三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 9月1日 類は類を呼ぶ?・・・?

2015-08-31 | メンテナンスお気楽日記
ありがたい事です。メンテ仲間から「卓上ワインダーあったョ。三筋さんに届けておくね。」

まだ欲しい!とも言ってないのに、うちに預ければ、使ってもらえると思っている。
確かにその通りなんだけど、修理?して整備すれば、まだまだ現役としての価値を出すことは出来る。



卓上ワインダーに関しては、修理依頼から始まったが、中古需要に追いつけず、サンキンサービスに
格安?ワインダーの製作を依頼した。既製価格の半分以下での価格設定だったが、購入先は商社や
企業の開発室ばかり、専門学校も備品としての納品だった。

これまでの、ニット工房や学生さん達とは、まだ価格の差があるのかも知れない。

修理依頼の場合は、客先の糸・仕様・目的を確認して、ベストの提供(製作)を考えます。
商社や企業への納品は、仕様指定だけでダンボール梱包。そして発送。何か物足りない・・
それが当たり前と言えば当たり前?自動車ディーラーは客の運転までは関知しない。

客先と電話しての「ものづくり」は、色んな対応が出来ます。そして選べます。
たとえば、糸の種類・紙管のサイズ・仕事の量・仕事の流れなど。それによって機械仕様も変わってきます。

ドラムを選び、クレドール・テンションも変わって来る。スピードコントロールやタイマー仕様、
オニ綾対策には、リボンブレーカーも提案します。客先が使う機械ですから、客先といっしょに考えます。

「もっと安く」「もう少し多く」には、産業機の小型化でも対応できます。6・3・2・1錘機です。
でも、欠点はサイズです。少々無骨で、自宅作業には、それなりのスペースが必要となります。



で、今日の卓上ワインダー。家に帰れば、もう届いていました。
天羽製の圓井さんタイプのワインダーで、3°30′Z巻き仕様です。ホコリはおまけとして、
テンション、糸道等にサビが来ている。長年?使用されていなかった様子。

すぐにでも整備したい気持ちをグッとおさえ、客先からの問い合わせを待ちます。
何度でも言うように、客先の仕事ができての機械ですから、早合点は毎度の反省点でもある。

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メンテお気楽日記 8月31日 中古機械?骨董機械?

2015-08-30 | メンテナンスお気楽日記
                  残糸処理に残っている旧型カセ繰り機。使ってもらえれば譲るとのこと

先日、テレビで「ペット探偵」のレポート番組を見た。口のきけない犬・猫、鳥までも探す。
ただがむしゃらに探すのではなく、行動範囲や性格を推理し、ポイントを絞れば6割は見つかるという。
愛犬家にとっては、只一匹の犬を探すわけだから、再会の喜びは計り知れない。


「中古機探し」の場合は、別に機械が動き回るわけでもなく、情報があれば見に行くだけでイイ?
確かに「廃業情報」などは大きな情報だが、機料店判断で「これは生かせる」ってモノだけの情報となる。

準備機や備品・部品などは、よほど専門性がなければ、取り置くこともない。
輪をかけて、昨今の客先の減少や、維持費削減では、在庫価値どころか「倉庫負担」のほうが大きい。

よほどピッタシカンカンでの問い合わせが無い限り「工場整理」の名のもとで処分されることとなる。
欲しいと思った時には、「後の祭り」って事のほうが多い。


お世話する方とすれば、少しでも新しい年代の機械をお世話したい。ところが、繊維機械の場合
「平成」のプレートが付いた機台は極端に少ない。大半は55~65年代の製造となる。

幸い?にして、機械の成熟期でもあった為、しっかり仕事をしてきた割には、丈夫な機械が多い。
工場では、新たな加工の為「設備投資」をしたいが、新台価格では減価償却どころか元も取れない。

その為には、中古需要・中古情報はまだまだ必要とされる。難しいことは難しいけど・・・


もっと難しい機械もあります。ペット探偵の「鳥」にひってきする。
「骨董機械」です。産業資料館で見たことのある様な50~60年モノの繊維機械の要望です。

以前は、繊維加工を知り尽くした工場長?からの依頼でしたが、最近はネット依頼の若い?方からの
問い合わせです。木製のカセ揚げ機やカセ繰り機、四つ枠やガンガン仕様での作業を希望しています。

ポイントは「糸に、限りなく優しい」って事です。機械稼働の無理な力が掛からない(そうです。)

そんな機械情報も把握はしているものの、いかんせん、大量生産時代の大型加工機ばかりです。
天井から布の平ベルトで駆動するカセ繰り機なんて、一台が100錘仕様になっています。

問い合わせ希望はと言うと「4~10錘もあれば充分です。置く場所もありません」です。
そりゃ、分割しても原動部だけでも、相当のスペースが必要となります。いくら鉄クズ価格?で
お世話したいと思っても、分解・移動・組み付け・整備などで、機械以上の経費になります。

中古機の場合は、「客先の仕様要望」と「現状機械」のマッチングが、一番難しい。

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メンテお気楽日記 8月29日 産廃処理装置

2015-08-29 | メンテナンスお気楽日記
「何とか出来ないか?」 産廃屋さんからは、約半年ぶりの特注装置の製作です。

ないモノ?を作るには、イメージして絵を描いて、寸法を決め、鉄工所で材料を揃え、他の部品や
電動・電装部品を準備します。でも、これはまだ「ものづくり」の一歩目でしかないのです。

使ったことのない装置ですから、どこでどうなるか?テスト前のテスト装置としての製作です。
もちろん、こうすればこうなる、との自信があるから出来るのだから、テスト機イコール作業機でもある。


