A PIECE OF FUTURE

美術・展覧会紹介、雑感などなど。未来のカケラを忘れないために書き記します。

memorandum 166 信じる

2014-07-10 23:36:27 | ことば
 「信じる」とは何か。「信じる」というと、神や宗教の教義への信仰心がすぐに頭に浮かぶが、そのことなのか。「信じる」ことは、必然的に、理性や合理的思考とは対立するもの、あるいはそこから離脱したものなのだろうか。「信じる」という問題について考える前に、まず、理にかなった信念と根拠のない信念とを区別しなければならない。私のいう根拠のない信念とは、道理にかなわぬ権威への服従にもとづいた、(ある人物や理念への)信仰のことである。それにたいし、理にかなった信念とは、自分自身の思考や感情の経験にもとづいた確信である。それは、何かをやみくもに信じることではなく、私たちが確信を抱くときに生まれる確かさと手ごたえのことなのだ。信念は、人格全体に影響をおよぼす性格特徴であり、ある特定の信条のことではない。
エーリッヒ・フロム『愛するということ』鈴木晶訳、紀伊國屋書店、1991.3.


人に対して信仰を抱く人ってよくいる(本人はそう思ってないみたいだけど)。