三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 4月24日 3錘ワインダーを製作

2017-04-24 | メンテナンスお気楽日記
今日はボヤキ記事です。販売店注文の3錘ワインダーを作っています。

基本機台は準備してあると言っても、アレやコレ、丸2日も倉庫での作業になりました。
6錘機ならば、ボルト分解して後部整備、切断作業はドラムシャフトだけとなります。

ところが、3錘機となると太いアングルを含め3箇所、シャフトに至っては5箇所の切断になります。
分解してジスクグラインダーなら簡単?ですが、火花をまき散らせないので、レシプロソーで切断ます。

いくら電動工具と言っても、鉄はそう簡単には切れません。手がしびれてしまう感覚です。
ただひたすら我慢して、最後まで切れるのを待ちます。カエリのヤスリ掛けの気力もありません。


もう一つ、3錘・6錘機の整備には、困った性格?が顔を出します。
12錘機の整備では、それなりの清掃で落ち着くのだが、小型機になれば成るほど、汚れが気になる。
マジックリン清掃を念入りにすれば、いい処なのだが、ペンキ塗装で今一度きれいにしたいとも思う。

今回の注文は100V仕様の事でした。モーターも載せ替えです。200Vサーマルスイッチも使えないので、
押釦スイッチを新たに付けます。いくら他の電装装置指示がないとはいえ、配線もすべて交換です。


ここでボヤキます。販売店仕切りの価格のうえ、ドラムもモーターも要らないとの事でした。
いくら100V中古モーターが世話出来るとしても、それなりの仕切り価格での取引です。

倉庫在庫の機台を「客先仕様」に整備するには、ある程度の見積もりと工料を計算して?価格を決めます。
12錘機も6錘機もそれなりの儲けが出る数字です。ところが、3錘機の場合は、工料が価格を上回る。
言ってみれば、工料をまともに計算すれば、機械はタダ?の計算になってしまう。何やってんだのお仕事です。

以前から「12錘から6錘機・3錘機を作れば、当然12錘機なりの価格で」と言われた言葉が身にしみる。

それが出来る環境だからゆえに、12錘は12錘、3錘は3錘なりの価格設定になってしまった。
三筋の強さである処が、三筋の弱さでもある。「思いやり」も言い換えれば「金玉が小さい」だけかも。

なんでも手間を掛ければ、良い仕事が出来る事は解っています。しかし、それは儲けがあってこそであり、
余裕があればこその作業でなければならない。今の製造業にそれを求めるのも、厳しいと感じています。

「忙しい、忙しい」とボヤキながらも、どこかに笑顔が見える仕事が、一番と考えています。

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メンテお気楽日記 4月17日 モノタロウ

2017-04-18 | メンテナンスお気楽日記
郵便屋さんが重たい!モノタロウのカタログセットを配達してくれました。自分は注文していないので
息子の注文だと思います。息子は自動車改造のため、色んな部品をネット買いしています。

何気なくと言うよりも、興味シンシンでカタログを開きます。有り難いのは、自動車用品編の他に、工具編
機械部品編の他に、電気材料・制御機器編もありました。息子の気づかいと感謝します。

第一感想は「なんだ、コリャ!」でした。
各メーカーから提供される、分厚い繊細カタログは何冊か持ってはいるが、機器・部品別に他社製品おも
羅列されているのは、初めてです。一見した感想は「ホームセンターが一冊のカタログに・・」です。

じゃ、どのホームセンターのどこにいけば何があり、電材店のどの棚に何がある。って情報つうか知識は、
半減どころか、必要ないことになる。もっと言えば、これまでの出入りの専門店も行かなくてイイって事か?

ま、全部が全部、ネット買いという状況もないだろうが、準備期間があれば、一括購入の方が便利だろう。
価格もホームセンターより確実に安い。定価価格でいえばン百円の差から、ン万円の差額まである。


ンー・・・・・・アマノジャクじゃないけれど、何かオカシイ。便利なことは便利だが・・

まず、部品や機器を選ぶには、それなりの知識もいる。何でもイイってワケでもない。必要なモノを選ぶ知識。
次に、相談する相手や、教えてもらう専門店。いくらネット検索といっても画面を見て、自問自答そして自決か?

おっさんが?一番危惧するのは、専門店の売り上げです。いつも出入りしていた電材店・資材店・機料店。
ホームセンター出店でさえ、けっこう影響を受けているのに、ネット購入が当たり前になれば、どうなるのだろう?

店舗購入の良さは、品物を直に見・選ぶ以上に、人間関係にあると思っています。

プロ以上に部品を知り尽くしているおばちゃんがいたり、この部品ならここにあると教えてくれるあんちゃん。
ホームセンターでさえ、何度か顔を出せば会釈してくれる。それが、画面で「ありがとうございます。」で終わり?

