三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 11月23日 中古機械の限界?

2016-11-23 | メンテナンスお気楽日記
相変わらず、中古機械の問い合わせはあります。ところが、なかなかヒットしません。

特殊仕様(機械)のせいなのか?他社・他機種のせいなのか?せっかく探しても仕事仕様が違う。
三筋ワインダーなら、どうとでも?改造できるのだが、他社部品となると、交換部品もない。

もう、作ってない機械がほとんどなのだが、当然、部品調達も、ままならない。
一台限りの仕様改造も、やろうと思えば出来るのだが、大きな課題がある。

仕事ができるワインダーに仕立てるまでは、試行錯誤が必要となる。
「ああでもない、こうでもない」張力調整にスピード調整。糸のクセも重要なポイント。

古い機械を使いこなしている工場には、大抵、工場長かメンテのおっちゃんがいた。
だからこそ、使いこなせたと言っても過言ではない。機械のクセもある。


そりゃ、中古機械ならば、新台の1/10とは言わないまでも、1/5での設備投資。
中古機械情報が欲しいのも解るが、使えない機械では、意味がない。それ以下です。

機械を使いこなすには、知識と経験。それと消耗部品に修理部品。時間と経費が必要となる。
納品して、糸をかけ、ボタンを押せば、仕事が出来るってモノでも、ゼッタイない。

近くなら、多少のお手伝いも出来るが、どこまでと言われると、社員の立場でもない。
遠方や旅先なら、なおの事、何時間だけの説明になる。電話だけの場合もある。

中古機械を使いこなすには、それなりの覚悟と心構えが必要という事です。

それがイヤなら、新台をお勧めします。使い方が解らなければメーカーに聞ける。部品も安心です。
お金を稼ぐのが機械ですが、いつの頃からか、機械・中古機械は安い!って事になっている。

今さら、それが当然の価格です。と言っても、手が出せない現状もオカシイのです。
メーカーが機械を作ってこそ、機械の開発、産業の発展が進むことも、考えて欲しい。

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メンテお気楽日記 11月21日 外注工場のありがたさ

2016-11-22 | メンテナンスお気楽日記
11月の後半、朝の6時6時半といったら、まだ薄暗い季節です。

犬との散歩コースに、三軒の糸へん加工工場があります。一軒は女工さんを雇っているが、後の二軒は
家内作業です。薄暗い散歩道の中、三軒とも、明かりが灯っています。機械音も聞こえます。

「朝飯前の一仕事」ってことかと、気にもならないが、よくよく考えたら「ありがたい」工場です。
夜なべ・朝がけ。納期に対応するため、約束を守るため、時間を惜しまず作業をこなす。
不良巻きが出れば、再仕事手間も当然のことの様にやっているのが「外注委託工場」です。


企業の「工場内機械」では、こんな事は出来ない。8時半過ぎから作業に入り、4時にはパートさん達が
帰宅します。時間内ノルマ?優先となり、糸の品質、機械の管理もおろそかになりがちです。

当然、機械の稼働時間が少なければ「納期遅れ」が発生し、巻き糸の事故率も高くなります。
そもそも、女工さんに機械管理まで望むこと自体無理です。メンテのおっちゃんがいてこその時代でした。


外注委託工場の、信頼性とありがたさ?も充分解ってているハズなのに、廃業の流れは止められない。
高齢化問題だけではない事も、解りきっているのに、対応の遅れが足かせとなり、後継者が育たない。

外注委託工場の技術やテクニックを、自社設備で出来るか?って事も、大きな課題です。
そもそも、伝える手段がないのも現実です。テクニックは人の手によって伝わるべきモノです。

メンテの意見を言わせてもらえば、3~40年と使ってきた機械が、あと10年いや5年持つかと言えば
返事のしようがない。おそらく部品供給もままならず、廃棄処分が正解だろう。

