生物の種がずっと生き残り、個体の数が増えていくのは、ものすごくラッキーなこと。人類全体も個人も、幸運に支えられたからこそ、今ここにいられるんだと思うんです。死んだ祖母がよく、「生きているだけでまるもうけ」と言っていたことを思い出します。魚は何万個も卵を産むけれど、ほんの少ししか生き残らない。生き残るってすごいことなんです。それだけで、ありえない幸運なんです。
川上弘美「私たちはどこにいるのか」『朝日新聞』朝刊、2017年1月1日
生き残る幸運がありますように。
川上弘美「私たちはどこにいるのか」『朝日新聞』朝刊、2017年1月1日
生き残る幸運がありますように。