外海府クルーズの出航時間まで40分ほど時間があったので、鷲崎集落内をそぞろ歩いてみた。この鷲崎は冬の鰤起こしの頃の大謀網と若布の養殖で有名だ。集落の入り口には「せこの浜洞穴遺跡」がある。漁業が主体の集落だが、家々は山肌にへばりつくように建っている。かなり立派な郵便局と鷲崎文化センターがある所から山側へと階段を登っていくと、空き家が一軒見つかった。更にその上には洒落た門構えのおうちがあった。見ると「庭園管理士」の表札が掲げられていた。さもありなんと感心しながら更にその左隣を見たら、かなりモダンなおうちがあり、その左隣に観音寺というお寺があった。このお寺は昔は保育所も併設していたようで、門柱の表札にその名残が見てとれた。ここのご住職は波の写真を撮るのに長けているらしく、それらの写真集を発刊していることで有名だ。このお寺は、集落の一番高い所に建っているため、ここからの眺めは誠に素晴らしい。
このお寺から、せこの浜洞穴遺跡方向へと歩いて行くと、小さくて可愛い神社の祠のようなものが見えた。中を見たら鷲崎金毘羅宮と書いてあった。航海の安全と大漁を祈願する神社であろう。かつて真冬の頃にこの集落を訪ねた事があった。その時はただの寒村という印象しか受けなかったが、夏にはまた違った顔を見せてくれた。