三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 1月30日 貧乏ヒマなし

2015-01-30 | メンテナンスお気楽日記
ア~ッいそがしい、いそがしい。ギリギリ段取りで、体がいくらあっても追っかない。

確かに、客先も増えた。売り上げも多くなった。でも相変わらず支払には追い回される。
様は、儲かっていないのが現実らしい?これだけ飛び回っているのにオカシイ話。

儲からないお世話ばかりに時間を費やし、工料や販売価格が安ければ当然の結果かもしれない。

中古の機械や部品にしたって、まず情報を探し、話をまとめる。それだけでは終わるハズもない。
移設の段取り、整備の確認、客先ですぐ仕事ができるようにする為には、しなければならない事が多い。

改造や仕事方法のアドバイスなら、まだマシで「じゃ、作ってくれるかナ」となると話が違ってくる。
今現在も、3錘のワインダー2台、1錘機のワインダー、2錘機の改造を抱えている。これに
残糸整理用の綛揚げ処理機も2台受け取ってしまった?

みんな小型機ばかりだから、自分が手間をかければ何とでもなるとの安請け合い。

でも、それは時間があって出来ることで、本業であるメンテ(修理依頼)の片手間とはいかない。
メンテだって、仕事に入る前の段取りや部品準備も必要で時間も費やす。

注文を受ければ、納品しなければならない。形のあるものなら右から左へハィどうぞ!で終わるが、
なんせ、形のないモノから作っての、納品となると手間仕事も半端ナイ。時間も足らない。

部品を集めて整備して組み付ける。そんな簡単なモノじゃないョ。

一台一台、客先の仕事・仕様を確認して、一番ベストの機械を提供する。その為には
部品選びだけでなく、インバーターやタイマーの必要となる。これも自分でやってしまう。

器用貧乏と言うよりは、客先のサイフまで心配してしまう「お人好し性格」にあるらしい?

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メンテお気楽日記 1月24日 水のチカラ

2015-01-23 | メンテナンスお気楽日記
レーヨンとエステルの合わせ撚糸、撚りは1600TW。機能性繊維です。
ところが、これがクセもので、巻き返しの際、ビリが強くてまともに揚がりはしない。

もっと悪い条件は、何軒かの工場から断られて回りまわって、自分の客先工場へ持ち込まれた。
当初、そのことを知らないままでの試捲き。ビリ止めどころかズボ抜けでゴチャゴチャ!

いくら、梨地棒での屈折ガイド・テグスのビリ押さえ・スプリングテンサーを使っても、
給糸(先染めソフトチーズ捲き)の状態で糸がからみ、ズボ抜けが発生する。

商社担当と連絡し、糸の特長を確認するつもりだったが、返ってきた答えが、ビリ発生で
何軒かの工場からのお断り返品された問題糸だった。となると別の視線での答えが見えてきた。


たらい回しで時間が経ち過ぎた「超乾燥糸状態」。糸の湿度が無くなりパラパラのサラサラ。
湿度があれば、糸が滑らかになり落ちつくハズ。ところがパラパラのソフト捲きでは糸口も出ない

取りあえず、霧吹きスプレーで糸を湿らし時間を待つ。外層は効果が期待できるだろうが、
内層となると、捲いてみないと解らない。50dで尚且つスピードを落としての作業だから
750gの試験捲きには4時間以上かかる。ボケ~ッと見ている訳にもいかない。

次の現場では、電話連絡があってもどうする事も出来ないが、とりあえず工場に任すしかない。
その後、電話連絡もなく、再度訪ねた時には最後まで捲き上がっていた。結果オーライか?

