三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 8月28日 染色ムラ対応作業

2012-08-28 | メンテナンスお気楽日記
                  ネット編み機。ストッキングみたいのが出てきます。

三筋ワインダーの特注3錘機?のお得意様?。染工所の検査室での事。

チーズのソフト捲き糸を染色しても、外層と内層の色が微妙に違う(自分には見分けがつかないが?)

その為には、染色済のボビンの外層から10~20gの糸を取り、残りをワインダーで巻き返し
捲き上がった紙管糸の外層(染色ボビンの内層)からも糸を取る。それをつなげてネット編みにする。

そうする事によって色の違いがハッキリと見えてくる。本来はあってはならない事だが、
現実として、起こりうる事故?というより常識だそうだ。そのための検査室。

昨今の機能性繊維。ポリエステルにレーヨン・ナイロンその他天然素材の複合繊維。
そのための染色剤を選ぶだけでも、並み大抵の知識じゃ追いついていけない。

製品工場でも、そのことは解って?いるらしく、ある大手ネーム工場では一製品に対しては
仕入れた1㎏捲きの糸の外層何グラムだけを使用し、のこり(内層部)は別製品に使用する。

ムダとまで言わないが、ロスは製造工場での常識。100%の素材で100%の製品はぜったい無理。
高品質。それは不良品を作らないことも大事だが、不良品を表に出さないことで確保されている。

先のネーム工場でも、仕上がった製品をシュレッダーに掛けていた。正直もったいないと思ったし
たかが?首の後ろの見えない所とも思った。しかし、そのことがモノづくりの大切なことかもしれない。

撚糸屋や捲き工場では「何キロの糸を納品したから、何本の製品が出来るはず」なんてことも聞く。
そんな対応をするためには、不良品を含めての計算しかできない。モノづくりがオカシクなっている。

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メンテお気楽日記 8月25日 コニカル一錘機、最終章?

2012-08-25 | メンテナンスお気楽日記
パイナップル捲きの出来る、コニカルワインダーの一睡立て試験機、出来ました。

インバーターの電気制御にすることによって、産業機の200V仕様機も0.4kwぐらいなら充分に
家庭用100Vで稼働させることが出来ます。今回は0.1kwモーターで試作。

電気制御の利点は、機械式のスタート機構、ストップ機構などが不要になり、
糸管の回転装置とトラバース(綾振り)装置の負荷だけになります。でもお釜だけで10K以上。

フレームの弱体化も心配していたが、試作に使った「配電盤」の上にすべて収まり、
ホームセンターから買ってきた棚も必要ないくらい。只高さを確保するために使用した。

なんせシュワイダーは、いつも目にはしているものの、仲間の職人仕事を見て「やっかいな機械」との
思い込みから、自分では手を出さなかった機械。だから解らなかったことも多かった。

それは、旧タイプの機械は一つのモーターで12錘16錘すべてを稼働する仕組みをとっており、
各錘の回転・停止・綾くづし・デクリーズ・ラチェット・フィードローラー・オイリング
すべて、機械の動きの連動・連鎖によって稼働する仕組み。当然、機械も複雑・大型化するわナ。

新型(けっこう前)はワンモータータイプといって各錘に一台づつモーターを組み込んだ産業機。
電気部品の方が手にいれやすい事もあるが、機械としては単純になった。メンテは電気事故ぐらい。

と、言って一錘機製作のため、新型機を分解するわけにもいかず、使用するのは旧型部品。

オイルのはいったカムボックス(お釜)が異様な感じだが、パイナップル捲きにはどうしても
必要なトラバース装置。クセのある糸、綾落ちしやすい糸には適した機構。それの一錘機が欲しいってか?

なんとかカッコウまでは収まったが、はたして客先の糸が捲けるのか?
何種類かの試験捲きはしてみたが、難しい糸だからこその問い合わせ、試験糸はまだ届いていない。

なんかウキウキして一気に書き上げたが、糸が捲き上がらなければ・・・最終章はもうちょっと・・先?

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メンテお気楽日記 8月23日 引き際の美学?

2012-08-24 | メンテナンスお気楽日記
商いや工場を経営していれば、景気動向で首の回らなくなる時期もある。
大抵の経営者は自分の身を削っても、仕事を維持し会社を存続するための努力をする。

個人工場でさえ、廃業に際しては並大抵のことでは踏ん切りがつかない。
これが、従業員を雇用している企業となれば、その任はとてつもなく重くなる。

しかし、挽回?少しでも先の見える努力ならやりがいもあり、価値も出てくるが、
ただやみ雲に赤字を続けていたのでは、廃業へのキズや影響も大きく、倒産にもなりかねない。

「辞めたくても、辞められない!」よく聞く言葉だが、ちょっと考えさせられる例がありました。

出入りの撚糸工場。けっこう大手で撚台だけでも20台以上、従業員も10人ちかく中国研修生も
雇用していました。機械もすべて稼働していたし、2か月前には部品の注文もあった。

そんな時突然入ってきたのは、その工場の機械一覧情報でした???

