三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 6月28日 それなりの価格

2013-06-28 | メンテナンスお気楽日記
                  ダブルツィスター機。写真は他社の機台です。

業者依頼でダブルツィスター工場での仕事。
例によって、機台はフル操業しているが、人の気配はまったく無い。

作業終了の報告に行って、缶コーヒーを出してもらった。コーヒーをあける短い時間
世間話をするが、覇気というかヤル気がまったく感じられない。

「工賃は以前?の半分以下、三分の一にまで近づいてしまった。これじゃナー」
「維持費のために仕事をしてると言われてもしかたがない。二代目のジレンマだョネ」

廃業できるところはサッサと辞めて、撚糸工場が不足している話も聞くが、
これって、本来ならインフレ状態で価格が高くなるはずなのに、まったくその気配すらない。

市場はスーツ9800円ジーンズ980円の世界。繊維製品の低価格ブランドは東京に
ビルが建っているという。大量生産・低コストのルートはもう出来上がっている。

イオンにユニコロ、コンビニグループなどの自社開発製品の能力には凄いものがある。
大量生産された商品を確実に売る方法は、一番アンチョコではあるが安売り・価格破壊。

だから、日本ではモノ不足によるインフレは起こらないと考えた方がイイ。
海外生産・低コストというパンドラの箱を開けた人間は、ただひたすら前に進むことしか
出来ない。休みたいと思っても、次々と美味しそうなご馳走が運ばれて来る。

じゃ、なぜ低価格?はっきり言ってしまえば「それしか買えない」庶民は貧乏なのダ。
自分も6800円のジーンズを買う気さえない。只、生活に追い回されている感じ。

モノとはそれなりの価格があり、それを手に入れる為に、それなりの仕事をし、儲けを
確保して生活している。儲けを出してこその生活がある。

貧乏人?のための「ものづくり」。なんか貧乏スパイラルに巻き込まれた感すらする。

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メンテお気楽日記 6月27日 お一人様メンテ

2013-06-27 | メンテナンスお気楽日記
                     一人寂しく、6錘機製作中です。

個人営業といっても、基本的には客先での仕事だから、まず人と話さない日は無い。
せいぜい、車の移動時間が一人ぽっちの時間。何も考えることもなくラジオを聞き流す。

片道50キロ程度なら苦にもならないが、やはり80キロを超えると1件仕事しか出来ず、
帰り道も遠く、車のアクセルも重くなる。顔もたぶんムッツリになっているかも。

最近もう一か所、ムッツリ顔になっているだろう仕事(場所)があります。
それは、機械倉庫での機械の組み立て。もちろん一人だけでの作業となります。

カギを開けるときはまだヤル気で入るのだが、一時間もするとダラケてしまう。
人目がないことに、つい自分自身に甘えてしまう。「まだ納期まで時間はあるさ・・・」

本来なら2日もあれば、組み上がる仕事がズルズルと納期ギリギリまで延びてしまう。
こんな仕事に限って、またポカも出やすい。後で絞めるつもりのネジがそのまま出荷。

いくらお客さんの為にと思っても、人目のない一人仕事は楽しくない。
部品を選ぶスピードが落ちてきたら赤信号、集中力がなくなっている。

仕事を楽しくする対策?は簡単。以前の様に仲間に声をかければ問題は解決!
バカ話をしていても、けっこう体は動いて仕事は進む。ヤル気も持続できる。

でも現状では無理な話。小型機械ゆえに仲間への工賃1~2万がお客さん価格に
大きく影響する。小型機は小型機の相場がある。で、お一人様仕事に・・・

なんか撚糸屋さんの家内作業に似ている。女工さんがいた時は活気のある仕事を
していただろうが、おやじと奥さんだけでは、けっこう辛いはず。

自分がメンテに入った時は、笑顔で対応してもらってはいるが、毎日の二人だけの
仕事では、やはりムッツリ顔になることもあるだろう。

ま、今言える事は「ポカ」だけには気をつけて!二人なんだから・・・
仕事から「出会い・ふれ合い」が無くなれば、こんなにもつまらないものか。



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メンテお気楽日記 6月24日 デジタルタイマー

2013-06-24 | メンテナンスお気楽日記
日曜日、一睡機を納品したお客さんからの電話。
「定量分割をしたいので、タイマーを世話して欲しい。」

「一睡機は100V仕様なので、ホームセンターか家電量販店の家電タイマーで対応できます。
価格も2,980円ぐらいで、3時間タイプが使いやすいですょ。」

午後に二度目の電話「アナログは目盛りが粗くて、調整しにくい。デジタルタイプは売って
ないですか?」自分に聞かれても困るけど、確かに、もしあっても時・分がせいぜい。

