三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 6月4日 すごい!部品もある(あった?)もんだ。

2018-06-04 | 中古機台
まずは、写真を見て下さい。ボビン繰りの「12本合糸の糸口」です。廃業工場で見つけました。

燃台や、準備機はすでに、整理されていましたが、ワインダーは取り置きを依頼してあったので、搬出のため、
解体屋さんのトラックに付いていきました。案のじょう、ワインダーはホコリだらけでした。

絹撚糸さんだったという事で、機台はセリシンかすで、真っ白?ですが、スパン糸工場の糸ボコリが絡み付いた
機台より、分解・整理しやすい。ワインダー機台としては厳しい状態だが、部品取りとしては、充分価値がある。

一番欲しいのは、原動部カバーとモーターブラケット。12錘機で3・6錘機を作れば、当然、原動部がない状態
です。原動部さえ確保できれば、あとは客注仕様に応じて、何とでもしようが見えて来る。

他にも、けっこう必要な部品も確保できます。シャフトのエンドカバーやフレームエンドは一台に一個の部品です。
さすがに、糸道ガイドやベアリン部は選別が必要となります。ブラケット等は、塗装整備すれば、再利用できます。

今回は、絹撚糸用ドラムと聞いていたので、下見もしないで乗ってしまったが、ドラムの状態によっては、利益率が
大きく変わって来る。そのまま使用できる状態なら、オイシイ話?ですが、まず、無理な現状と考えなければならない


と、まあ、ワインダーの中古機状況はここまでとして、
廃業整理工場には、燃台のベークライト製ボビンやカセ繰りHボビン、3°30′紙管しか残っていない状態。
解体屋さんによって、鉄・イモノ・アルミ関係はすべて処分されている。哀れな(寂しい)状態でした。

平安油脂の箱、碓氷製糸やブラタクの段ボール箱には、ボビンが放り込まれ、山になっている。
「250g用のA型Hボビンなんて、わざわざ探して欲しいとの依頼もあったのに・・」今となってはゴミ?ですか

平安油脂の箱(これがけっこう、扱い易い。容量が一人で持てる大きさなので、各所で見かける)の中には、
唐津やアルミナ製ガイドも入っている。これもゴミ?かと思ったが、他機料店からの取り置きだった。

これが、そんじょそこらで見かける合糸部品ではない。大抵は3~5本合糸用だが、12本なんて見たこともない。
必要だから作った?とも考えられるが、今、作れるか?と言ったら、まず、無理と考えた方がイイ。
自分では使う予定もないが、資料として持ちたい「一個いいか?」って聞いたら「いいょ」。そんなモノなのか?


同じような部品は、これまでも何点か見てきた。木製シャットルのテンション装置なんて、極の技術。よく、こんな
細工が出来るものだと感心する。三英測器の機械式測長器も、もう作る事は出来ないと思う。残念というより惜しい。
写真の片隅に入れた、梨地ワイヤーのゲートテンションも、もう作っては貰えないだろう。


今は、極小加工は、プログラムで作るらしい(チップの配線等)が、100個200個では、無理からぬ世界である。
それを、人間さまが作ってしまうのだから、驚かずにはいられない。そんな技術が日本にあったという事です。

指先で加工精度を確認する職人もいる?オシロスコープで確認する職人もいる。両方とも「技術」です。
目的は「必要なモノを作り出す」その一点です。昔話を嘆くより、今、できる事を知る方が大切です。

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