さっそく社長を尋ねると「何か月も前に決めたこと」と言われてしまった。
只、辞めると決めても、取引先、従業員にはたっぷり?の時間と工場設備も好条件で・との事。

確かに、機械屋とすれば稼働中の機械販売はリスクも少なく、買い上げ価格も二割は高くなる。
心配な従業員の気持ちと工場稼働人員は研修生の調整で最後の日まで大丈夫とのこと。
外資でもいい、施設や機械を存続できるところが見つかれば一番イイのだが・・・

誰にも迷惑の掛からない、少しでもムリの掛からない辞め方。そんな廃業もあるんダ。
これまで、突然の廃業、倒産になれば、ほったらかしの繊維機械を見てきた自分には考えてしまう。

「辞められない!」これは自分自身のメンツだけかもしれない。
本当に他人のことまで考えれば、廃業もひとつの前進なのかもしれない。

正直、廃業は寂しいし自分にも厳しい。でも今回はすなおに受け入れ、出来る事があれば応援したい。

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メンテお気楽日記 8月20日 カムトラバース一錘機 試作中

2012-08-21 | メンテナンスお気楽日記
今年のお盆はダラダラと長~い感じ。17日のチョイ仕事を除けば一週間以上のお休み。
自営業の夏休みは正直つらい。体の持っていき場がないと、とても不安になる。

先週手に入れた石川製シュワイダーのお釜で1錘立てのワインダーを作ろうと思っても、
材料屋さんも電装屋さんもお休み。自前の部品とホームセンターでの材料集めで、先行発進。

まずはフレーム。アングルで組めばしっかりした物が出来るだろうが、今回は試作機、
ホームセンターのスチール棚で代用。予算で考えれば二割ってとこ、少々不安が残る。

モーター取り付け位置も当初のプランを変更して、お釜の横に並べることにした。
見た目やカッコは気にしないで、まずは糸が捲けることだけを確認したい。

産業機からのお釜取り、色んな「仕掛け」が付いている。単純化するためには
必要な装置か、代用部品で対応できるか、簡単に分解する訳にもいかない。悩みどころ。

たとえば、綾崩し装置やラチェット機構、捲き径変速装置も小型機ではスペースが取れない。
もちろんフィードローラーやオイリングは取り外し、極力単純化しなければならない。

救いは、家庭用100V電源で200Vモーターを回すためのインバーターの組み込み予定。
インバーター装置なら速度調整もできるし、外部操作回路を使えば糸切れセンサーや
定量?タイマーの組み込みもできる。機械機構を電気回路にすれば、相当小型化出来る。

ところが肝心のインバーターが手元に届いていない。10日に注文を掛けたが、土日と重なり
「盆明けの納品」ということで、せっかくのヒマな時間?をモンモンと過ごした。

今日?明日中には入荷するだろうが、準備は出来ている。と、言っても
機械が動いてからの仕事の方が大変だと思う。なんせ綺麗に捲くための機構部品を外しての
単純ワインダー。問題は糸を捲いてみないと解らない。

後悔か?満足か?ヒマに託けてえらいものに手を出してしまったかナ?
盆明けには、本業のメンテナンスで飯代も稼がなければ生活もままならない。大変だワ。

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メンテお気楽日記 8月11日 世の中にない?機械

2012-08-11 | メンテナンスお気楽日記
                コニカルワインダー一錘分のお釜。これからどうする???

世の中には器用な人がけっこういるらしい。

うちに入って来る電話でも「ドラムを一本わけて欲しい」
「紙管をはさむところの部品がないか?」など自作?のための問い合わせがある。

中には「イタリー撚糸機の2~3錘機を作りたい、部品が集まるかな?」なんてのも
ここまで来ると、相当の知識がなければ出来ない仕事。ないモノを作ろうとするエネルギーはスゴイ。

もちろん、糸に関しての素人さんではないと思うが、産業機械では合わない仕事、ロスが大き過ぎる仕事。
その為には、自分の仕事にあった機械を探すが、まず出てこない。あっても試験機価格では手が出ない。

そこで自作を考えるのだろうが、三筋のように同じ部品の組み合わせなら簡単?だろうが、
世の中にない?機械を作ろうとすれば、時間と根気。知識と知恵。タイミングとチャンスが必要。

まず部品集めにしたって、短時間ですべてが揃うとは考えられない。
たえずアンテナをはって張って、情報と知識を吸収しなければチャンスはやってこない。

ある程度部品が集まったとしても、焦ってはいけない。ここからが本番というか問題続出。
寄せ集め部品を組み合わせれば、必ず不具合が起こる。ここでは知恵での対応が必要になる。

産業用の完成機械。これらには多くの技術者の知識と長い経験(時間)を経て仕上がったモノ。
いくらイイとこ取りの寄せ集めで作ろうたって、それぞれの機械の特長・癖は簡単でもない。

世の中にない?機械。それは必要のない(なかった)機械か、最初から無理と解っている機械。
只、機械を小さくすれば出来ると思うのは、独りよがりに成りやすいし技術の逆行でもある。

自分で機械を作るのは楽しい。仕事が出来ればもっと楽しい。
その為には、仲間や友達の知恵や知識を貪欲に利用するのが一番。

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