糸の長さで推測すれば、一分間の誤差は200~350m。二分間なら最大700mか・・・
高価な糸?を分割するとなると、確かにロスが出るというより、もったいない。

産業用?タイマーなら時間レンジが自由に選べるから、分・秒に設定。9999秒も出来る。
只、デジタルとなると一番安価なタイプでも6,500円、機種を選べば12,000円以上。

それをケースの組み込んで、切り替えスイッチやソケット・ランプなどを付ければ、
材料費だけでも10,000円を超えてしまう。家電製品の4倍。

でも、その一分間の調整が必要とのこと。「出来るなら、作ってもらえますか?」

3時過ぎには、金沢のパーツセンターへ、タイマーは100・200V共用なので
100V専用ランプと小さな?組み込みケースがあれば、あとの部品は揃っている。

で、晩酌前までには一丁上がり!おっさんの仕事は早いのダ!と言うより
工作工具が揃っていることに、今さら感謝、おやじの遺品。外仕事では持ち歩けないボール盤や
ケガキコンパス・ホールドリル・鉄板カッターを使って、チャッチャツチャと。

電工工具もさることながら、端子選びも、在庫品で事足りた。

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メンテお気楽日記 6月23日 逆転の発想

2013-06-23 | メンテナンスお気楽日記
いろんな工場を廻っていると、とんでもない?現場に出くわすことがある。
メンテナンスの常識?ではまず考えられない、糸の取扱い方法。

例えば、S方向のテーパードラムでZ方向の3°30′紙管に捲き上げていたり、
合糸用の小さな鍔付きボビンからや、パーン原糸の細い管から直接コーンアップしている。

それが、形になっているからオカシイ?。糸の性質も大きな要因であろうが、
「捲けたから捲いている」だけでは、説明する言葉も呑み込んでしまう。

自分の仕事は、撚糸シリンダーの胴径・鍔径の大きさまで気を使って、最適の加工条件を
出していく、もちろん加工スピードも糸には大きく影響する。

確かに、以前はドラムワインダーでは捲けないとされていたフィラメント糸も
いくつかの工場ではすでに稼働している。工賃効率の為に考えられた苦肉の対応。

ケバの出た不良糸を、わざわざケバを出す加工を増して、価格が何倍もなった話も聞いた。
常識があるが故に?止まってしまう加工。まだまだ見えていないこともあるのかも知れない?

たとえば福島の絹産地、撚糸屋さんの減少に困った機屋さんは、無撚糸で生地を織った。
それが今では特産品とまで言われている。簡単ではないことは常識?だったハズなのに。

「ピンチはチャンス!」聞きなれた言葉ではあるが、あくまで当事者には「ピンチはピンチ!」

「逆転の発想」とは、部外者の無責任?な意見に、どこまで技術で対応できるかってこと
かも知れない。やらないことは簡単だが、やってみる技術は地元に埋もれている。ハズ。

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メンテお気楽日記 6月21日 たのしい工作

2013-06-22 | メンテナンスお気楽日記
「ワインダーで合糸?したいが、一本でも糸が切れたら、止めることが出来ないか?」
以前にもあった様な話だが、3錘や6錘だけの合糸装置は無い。

出来る事は、手作り装置での対応。さいわいユアサのセンサーやカッターの中古在庫もある。
これを、どう組み合わせてどう動かすか?電気部品だから配線さえ考えればなんとか・・・

まず、全錘駆動のワインダーだから、その度ごとにモーターを止めるにはロスが大きい。
各錘ごとに合糸いとを強制カットして、各錘のドロッパー停止機構を使うことにした。
合糸用の給糸が一本でも切れれば、後の2本をカッターで切ってその錘のみ停止装置作動。

一か所に結び目が集中するのはマズイが、人員配置を考慮すれば、後での手間の方を選んだ。
ワンモーター機なら一本だけ繋げるが、三本の場合はずらしての結び目が必要?になる。

希望の3本合糸に対しても問題が出てきた、糸が多くなればその分広いスペースが必要。
3本の糸を一本にそろえる為には、それなりの糸道の距離もいる。

組み付け金具も他社製のチャンネルを使うことを考えていたが、どうしても糸道部分は
継ぎ足しになる。製作図面を起こす訳でもない既成部品の組み合わせだから・・・ネ。

完成までには、小さな?問題が次々と出てくる。たとえばカッターのソレノイド。
電源が入りぱなしではまずいので、作動後電源をカットするマイクロスィッチを配線。
ネオンランプはサイズが合わず、チャンネルの裏から飛び出す格好。

あ、電源は24VDCのACアダプターを使いました。ジャンクコーナーで2千円弱。
これだけでもン千円の節約。おっさんの工作はお金を掛けない、掛けられない。

別に量産する気もないものづくりは、寄せ集めで考える、たのしい工作の時間でもある。かな?

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