A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

未読日記1053 『FLAG 2014 ARCHIVE』

2015-07-11 23:22:35 | 書物
タイトル:FLAG : Foreigner's Live Art Guide : A Bilingual media for the archival of art events in Osaka : April 2014 - March 2015
シリーズ名:OOO Press_001
編集:後藤哲也、ダンカン・ブラザトン、浜田茜
デザイン:後藤哲也、浜田茜
翻訳:ダンカン・ブラザトン、後藤哲也
印刷:大伸社
発行:[大阪] : OOO Press
発行日:2015.4
形態:1冊 ; 30cm
注記:ed.085/500
内容:
FLAGは、大阪のアート情報をバイリンガルで発信するフリーペーパー。2009年の創刊以来、年度毎に発行形態を変えて発行してきました。2014年度は「展覧会と人を記録すること」を目的に、隔月刊で計6号を発行。本冊子は、それらを一冊にまとめたアーカイブ版です。(表紙裏より)

Apr-May
Jun-Jul
Aug-Sep
Oct-Nov
Dec-Jan
Feb-Mar

購入日:2015年7月11日
購入店:the three konohana
購入理由:
 発行毎に入手していたFLAG 2014年度版のアーカイブ。おそらく2014年度は6号すべて持っていると思うのだが、こうして1冊に合本されると探す手間が省けてよい。2014年度のFLAGはレビューが掲載されたのがすばらしいことだった。日本でアート情報(プレヴュー)はあるが、レビューはほとんどないからである。ただ、「展覧会と人を記録すること」の執筆者はというと、関係者の友人知人ばかりで同人誌的傾向は否めなかったが、フリーペーパーはそういうものだろうとも思う。
 このFLAGも今回で休刊だという。そう思うと、何がアーカイブだと愚痴りたくもなる。アーカイブは続けなければならない。とはいえ、言水ヘリオさんがかつて発行していた東京のギャラリー情報誌「etc.」しかり、この種のアート情報誌は個人で始めたプロジェクトゆえ、いつか終わる宿命でもある。


【ご案内】つくるビルゼミ7月&つくるビルゼミコラムvol.10

2015-07-10 07:19:48 | お知らせ
今月のつくるビルゼミでは、この夏に読みたい本、夏の課題図書100冊を参加者の皆さんとともに選びたいと思います。今回は、事前課題としてブックリストのご提出をお願いしております。どうぞお気軽にご参加ください。

つくるビルゼミ7月開催
「つくるビルブックス 夏の100冊」
http://www.tukuru.me/?p=4783
2015年7月21日(火)19:00~
つくるビル403号室

先月のゼミ内容は以下のコラム参照。
つくるビルゼミコラム vol.10 「美術の旅行術」
http://www.tukuru.me/?p=4880

【ご案内】木野智史展「夕凪」

2015-07-07 23:39:41 | お知らせ
本日より始まります木野智史展の展覧会DMにテキストを寄稿させて頂きました。
お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

木野智史展「夕凪」
2015年7月7日(火)―7月19日(日)※7/13(月)休廊
ギャラリー恵風

トークイベント:木野智史×野口健×平田剛志
2015年7月11日(土)17:00~
ギャラリー恵風

未読日記1052 『YUKARI ARAKI WORKS 2007 - 2014』

2015-07-06 05:47:17 | 書物
タイトル:荒木由香里作品集 : YUKARI ARAKI WORKS 2007 - 2014
Planing & Direction:天野智恵子(AIN SOPH DISPATCH)
Creative Direction:荒木由香里
Edting & Design:白澤真生(LENS ASSOCIATES)
Photograph:山口幸一(α SCOPE)、尾崎芳弘(daruma)、香村聖文、怡土鉄夫、大谷一郎
Translation:Tom & Nick
発行:名古屋 : AIN SOPH DISPATCH
形態:[56]p ; 21cm ; ドローイング付き
内容:
[テキスト]荒木由香里
図版
[テキスト]村田真宏
「荒木由香里さんのこと」庄司達
Profile
Thanks to

購入日:2015年7月5日
購入店:AIN SOPH DISPATCH
購入理由:
 本書は、名古屋のギャラリーAIN SOPH DISPATCHが、協賛システムとして制作・配布するアートブックの第5弾。毎回、取扱作家1人を取り上げ、作品集に小品がつく。販売はせず、協賛金を支払った人のみが入手できるということで、荒木由香里作品に注目していた私も半年前ぐらいに予約をした。その後、バタバタとして忘れていたが、今年の春頃に完成の連絡があり、この日ようやく受け取りに伺えた。