世の中の流れと言ってしまえば、一言で終わりだが、街の八百屋・魚屋がスーパーに喰われ、金物屋さんも
ホームセンターに太刀打ちできない。どの街に行っても、大型量販店だけの街並みになってしまった。

このことだけでも、オッサンたちは「なんかオカシイ」って思っているのに、今度は店舗もない?ときた。
専門店として生き残るためには、それ相当の顧客が必要です。それが、都会と田舎の差でもあった。

田舎からスーパーとホームセンターを取ってしまえば、何もない町並み。それが未来の風景かもしれない。

と、まあ、自分も多分、モノタロウを利用するだろう。それは、いつもの商店から買わないって事でもある。

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メンテお気楽日記 4月16日 カセ染コーンアップ

2017-04-17 | メンテナンスお気楽日記
                             カセ染糸のコーンアップ(他工場資料)

なぜか?カセ染糸のコーンアップワインダーの整備が重なっています。

機台状態は、決して良いとは言えません。それと、外注工場の女工さん?もけっこうな高齢です。
先日の外注先の機台は、50年前の鋳物製でした。最近では、まず見る事のない年代物の設備でした。

ドラムもベーク製ドラムで、これまでの糸道がキズとなり、綾振り不良個所が何箇所もあるとのことでした。
以前は?同じ糸の加工ばかりだった為、糸道(キズ)も糸に合っていた事によって、問題はなかった。

ところが、細々と作業を続けてきたが、ここに来て、糸種がさまざまな仕事依頼になったと言う。
巻ける糸もあれば、巻けない糸もある。それこそ巻いてみないと解らない状態が続いていた。

さいわい?ベークドラムというのは、修理がきく材質です。キズの深さまでヤスリで削ったり、糸の転がりで
出来た凸凹をペーパーで滑らかにします。仕上げはコンパウンド入りワックスで磨けば、綾は振ります。

アルマイト処理の金属ドラムでは出来ないワザですが、だからこそ、旧型機械が長持ちする由縁でもある。


先週だけで4件のカセ仕様のワインダーに携わりました。こんなことも珍しいことです。
勝手に考えれば、「ロットの縮小」?チーズボビン染色による量産作業に対する、対応かも知れません。

しかし、運よくカセ染染工所は見つかった?としても、その環境は厳しいものがあります。
2軒の染工所からも「誰か、糸を巻いてくれる人を紹介して欲しい」って言われています。無理です。

以前紹介した外注さんも83才でした。まだ?元気だからこそ仕事が出来たけど、いつまでも、って訳もない。
若手?はもちろん、正直、年金の足しに出来る人しか紹介出来ない。その仕事だけでは生活は無理です。

ボビン染色の合理化?で、仕上げ巻き工場が極端に少なくなったのも事実です。当時は9°15′紙管の
ワインダーの問い合わせが止まってしまった。染色工場からボビンのまま、編み工場への納品もされていた。


もう一つ、これはカセ巻きの次の段階になるのだが、ワキシング装置の問い合わせもあります。
これは、スパン糸加工が増えてきたという事です。エステルや合成繊維には必要ない装置です。

植物系・動物系繊維だからこそ必要という事は、返せば、量産加工ではないという事になります。
大量生産・大量加工は海外工場の方が有利?とは、誰もが感じている感想です。それに対抗するには
高機能・高品質の製品づくり。それは、少ロットという価値観おも武器とすることができる。

ロットが小さいからのカセ染なのか?高品質のための手間仕事なのか?判断の難しい処です。

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メンテお気楽日記 4月14日 せんみつ見積もり

2017-04-14 | メンテナンスお気楽日記
「千に三つ」の意味だそうです。当たりは極端に少ないが、当たれば、元は取れると聞きました。
 生地商社での機械打ち合わせ?の際の話です。

商談室の後ろには、小さな生地見本がいっぱい展示されている。30㎝角?の生地端がギッシリと並んでいる。
ニットメーカーの製品見本とは比べ物にならない数です。見た目や手触りも違えば、色ももちろん多色見本。


昔から、撚糸屋でもよく聞くのは「この仕事が決まれば、ワインダーが〇台必要になる。準備できるか?」って
問い合わせです。まともに準備していたのでは在庫だらけになる。全部売れていれば、今頃は・・・です。

生地設計、そして製糸、それから試編み(織り)・・・大半はこの段階で話が消えてしまう。
話を持って来る商社にすれば、試作段階でも大きな事を言う。だから撚糸屋も、ついその気になってしまう。


大当たりの売れ筋ってのは、まず、黙って売れるだけ売る。儲けるだけ儲けるってのが勝者の常です。
世間が気づき始めた頃には、シャバ中が同じような製品を作り出します。二番煎じは価格での勝負でしかない。

