両津から鷲崎方向に向けて走行し、見立集落にさしかかると、やがて右手に「見立観音」の白い標柱が見えてくる。内海府海岸道路を走行した時、いつもこの標柱が目に入るので一度じっくりと訪ねてみたいと思っていた。坂を下る感じで下りて行くと、観音堂の屋根が見えた。お堂があるだけで、それ以外の付属物などは一切なしの実にシンプルなお堂である。内部は改装工事中のようであった。真中にご本尊の正観世音菩薩があり、太鼓やお供え物があるだけだ。この見立観音、見立集落の村社としての役目も担うようで、集落へと続く石段があった。観音堂の隣は集落の墓所になっていたが、その中に、五輪塔の頂上部分だけがぽつんと残されているのを見つけた。お堂の周囲は鬱蒼とした杉木立で、夏に訪ねるとさぞかし海からの風が心地よい場所なのだろうと思われた。見立は、源頼朝の家臣三浦一族ゆかりの地だが、源氏の守り本尊がこの地に残ったのが見立観音なのかもしれない。
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