 本は思ったより、しっかりとしたデザインや装幀でこの種の作品集としては、とても満足のいくものだった。テキストがあるのもいい。作品をまとまって見るのはウェブでも見れるが、本だと作品の変化・変遷がわかりやすく見える。
 近年の日本の美術館では若手から中堅まで、作家がまとまった展示をする機会があまりない。ということは当然、図録もつくられない。やはりこれまでの作品をまとめてみる機会というのは重要な気がする。その意味で作品集制作というのは、作家だけでなく観客にとっても、作家の総体をつかむ上でとても有益だろう。

未読日記1051 『絵はがきの時代』

2015-07-05 08:00:59 | 書物
タイトル:絵はがきの時代
著者:細馬宏通
装幀:高麗隆彦
発行:東京 : 青土社
発行日:2006.6
形態:299p, 図版 [4] p ; 20cm
内容:
手に入れ、書きこみ、送り、受けとり、見つめ、所有する。行き来する身ぶりの近代史。
近代の視覚技術を集大成したメディアとしての絵はがき。その誕生から、旅行と蒐集、消印と投函、ピンポンとの意外な関係、爆発的日本ブームまで。手彩色、透かし絵、3Dなど稀少品の数々を紹介しながら世界の絵はがき史をふりかえり、メディアと身体との関係に新たな光を投げかける。

目次
漏らすメディア
絵はがきの中へ
旅する絵はがき
アルプスからの挨拶
あらかじめ失われる旅
わたしのいない場所
透かしは黄昏れる
セルロイドエイジ
一枚の中の二枚
カードとディスプレイ
ミカドとゲイシャの国
カール・ルイスの手紙
シカゴみやげ
洪水と空白
色彩と痕跡
画鋲の穴
あとがき

購入日:2015年7月4日
購入店:Amazon.co.jp
購入理由:
 Gallery PARCで行われた「田中秀介:私はここにいて、あなたは何処かにいます。」展へのレビューテキスト参考文献として購入。
 本展は、田中秀介の一日の流れをもとに魅力的な絵画が並び楽しませてくれるが、言葉にしようとすると難しい。そこで思い出したのが田中が収集しているという絵はがきであった。まずは、絵はがきについて調べようと思い、以前にも読んだ本書を再読することにした。以前は図書館で借りて読んだので、今回新たに購入。細馬宏通の文章もとてもうまい。すばらしい日本語だと思う。

未読日記1050 『ライトアーカイブス膝版』

2015-07-04 06:39:48 | 書物
タイトル:水内義人 ライトアーカイブス膝版
並列タイトル:Yoshihito Mizuuchi : Light Archives Knee version
著者:水内義人
発行:[出版地不明] : Mrs.triangle(MT-006)
発行日:2015.4
形態:1冊 ; 20×21cm ; 音声ガイドCD付属
注記:ed.38
内容:
作家略歴
ぺらっとめくる前に
図版
作品解説

購入日:2015年7月4日
購入店:ホテルグランヴィア大阪26階(ART OSAKA 2015)、room6107(FUKUGAN GALLERY)
購入理由:
 大阪・FUKUGAN GALLERYにて2014年に開催された「水内義人のライト アーカイブス ~パブリック・パブリッシュ・パブ~」の展覧会カタログでもあり、水内義人の2001年から2014年までの作品や活動を付属の音声ガイドと共に振り返る作品集。6月にFUKUGAN GALLERYに「上田よう、北浦和也、ミルテン」展に行った際、作品集が置いてあったのだが、値段がわからないとのことで購入できなかったが、ART OSAKAに行った際、良心的な価格で販売されていたので購入。

 水内義人は展示、パフォーマンスを中心に国内外で活動するアーティスト。他に、高橋さんのみ参加できる「高橋さんの会」、地球を丸ごとコピーする「スキャン・アース」、1人コントユニット「DJ方」、バンド「巨人ゆえにデカイ」、「おなら選手権大会」なども行っている。作品にはスカトロジーな要素が多いが、不快さはあまりない。むしろ、スカトロ的な要素を入れつつバカバカしいまでにキッチュ、ポップな作品へと昇華させてしまうのが水内の才能だろうか。通覧するだけでも、カオス感が満ち、中学生並みのくだらなさの放出と無意味さに清々しい感動を覚える。なぜ、水内義人がヨコトリやパラソフィアなどの国際展に選ばれないのかと思う。
 
 ちなみに、ティッシュを挟んだダブルクリップは、本書が無製本のため、バラけず傷めないよう配慮したものなのだとか。以前に映画『谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座』のDVD初回盤には特典として鼻血付きティッシュが同封されていたことを思い出した。