は働き、儲けようとするのだろうとも思います。

おにぎりを100円で売れば、多くの人が買うと思います。数が売れれば販売店?はそれなりの儲け。
しかし、お米は?海苔は?使用量や生産原価はあまり変わらない。でも、安く提供するためには・・・・


正直、自分の仕事は忙しいです。毎日飛び回っています。頼まれば、まず、断わる事はない。
誰かが言ったが「合わない仕事は断らなければ、客のためにも中途半端な仕事になってしまう。」

こうも言われた「三筋ばかり頼るのは、客にとって都合がいい?からで、三筋でなければって事でもない」
「都合がよい」 商社にとって外注工場は都合よい?と同じで、客にとっての都合がよい?やはり工料?

なんだかんだ言ってはいるが、自分が一番「デフレ工料」の源なのか?サア、工料を上げるゾ!なんて。
簡単にできれば、みんな苦労はしないョ。

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メンテお気楽日記 7月11日 ヤーンセンサー・スィッチ

2017-07-11 | メンテナンスお気楽日記
さっそくの問い合わせでした「ヤーンセンサーって何ですか?」です。

「糸がピンと張っている時、糸がセンサーガイド内を走って?いる時、マイクロスイッチのガイドがONに
 なる装置です。糸が無くなればOFFになり、モーターなどを自動停止させることができます」


言ってみれば、繊維産業等で使われる「専用部品」ですが、他にも、糸道ガイド(梨地・アルミナ)など
多種多様あります。ワッシヤーやパイプ、ローラーの他、テンション装置やセンサー装置もあります。

カタログにしたら一冊では収まらない種類があります(ありました?)各繊維機械メーカーが
機械のため、糸のため開発した部品等です。もちろん「ガイド専門メーカー」もあり、併用も可能です。


どこに何を使う。設計者の頭の中で構成されるが、その為には「知識と経験」が必要とされます。
まず、ガイドの種類・特質。装置の効果。そして、仕事仕様に合った部品として選びます。

「ああしたい。こうしたい。」客先の要望や、自社開発の装置に、何をどう使うか?
何も難しく考える必要もない。知識があれば、組み合わせるだけ。知恵があれば、改良もできる。


インバーター装置なんて最たる装置です「糸に合った加工スピードを簡単に?選びたい」でも、
「Vベルト交換していたら、手は汚れるし、時間も取られる」で、ダイヤル一つで操作出来ます。

「急に糸を引っ張れば切れてしまう、急に止まれば糸が絡まる」で、スロースタート・スローストップ
「女工さんがボタンを押し間違えた」で、外部運転モードで、スタートスィッチとボリュームダイヤルだけ。

もちろん、電気配線の知識も必要となる。しかし、アナログ思考があれば充分対応もできる。
どこにどう電気が通れば、どう装置が作動するか?機械の伝達動作と同じです。観察することが大切です。


人間も機械も、もちろん自然も「観察すること」が大切です。それが、知識と経験となり、知恵が生まれます。
お医者様は、診察することから治療が始まり、メンテナンスも機械を見ることからお仕事が始まります。
自然観察の大切さは、今回の災害で再確認しなければならない事例です。命にかかわる事でもある。

恋だって、相手を観察することから始まる。それが、正解か、間違いだったかは、・・・・神のみぞ知る。

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