今回の依頼は「長~い生地をプレス機に入れたいが、絡まったりズレたりして作業がままならない。」

対策をイメージしたのは「漁船の魚網揚げ装置」でした。幅広の網を一か所に絞り込む装置です。
でも、テレビでちらっと見ただけで、どんな仕組みになっているのか解りません。それを作ります。

まず、主軸ロールは真中が凹んだ鼓型になっていたと思うが、そんなモノあるわけがない。
産廃工場に落ちていた?ジャンボボビンで併用、もちろんゴムのスリップテープで張力を増す。

作業ポイントは巻き上げスピードのコントロールだと思うので、インバーターのボリュームを外部に付
おもいっきり大型で操作性を重視した。緊急停止のスイッチも必要性を感じる。

もっと言えば、ギアモーターでトルクを強力にしたいのだが、テスト機?ゆえに、あれやこれと
予算を増やす訳にもいかない。問題がわかった時点での対策が求められている。


とか、言い訳じみた事を言いながら、けっこう楽しんでいる自分がいる。
自分のアイデアを形に出来るスポンサーがいて、それを待っていてくれる。出来上がれば喜んでももらえる。

メンテナンスは直った時の醍醐味。装置開発は問題が解決する醍醐味。仕事は楽しまなきゃ!


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メンテお気楽日記 8月25日 端材を生かす。

2015-08-26 | メンテナンスお気楽日記
富山の福光・城端地区では、木製バットやゲートボールのステックが製造されています。
昨年「道の駅」を訪ねた時、丸材の端材が売られているのを見つけ、さっそく利用しました。

ちょうど、整経屋さんから紙管に合うペッグ立てを相談されていましたが、福井の丸岡、石川の山中
繊維産業のロクロ加工の木工所が廃業していて、困っていました。

自分なりに、什器のロクロ工場も当たってみましたが、価格が折り合いません。
整経機製品なら、4~500円が相場だが、段取り手配を含めると1000円ちかくに成ります。

整経機の場合は、最低でも200~400個の数が必要です。とても無理な投資です。
そんな時、端材を見つけ、自分で加工しました。200円でも充分、儲けが確保できました。
ちなみに、森林組合のロクロ旋盤の一日の使用料は600円でした。エヘ。


目を凝らせば、いろんな処で「端材」を見つける事が出来る。食品加工の場合が多いが、
かき餅やビスケットの割れ品、カステラや切り餅の端っぺなんてのも売られていた。
「0円食堂」じゃないけれど、捨てる一歩手前、もったいない品って、けっこうあるのです。

ですから、大好きな「道の駅」では、そんな品物を見つける事が多い。おどろきもある。
農産物だって、企画サイズ外や変形品は破格価格です。味に変わりはなく、むしろ新鮮さがバッグン。
(繊維製品では、生地端やストール、ゴム紐・生糸くずなど、まだまだたくさんあります。)


自分にとっては商売違いではあるが、「紙管」の問い合わせも度々ある。繊維産業の備品屋?さんが
廃業したことが原因だが、「中古品あるか?」では、廃業の原因すら解かる。

紙管に関しては、輸入品なら新品でも10円以下の世界。国産品の半額に近い状態になっている。
それでも、まだ中古品問い合わせって事は、加工費が厳しいから、経費で抑えるしかない?

端財の究極は「産廃業者」です。自分にも取引き先があり、幾多の分離・分割装置を納品しました。
それらは、材料を均一にする為にひと手間かける装置です。もちろん資材として再利用されます。


最近?国道を走っていても「産業廃棄物」って書いたトラックが多いと思いませんか?
多いってことは、それだけ需要があるってことで、必要とされていることなのか・・・解らない。

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メンテお気楽日記 8月23日 もう出来ない、作れない?

2015-08-24 | メンテナンスお気楽日記
先週は福井県の山間部「池田町」への出張メンテでした。鯖江インターで降りて20分程走ります。
「能楽の里」と謳っているだけあって、趣のある街並みに観光気分です。

織物工場での作業を終え、せっかくだから、足羽川沿いに下り、美山・永平寺・山中と山間部コースを
帰路に選びました。最近は便利な?コースばかりで、旧街道コースはひさしぶりでした。

街道沿いの楽しみは、山並みや渓流沿いの美しさ以上に、(ざいしょ)の家並みです。

どう考えても、現在では造ることの出来ないだろう、って民家も点在します。もちろん生活家屋です。
迫力?ある建物には、木と壁の妙技と言うか味わいが違います。職人の心意気が感じられます。

こんな時でも、いらぬ心配かも知れませんが、大きさ故に、維持管理や使い勝手まで考えてしまう。


やはり、メンテ職のサガなんでしょうか?繁栄期の大型繊維機械と重ね合わせてしまう。
便利で必要性のあった、産業機械の多くがもてあまし状態で、小型化・細分化が希望されています。

60~120錘で稼働していたワインダーでも、問い合わせは6.12多くて48錘です。
もちろん新品対応は出来ません。中古部品の使い回しで、なんとか維持しています。

必要とされるから、問い合わせがある事は充分理解し、何とかしたいけれど、ないモノはない。
ない、って言うより作れないのが本音かも知れない。技術・コスト・納期がまったく合わない。

この時代「お金に糸目はつけない」って依頼者はまずいない。ものづくりの販売価格には
原価・加工・販売経費などがあり、おのずと常識?価格は決まってくる。


山間部を通過し、市街地に入る。とたんに家並みは、四角い注文住宅が多くなる。
これが、今の生活習慣には一番合っている家なんだ。なっとくはしながらも、ちょっと味気ない。

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