三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 1月13日 テンション(張力)管理

2016-01-13 | メンテナンスお気楽日記
                        テンションメーター、20g・50g・100gなど色々

ワインダーに限った事ではないと思うが、糸を巻く場合や、織機・編み機への給糸の際、
糸の張力が重要なポイントとなります。

確かに、以前のスパン糸の場合は、いい加減と言うか、ごまかしウェイトでそれなりの仕事を
こなす事も出来た。あんこ巻きやガチガチ巻きにさえ気を付ければ、製品として流通もした。

ところが、昨今の5○や3○のエステルでは、1gの差が形状として表れる。(ちょっとオーバー?)
じゃ、5○糸なら2、4gでイイかと言えば、巻きスピードによっても大きく異なる。


今、メンテで一番困るのは、1㎏のチーズ巻きが仕上がるのに4~5時間はザラ、8時間もある。
綾振り不良ならば、その場対応できるが「つづみ巻き」や「紙管潰れ」は最終付近で発生する。

いくら、手の感覚で張力を計っても、何gの差は正直解らない。
テンションメーターなんて便利なモノもあるが、数値が小さければ、針の振りも大きくなる。

結局は、巻いて見なければ解らないのが感想。で、その為2度手間3度手間の調整となる。

もっと困るのは、「自分で調整しよう」なんて思う工員さんが極端に少なくなった。
海外研修生はさておいても、パート工員でさえ「この箇所は巻けません」で終わり。
なぜ?巻けないのか自分でも考えろョ。せめて、不良原因の報告だけでも・・・

いくら気の弱い三筋でも、3~4時間とワインダーの前で見ている訳にもいかない。
工員さんの「思い入れ」を期待するより、上司?の指示がない(していない)事も要因と感じている。

「伝承機会」がなければないで、教え、指示しなければ「覚える」チャンスすらない。

誰だって、最初は素人。失敗して、不良糸を作って「なぜなんだろう」って考えて育って行く。
極端かもしれないが、不良糸は「人材育成」のチャンスかもしれない。対応が問われる。


おばちゃんは、ピンと張った糸を指先で押さえ「ちょっとキツイかな?」ウェイトを一枚外す。
そんな事が、「日本の技術」の底辺にあったことも、知らなくてはならない。

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