途中観察を聞けば、何度かテンションウェイトが踊ったと言う。ビリの捲き込みの可能性あり。
ビリ止め装置は必要だが、巻き返し作業は最後まで問題はなかったとの事。

後は、糸にいかにして湿度を補給するか?水浸しにすれば、機械にも後の行程にも問題がでる
可能性がある。スプレー効果は即効性とその場限りの対策でしかない(静電気にも効果あり)

解決ヒントは、撚糸屋さんのシリンダー保管方法にあるかもしれない?
シリンダー糸セット後、ケースに濡れ毛布を掛けて乾燥を防ぎ湿度を保ったまま次の行程へ。

そんな方法が取れれば、作業は安定するハズだ。さあ、考えてみよう。

ともあれ、糸作業には湿度が必要だと言う基本すら忘れかけている。
どんな作業ですら、コツや使い勝手はある。でも見えもしないし、教えてももらえない。

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メンテお気楽日記 1月14日 ○○は突然に!節取り装置

2015-01-14 | メンテナンスお気楽日記
    

去年の暮、福井の販売店からの依頼で、糸繰り機に「節取り装置」を取り付けました。

超旧型で糸をカットしても、ストップ機構もついていない機台だったので、さぞ、使い勝手が
悪かろうと心配していました。感度も最低にして大節にだけ対応すれば良いとのこと。

北陸の絹撚糸屋さんで使っていた装置ですから、小節やズル節があれば約5㎝過ぎで糸をカットします。
当然、糸をカットするということは、節を取り除いてからのつなぎ作業が必要となり、人手が必要です。

ワインダー工賃で言えば、合繊の約4倍の経費が相場。何と言っても人件費が掛かる仕事です。
そのため外注や工員さんを雇うことが難しく、家族作業では生産高は限られてしまいます。

それを工房でしようとするのですから、ワインダー行程になれば、織機に手が回るハズも無い。
極めて効率の悪い作業となると、自分では勝手に決め込んでいました。


ところが今日の依頼は「同業仲間も興味があるから、説明に来て欲しい」って事です。

本業のワインダー自体も「機屋さん」には馴染みがなく、これまでは?糸は買うだけで、外注や
小割業者への委託だったが、自家生産でしか糸が手に入らない状態になってきた。

だから、話があっても3錘や6錘の機械で充分。糸の分割作業専門機の要望でしかなかった。
「節取り装置」なんぞは、あることも知らず、節があれば織機は止まるものと決め込んでいた。

手間は手間だが、織機でトラブルより、余程効率がイイらしい?この点についてはまだ理解出来てない。

ともあれ、絹撚糸屋さんで使用していた機器が、短繊維の風綿対策や、合繊の不良事故処理など
異業種での利用価値が見いだされ、中古器の安さにも増して、設備として必要とされた。

いくら自分が当たり前の装置だと思っていても、まだまだ知らない人もいるのだと反省する。

でも、本来は外注工場や下請け工場がその仕事で生計出来なければイケないのだが・・・
重ねて言う。専門工員がいなくなれば、糸の品質には不安が付きまとう。より一層の目配りが必要。

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メンテお気楽日記 1月5日 仕事始め、道具への感謝?

2015-01-06 | メンテナンスお気楽日記
年頭から、昔話はしたくないのだが、今年も染色工場からのワインダーメンテ依頼は無かった。

毎年、仕事始めは、染色工場の外注ワインダー工場の60錘機のメンテからと決まっていた?
原因も決まっていて、暮れに機械の清掃を終え、ベアリングにもグリースを入れるのが原因。

正月休みが終わり、いざ仕事始めでスイッチを入れれば、機械の負荷がきつくてブレーカーが飛ぶ。
機械を止めたままのグリース補てんも要因だが、工場内の低温環境も影響してくる。

修理方法も簡単で、原動部側からシャフトを分割し、負荷の少ない状態でのならし運転。
別に機械自体は故障している訳でもないので、温まってくれば仕事が出来る状態になる。


そもそも、外注工場においては、仕事へのこだわりや機械へのこだわりが強く、イイ仕事を
する為に、機械への目も行き届いている。それが機械への「整備や感謝」の心として表われている。

