三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 6月9日 染色ムラ

2018-06-11 | メンテナンスお気楽日記
                          レーヨンカセ染めからのコーンアップ外注工場

見せられたのは、チーズ染色のボビンで仕上がった、青色の糸です。外層と内層は青色ですが、
中層は空色です。染色液が浸みこまなかったと考えられます。

まず、前巻き硬度が硬すぎかとも考えましたが、染色仕上がりは、けっこうフワフワです。
糸は、越前和紙を撚った糸らしく、染色液の浸透性にも、問題があるのかもしれない。

色誤差の違いに、うとい自分でも、はっきりと誤差が解るということは、製品づくり以前の問題です。
相談されたのは、ワインダーでのソフト巻きと言うより、カセ染工場の現状と紹介です。
委託した染色工場には、カセ染設備がなく、特に、パルプ染色となると、かいもく見当が付かないとの事。


自分が出入りしている染色工場でも、カセ染設備は限られています。それもレーヨン糸とか綿、ウールなど
少ロット対応?なので、規模も小さく経営も厳しい?そこに、パルプ素材の持ち込みも考えてしまう。

エステルなど、低加工賃を要求される染色工場では、チーズボビンによる一括染色が当然の流れになっている。
それも、ロットを確保出来ての話で、少ロットだから高加工賃なんて話も聞かない。オカシナ話でもある。


ともあれ、カセ染設備のある染色工場に相談しなければ、話は進まない。
カセ染という事は、準備工程がまったく違う。ソフト巻きワインダーの代わりに「カセ揚げ機」が必要です。
カセ輪が揚がれば、一綛に3・4箇所綴じ糸で止め、自動回転機の中で染色。そして、乾燥だけでは終わらない。

それを今度は、カセ糸をマイ輪に掛け、コーンアップしなくては、客先希望の商品にはならない。
これには「職人わざ」が必要です。簡単には覚えられない「なれ」が必要です。「さばき」や「口糸出し」など。

正直なところ、もう高齢者しかお願いする処がありません。いくら紹介依頼されても、無理なのも現状です。
絹撚糸工場からも「カセ揚げ工場を探して欲しいと」言われますが、正直「綴じ糸」を扱える人がいない。


ともかく、染色工場で、カセ染め試験をお願いしたところ、話が少し違って来た。
カセ染めには問題はないが、「カセ繰り」が心配との事。カセ輪からの解除には多少の張力ムラが発生する。

三筋ワインダーのカセ繰り工場でも、テンションウェイトがピョンピョン飛び跳ねているが、これがテンション
ムラが発生している証拠でもある。解除ムラを梨地棒で抑える方法もあるが、巻き硬度は固くなる。

社長の心配は、そのテンションムラに糸が耐えられるかという点だった、確かに和紙糸?は抜けやすさも感じた。
ボビン給糸の場合ならば、問題はないだろうが、カセ染めには、カセ枠ならではの、課題もある。

提案は、やはりボビン染色だった。直接染料や反応染料など、難しい?方法は解らないが、「餅は餅屋」
お任せするのが正解だろう。ビーカーテストの多少の時間は必要との事だが、解決しなければ、事は進まない。


今回の結論も「餅は餅屋」でした。知ったかぶりでは事は進まない。疑問や知らない事はドンドン人に聞く。
そのためには「人脈」が必要となります。パソコン検索では、けっして、背中を押してくれる事はない。

仕事というのは「頼り、頼われる」からおもしろくなるのです。一人では、なかなか答えが出しにくい。
_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_/_

ブログランキングに参加しています!1日1回クリックをお願いします!!
↓↓↓↓↓↓↓↓
人気ブログランキングへ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。