三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 4月30日 特注品は木工製品

2013-04-30 | メンテナンスお気楽日記
お節介?が嵩じ、色んな相談が舞い込みます。もちろん「糸編」に関してです。
今回はンー十年前の木製糸繰りを復活(改造)します。
「趣味の世界」ではなく、りっぱな?お仕事機械としての改造です。

炭素繊維をはじめ、アラミド繊維(ケブラー)を衣料用?機械で加工しようとすると
色々な問題が発生します。まず、加工スピードに際しては、今時のインバーター装置でベスト
スピードを選択できますが、糸道や捲き径に対応するためには、機台の改造が必要です。

炭素繊維やガラス繊維を衣料用ボビンで捲き上げれば、ポキポキと繊維が折れてしまう。
もともと小スペースでいかに多くの糸を加工出来るかが、基本設計だから仕方がない。

産業資材には資材に合った機台設計があり、その為にだけの設備投資が行われています。
ところが「何とか、ならないか?」が経営者の正直な気持ち。まだ先の見えない試作品に
ン百万の投資は出来ないのです。出来る事なら自社設備を使っての挑戦の道。

まず、しなければいけないのは資材糸を知ること。加工ポイントを抑える為の特質。
炭素原着糸やガラス繊維なら、糸道は全てアルミナに交換。スピードを上げれば摩擦のため
張力オーバー、しいてはボビンやガイドの破損やキズの原因となります。

・・・・・・・・・・・・!
またまた話が専門的?になりそうなので、話題を元に戻します。

試作機(試験機)にピッタリの機台があります(ありました?)加工時間はタップリと掛かります。
それは、限りなく「糸にやさしい機械」です。スピードは遅いし、無理がかかればカラ回り
します。捲き径もガンガンを使用すれば150㍉の大径ボビンに捲くことが出来ます。

50年以上前に使われていた木製糸繰り機のことですが、条件がピッタリです。

只、問題はそんな古い機械を探すこと自体難しいし、部品も相当ガタがきています。
さいわい今回に限り?、機台も確保。対応部品も紹介してもらった木工所で作ることが出来た。

後は、アルミ筒を組み付けて完成?と行きたいのだが、外注委託は時間が掛かる。
このイラダチは、いつものこと。アーァ旋盤が欲しい!

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メンテお気楽日記 4月27日 やりたくない仕事

2013-04-27 | メンテナンスお気楽日記
撚糸屋さんからの電話「うちの捲き屋が辞めることになった。機械を何とかできないか?」
「自分の工場には置きスペースも無いし、新しく捲き屋をつくる程仕事量も無い。」

メンテナンスとすれば、年に1~2回顔を出す程度しか仕事依頼がないが、
これまではガイド交換やリボンブレーカーの取り付けなど、機械には経費を掛けてもらった。

歳の事なら80前後、体にガタが来ても、けっしておかしくないバアさま。
年金プラス工料に甘えて?の都合のイイ捲き屋さんが、また一軒消えた。

機械にしても、買い上げて倉庫保管する程度でもない。元は充分にとった機械と見た。
出来る事といったら、処分経費をゼロにするため、分解して部品分別するしかない。

多くの機械は鋼材・鉄板・イモノ・プラ・アルミナ・木材の集合体。
そのままの形で処分依頼をすれば、人件費めいもくで追い銭経費が必要になる。

自分とすれば中古部品確保にはなるが、当たり外れもあるし、手間工賃も請求できない。
先の見えないタダ仕事。もし売れたとしても、手間では計算できない中古価格。

それより一番痛いのは、工場がなくなる事。ガイド一本Vベルト一本の注文も無くなる。
メンテナンスどころか、バアさまの顔も見納めか?接点が絶たれてしまう。

最後のご奉公?機械のほうも二度と作れないだろう、だってメーカー自体が廃業。
かろうじて、部品供給にだけ対応している。大事工事には中古と代用品で対応。

12~30錘の産業機械は確実に姿を消していくだろう。
でも必要な機械、便利な機械であることも確か。残さなければいけない価値もある。
その為には、3錘でも6錘でも必要としている工場・工房へのお世話も大切と考える。

今回は、12錘機4台の処分依頼。この中から何錘が生き残れるのかは、まったく
先が読めない。ま、原動部さえ残せば再生の道は確保できる。

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メンテお気楽日記 4月26日 伝承されていない技術

2013-04-27 | メンテナンスお気楽日記
ブログ掲載が大きな要因であろうが、新規問い合わせの約8割が
40~50代の二代目後継者。中には三代目?と思しき超若手?もいる。

繊維産業の創業者の大半は、80過ぎの爺さま。
当然、二代目後継者は50代。好景気の中で少年期・青年期を過ごしている。

家業を継ぐのは当然と考えられたが、いざ後継者になった頃から
世の中の動きが変わって?来た。いわゆる「儲からない時代」

要因は「大量生産・製造安値・消費動向」などいろいろあるだろうが、
ある時、周りを見渡せば人がいなかった。女工さんしかり、工場長しかり。

今日仕事で入った企業にも、工場長はいたが、感想は「担当者」??
話を聞けば、前工場長について回ったのは一か月あまり、あまりに短い!