外注委託工場からの修理依頼は、自分自身にも考え込む事も多かった。
「モーターの音がオカシイだろう」「このベアリングが熱をもっている」それ程でもない?事例が気になる

そのことが、製品の品質、しいては機械管理をも維持していた。

「亡くなって分かる親のありがたさ」なんても言ってられない、これからは、現実として自分自身が、
子を育て、ものづくりを育て、維持していかなければならない立場でもある。

答えは「どうしたいか?どうすれば?」を自分自身で考え、実行しなければならない。

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メンテお気楽日記 11月16日 関係者以外?立入禁止

2016-11-17 | メンテナンスお気楽日記
自分自身が、お気楽なのか?、無頓着なのか?、客先工場への出入りは、あまり気にしていない。

メンテナンス・修理依頼との、立場もあるだろうが「立ち入り禁止」の扉をサッサと入ってしまう。

いつのまにか「立入禁止」の札を、関係者以外(素人?)が工場内で事故を起こしてもらっては
困るとのプレート・一冊と、勝手に判断していた向きがある。


確かに、以前は?大企業の受付門で、名札を受け取り、入社・出社を記載。初めての立ち入りの際には、
名簿記載の中に、血液型まであった。某自動車関係では、他社車両は門外駐車とのバカげた?指示も。

前にも書いたが、納品トラックの運転手がトイレを探しに、施設内をウロウロしていただけで、
始末書?を一筆なんて事も。前を押さえて言い訳をする運転手が目に浮かぶ。


そりゃ、初めてのメンテ依頼工場。見知らぬおっさんがウロウロしていたら、怪しく?もある。
実際、初仕事の際、修理機台をわざわざ?別棟に移動しての作業もあった。それ以降は工場内メンテです。

工場内立ち入り者のために、白衣やキャップが用意され、内履きに履き替えての工場もある。
でも、一度も着たことがない。作業服のままサッサと施設内へ、で、なければ作業もままならない。

「見学者」と「作業者」の立場は大きく違う。外部の人?に、もし何かがあれば、工場責任となる。
作業者も同じだが、メンテナンスには「仲間意識」が存在し、警戒心が薄れる面もある。


以前は「出入り業者」は確実に「限定」されていた。と、言うのも、たとえメンテナンスであろうと
他社・他人が工場内へ入れば、自社技術が盗まれる?との懸念があった。もちろん、ちょつと見で、
解るハズも無いのだが、そこは、工場のこだわりと自信だったかも知れない。

まさに「関係者?立ち入り禁止」の意識も存在した。

後日、設備機械調達?の企業が北陸を尋ねます。設備一括として世話できる業者もなく、追々専門
業者の紹介となり、はたして加工機械(技術)の流れが出来るのかも懸念されました。

その為には、現場紹介で、一括して機械の流れを見て頂くのが、早決かと思い、出入り工場への
打診をしましたが、やはり、「関係者・立ち入り禁止」のカベはありました。

今回は特に、自社加工技術を競う業界であったことも、大きな要因であろうが、
「製品は売りたいが、技術は守りたい」のが、正直なところかも知れない。当然かも。

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メンテお気楽日記 11月13日 レストア検燃器

2016-11-12 | メンテナンスお気楽日記
大阪の〇〇さん、よく5ヶ月前の記事まで、見ていただきました。つい、嬉しくなってメール添付する
写真で、ブログアップしたくなりました。

「電動検燃器」は、まだ在庫状態です。客先倉庫で見つけたボロボロの状態から、手間ひま掛けて
思い入れの一品に仕上げました。只、塗装色の選択を間違い?多少心残りともなっています。

問い合わせがあれば、その時は、格安でも、お世話すればイイかな状態のまま、現在に至っています。
その間に「25㎝タイプの手動式検燃器」も整備して、仲間入りしています。