年初め、工場に行けばワインダーの上に小さなお鏡が飾られていた。生活の糧となる道具への
感謝。そんな気持ちが機械を大切に扱って来た。今でも漁師の船では、それを見る事ができる。

「自動車用のしめ飾りがあった」なんて言えば、いつ昔の話と笑われそうだが、現実、自動車は
生活や仕事の糧となる道具?として、大切に扱われ、正月には感謝を表現した。

余談だが、北陸の雪道にはダイダイやミカンが転がっていると言われた、これも自動車用
しめ飾りが当然の様に飾られていた為、白い雪の中、黄色いミカンがコロコロと・・


本当はココで話をオシマイにしたいのだが、機械に対する「あつかい」も大きく変わってきた。

要因としては、加工費の低下。儲けの出せない機械には「感謝」のしようが無い。ただ仕事を
こなす道具としか存在価値が薄くなっている。維持経費も負担にすら感じる。

それに輪を掛けているのは「自社設備」機械は企業の設備であって、自分の儲けには影響ない?
外注委託の様な「こだわり」を期待するのは無理としても、何らかの手を打たなければ、
機械はドンドン壊れていき、製品事故も目立つようになる。ロスだけでは対応しきれない。

じゃ、新しい機械をと思っても、繊維機械の製造環境は極めて厳しい。技術的には対応できても
設備投資の価格に償却費が追い付かないのも現実。

その為には、今ある設備(機械)をどう維持し、使いこなすかが課題となる。
それには、「お鏡」とまでは言わないけれど、「感謝」と「愛」が欠かせない。

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メンテお気楽日記 1月3日 お役に立ちたい。

2015-01-03 | メンテナンスお気楽日記
まずはご挨拶をしなければ。謹賀新年。明けましておめでとうございます。

北陸のお正月は雪の中で明けました。しんしんと降る雪は静かです。
人並みに?おせちなんかを食べ、正月気分を味わっています。初詣は道路があく午後からの
行動となります。それまでは、孫もいないので、家の中では何もすることがありません。

去年と一つ違ったのは、年末に仕事関係の年賀状を書かなかったこと。書くといっても
印刷だけで出していたから、名簿の住所が印刷されるだけで、添え書きの余裕もなかった。

毎年、賀状が届けば、仕事・親戚・友だちと分け、仕事関係が一番多いのにもかかわらず
一度目を通しただけで、ゴム輪で束ねて棚の中へしまってしまう。形式っぽ差が気になった。

多少の戸惑いもあったが、賀状を150枚から40枚に減らし、親戚と友だちだけに絞った。
不作法とお年玉抽選?のたのしみを奪う事も考えたが、出したい人へ書くのが本来の賀状か?なんて

と、今年はちょっぴり気の引けるスタートとなった。やはりするべき事をしないのは後味が悪い。
いくら自分に言い訳を考えたとしても、賀状が届けば、それなりの感謝の気持ちも湧いてくる。


その賀状ですが、今年も初めての客先?からの賀状が5枚も増えていた。皆1錘機や3錘機を
お世話した個人や工房さんからです。製作にあたり、必要以上に親しく?お話を聞きました。
それが、商売ヌキでのお付き合いとなり、電話や来郷の際、声を掛けていただいています。

仲間からは「手間仕事・儲からない仕事」と言われながらも、飽きもせずに出来るのは、
お客の顔が見える、お客の笑顔が見たいからです。産業機のお世話とは一味も二味も違います。

必要なものを作る。無いものを作る。そして喜んでもらう。こんな楽しい事はありません。
大きいことは出来ませんが、1~3錘のワインダーなら手間を惜しまなければ、自分にも出来ること。


エー「お役に立ちたい・・」なかなか〆の文章が出てこない。まだお酒がのこっているかも?
今年も1~3錘機のワインダー作りは止めません。ドンドン製作します。そして暮れには賀状も書きます。

年頭に当たり、抱負と反省でした。今年も支離滅裂いい加減な性格は変わりない様です。ゲップー!

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