だから、新製品の設備投資に「何台必要になる」なんて、まゆつば物と思わなければならない。
現状設備の改良で作るからこそ、希少価値があり、手に入らないからこそ、高く売れるのが図式です。

もし「何台必要となった」時は、すでに価格勝負となり、結果、加工賃の低下は目に見えています。


繊維業界でいう、ダブルツィスターがよい例です。生産率で言えば、儲かる機械であったことは確かです。
しかし「儲かる」って事が知れ渡ってしまうと、大変なことになりました。まずは、加工賃競争が始まりました。

次には海外設備となり、東南アジアでの人件費と生産性には、太刀打ちできないのは明らかです。
その波が、業界全体にも影響してしまいました。なんで?イタリー撚糸まで?って感じです。

あっ、又また話が「ぼやきモード」に入りそうです。話を「見積り依頼」に戻します。


中古機械のお世話の場合は、千に三つどころか、百に、いや十に三つ以上の当たりです。
確率としては良いです。それは「必要だからこその問い合わせ」が基本にあるからです。

ところが、これも甘んじてばかりはいられない状況になっています。
まず、条件ピッタリの機台探しが難しいのは良しとして?、肝心の機台そのものが不足しています。

先日も、スパン糸9°15′機の依頼がありました。見積書以前に機台が見つかりません。
整備・改造で対応したいと思っても、基本機台がなければ、動き様がない。

この状況は、益々厳しくなると思います。正直、出てくる機台は30~40年物です。
一旦処分された機械は、二度と世間に存在しません。約30年の空白がありました。

中古機械のお世話が「千三つ」と言われる前に、新台設備の波は来るのだろうか?

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メンテお気楽日記 4月11日 100Vスピードコントロール装置

2017-04-13 | メンテナンスお気楽日記
100V仕様の卓上ワインダーを、スピードコントロール(変速)したいとの依頼でした。

業社的?には、オリエンタルモーターのボリュームタイプにすれば、希望に叶えます。
しかし、アナログタイプにしろデジタル表示にしろ、モーターを購入し、加工して、組み込むとなれば
工料おも計算すれば、4~5万以上になってしまいます。

客先は、手持ちの卓上ワインダーの修理が出来、尚かつ、色々の糸種に対応出来れば、と考えての依頼です。
経費が4~5万も掛かれば、中古卓上ワインダーがもう一台買える値段でもあり、そこまでも考えていません。

確かに、自店にはオリエンタルモーターの中古在庫もあり、中古での改造も可能だが、如何せん
産業機からの中古在庫であり、すべて200V仕様です。100V仕様はありません、購入となります。

そこでお勧めしたいと思ったのは、市販の「スピードコントローラー装置」です。
100Vのコンセントを差し込めば、市販の電動ドリルや丸鋸などのスピードを減速できるという機器です。
照明機器の明るさを絞るボリューム装置もありますが、それと同じ装置と考えて下さい。


ところが、問題がない訳でもない。別客先でも通販で買った人がいたが、サンダーに使用したところ
モーターのノッキングが起こった。「どうして?」って相談だったが、その時は解らなかった。

今回、真剣に?注意書きを読めば「ブラシ付きモーター(単相直巻整流子)」以外では作動しません。
電子制御回路を搭載したモーターや、一部の電動工具では、作動しない事があります」と記されていた。
簡単に説明すれば、100V電圧でしか稼働しない機器には減圧操作できないと言うことです。

その他、連続使用30分以内とも記されているが、これは、どうなるのか、まだ試運転していない。
当然、細番手の糸の場合は、30分以上稼働すると考えられるが、気になる処でもある。


只、価格が7千円~1万3千円程度で、各メーカーや機種がある。調べてみる価値はありそうだ。
この価格ならば、必要な時にだけ使用し、普段は通常の卓上ワインダーとして稼働することもできる。

とりあえず「使えなかった」と言うスピードコントロール装置を借り受け、卓上ワインダーでテストをする。
「モーターも壊れている」と言われたが、こちらの方は手慰み?で修理出来た。さっそくコンセントに
差し込みスイッチON。回った、ノッキングもない! ボリュームを回せば、変速も可能でした。OK!

次の段階は卓上ワインダーの修理です。ベルトも無い状態ですから、稼働可能まで整備します。
ドラムが回り、糸を掛け、負荷をかけた状態での、30分後?異常がないかのテストも必要となります。

と、ここまでが今日の作業です。完成すれば完成した時点での、不安も残りますが、やってみないと解らない。
もし、問題が起こったとしても、説明が出来るだけの事はしての、次の対案でなければならない。

機器を提案するのは簡単?です。しかし、お客の立場にも立ち、尚且つ、喜んでもらう商いこそが大切です。
「売れればイイ」の量販店では出来ない「リピーター」を確保するのも大切な「商い」です。


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