笑い話の「糸商らしく見える」骨董品飾りではなく、実働試験機として、使用できます。

電動検燃器も「嫁」に出すつもりですが、知っての通り、毎日使う機器でもありません。
市内の事務所には、スペース的にもムダと感じます。なにより、スパン糸ニット糸が専門との事なので
「25㎝の手動式」をお勧めします。撚り数が少なければ、手回しで充分「検燃」出来ます。

「電動式検燃器」は、撚り数が1800~2400TWの検査機器として開発されました。
50㎝検燃なら、2倍すれば撚り数が計算され、正確差も魅力ですが、電動検燃器でも3・4回テストを
繰り返し、平均値を計算しているのが、試験所の現状です。

笑い話ではなく、25㎝手動タイプは、木製台にクロームメッキ仕上げ(又は真鍮製)の機器で、
年期が入り、貫禄すら感じることが出来る。電動はペンキの色を間違えると、機器感が飛んでしまう。


その他の検査機器については、現在も新品機器として製作している企業もありますが、追々
どんな工場でも、手に入れられる価格ではありません。検査機器は特殊製作となります。

お探しの中古機器にも、「問題」があります。簡単に言えば「正確か?」って事です。
出てくればイイってモノでも、ありません。その為に、数値対比のテスト確認が必要です。

さいわいにして、自店近くに「絹糸検査協会」がある為、検査料は必要だが、中古機器の
持ち込み対比が出来るのが心強い。

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メンテお気楽日記 11月11日 試作糸・試験機

2016-11-12 | メンテナンスお気楽日記
「機能性特殊糸の試作中」との事でした。見本糸はもちろん、話題にすることも禁じられました。

一応、どういう状態(給糸)から、どういう形(紙管)に巻きたいのかは確認しましたが、
糸の特性や、クセ、加工注意点は、外観から想像するしかありません。ちょっと疑問も残ります。


機料店は三筋ワインダーでの試験機なら、経費が抑えられると思ったかも知れないが、糸質によって
最初から、コニカルトラバース(カム機構)を勧めたい仕事もある。今回も出来れば、カム機構・・

ところが、機構が複雑な分、大型化になり試験室?に収まらない。経費もドラムワインダーの様に
小型化するには問題点が多く、改造している時間もないと言う。

「ドラムワインダーでの欠点や対応策が分かれば、生産時のプランになる」との事で、話は一歩前に。

でも、糸質による問題点は解決した訳でもありません。接触摩耗を少なくしたいとの事で、糸口トラバースを
お勧めしたのに「撚り変化にも注意が必要」との事。これじゃ、ドラムトラバースの欠点を確認する為の仕事?

当然?給糸は「ころがし給糸」です。スピードコントロールが必要なので、インバーター装置も要ります。
100V用のインバーターセットはオリエンタルにあるが、120Wまでで新規購入となる。200Vの
中古モーター使い、尚且つ100V電源となると、三菱の100V入力200V出力の装置が必要。


希望された仕様に「定長装置」もあります。「高価な糸だから、1000m巻きで納品したい!」

タイマー停止なら、簡単に組み込むことが出来るが、スピードも決まらない段階で、何秒で何メートル巻ける
かの計算もできない。リールカウンターの実測方式が必要となる。

接触摩擦テンションを考えれば、無接触方式にしたいが、装置とワインダーが同額?になってしまう。
ここでも、張力負荷の少ない?プーリーを使い自作カウンターを作ることとなる。中古の三英測器を分解し
プーリーのみ回転(一周25㎝)をセンサーでカウントし、モーターを停止させることとする。


「世の中にないモノを考える・作る」って事は、開発・製作費用が当然?とも考えるが、
自分の場合は、中古ワインダーを分解して小型化、中古部品を寄せ集めて、装置を作る。

「考え賃?」も請求できないが、中古機械・中古機器のため、それなり?の価格にもなってしまう。
機料店は「それが、三筋しか出来ない処」っても言うが、じゃ、自分はいつ儲けたらいいんダ?


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