一般の会社では30~40代ならすでに一人前以上。でも技術職は・・別?
もちろん、担当者は担当仕事を精いっぱいやっているのは理解してるし認める。
でも、仕事の要領・コツを体に覚えるまでには、それなりの時間がかかる。

「ものづくりは人間づくり」かっこいいスローガンではあるが本質でもある。

機械がモノを作るのではなく、人間の意欲がモノを作る。
機械は「道具」であって、使いこなす技術を「伝承」と言う。

機械は壊れるのが運命だが、技術の伝承があれば必ず復活する。と、願いたい。

話はかたい方向へいってしまったが、最後に技術記事。

担当はスピンドルのベアリング交換をハンマーでやっていたが、これではベアリングの
負荷・寿命まで影響が出る。やはり静かに組み付ける為の「治具」も必要工具です。
こんな些細?なことが「伝承」されていけば、ものづくりの未来は明るい。

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メンテお気楽日記 4月17日 つい笑顔になる電話

2013-04-17 | メンテナンスお気楽日記
           R・Tワインダーはドラムが命です。だからちょっと高価

「ご無沙汰してます・・」「あっ、三筋さん」電話の向こうから元気な声。

もう二年近く連絡することも無く?新品注文が無いのを言い訳に、長のご無沙汰。
取引先とはもちろん?一度も会ったこともないが、電話だけでのお付き合いが続いていた。

関西弁の親しさもあってか、つい本音で景気の悪さをボヤイてしまう。
注文したくても、問い合わせのは9割は「中古の良品」。電話も出来なかった。

ところが今回の機台商談。お世話したいが、ドラムに自信が持てないとお断りモード。
特に、エステル細番手の捲き屋さんでは、多種使用が目に見えている。

丁重にお断りして、中古ドラムのAランクはもう出てこないことを伝えた。
ところが「アベノミクス?」あるところには、あるらしい?
「じゃ、新品を付けて納品してくれるか」・・・「ン」「ハ・ハイ!」

事務所に帰るのもモドカシク、車を止めて電話した。
せっかく新品注文もらっても、現物在庫がなければ納期待ち、テンションも下がる。

で、最初の「ご無沙汰してます・・」「あっ、三筋さーん」
名前を名のる前に声でわかった感じ。なんかとても嬉しい気分になってしまった。

新品注文も嬉しいが、それ以上に担当者が親しく話してくれるのが嬉しい。
製品の方も、現在は受注生産体制で納期が難しいとの事だったが、担当者が
倉庫へ走ってくれた。「なんとか12本は確保しました。」「ありがとう!」

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メンテお気楽日記 4月16日 マイクロ画像装置

2013-04-16 | メンテナンスお気楽日記
           以前、検査協会で撮った「アルミナガイドの糸道キズ」
           今の機能はこんなもんじゃないヨ。

扱いが難しい糸、まして品質管理の厳しい仕事。
言いたくはないが、加工料の中からは機械維持費は出てこない。

当然?の結果として、加工事故の発生率は上がる。
合繊のフィラメントのケバ。原因はガイド交換しなかった人間にある。

人間様なら、毎日同じ服、同じ靴ってことは、まず無いだろう。
機械だって、たまの油、部品の交換は必要。消耗部品ってコトバは知ってる?


なんか、話が最初からグチの方へ行ってしまった。
今日、書きたかったのは、検査機器の導入の話。二軒目の商談に出会った。

以前は事故が発見されればサンプルを「検査協会」に持ち込んで、画像拡大して
技師さんのアドバイス?を受け、原因工場・原因箇所のアタリを探った。

しかし、悪いウワサ(話のタネ)はどこからか?漏れる。
もっと困るのは、研修会事例として発表の場があること、公務員は仕事の成果を
公表しなければならないのは解るけど・・・共同研究開発にも同じ悩みが・・・

そんな訳で、大企業には自分の入れない秘密の部屋があるのは知っていた。
でも、その検査機器メーカーの営業と鉢合わせたのは、中堅工場。商談か?

興味があるから工場長に「いっしょに話を聞いてもイイか?」なんてお気楽モード。
「ダメダ、今日は遠慮しろ。画像テストは企業秘密も入っている」ときっぱりと。

導入すれば、車一台の価格では済まない筈、設備投資には社運も掛かっている。
機能も昔の顕微鏡の親分と訳が違う。デジタル画像処理のウンヌン???

工場自身が検査機器が必要になっていることを、どう捉えたらイイのだろう?
「仕事が難しくなっている」の一言だけでは無い様な・・・・ンー。

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