佐渡の翼

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民宿「はやし荘」の朝食    投稿者:佐渡の翼

2011年11月19日 06時31分08秒 | 佐渡のお宿評価

民宿「はやし」のご主人は、問わず語りに「明日の波は0.5メートルから後1. 5メートル、午後は漁に出られないかもしれんなあ~」と言った。筆者が「え~、その程度の波で、もう駄目なんですか?」と問うと、「真更川は西風が弱いのでねえ~」と答えた。何故西風が弱いと船が安定しないのかはよく分からなかったが、決して海を甘くみない漁師の言う事である、それは真実であろう。ご主人は釣りの奥深さを熱っぽく語った。還暦おじさんもそれに呼応し、二人の釣り談義は次第に熱を帯びてきた。還暦おじさんは「鯛と言うのはね、餌針を飲み込んでから一旦吐き出し、再び飲み込む習性がある。その二度目の飲み込むタイミングを瞬間的に捕えて引かないと逃げられるんだよ」と言った。それを釣り仲間の隠語で「はずし」とか何とか言うんだとおじさんが言ったように記憶している。誠に、釣り逃がした魚ほど大きいものはないのである。お見合いに臨む女の子の経歴を記載した書面を「釣書」と言う、人間とて同じだろう。真更川は、大ざれの滝から栄養分豊富な水が絶えず海に流れ込むのでいい魚が釣れるのだそうだ。この「はやし」さんには、年に数回佐渡を訪れる釣り人のリピーターの宿泊が絶えないのだと言う。ご主人が釣りから帰宅し、その釣果で料理を始めるため夕食開始時間は不規則である。この民宿には可愛い小型犬がいた。この犬が筆者らの部屋に入ってきて、筆者の太ももあたりをくんくん嗅ぎだした。「うわあ~」と言うような顔をしたらご主人がそれを目ざとく見つけ、「おや、犬がお嫌いなんですか?」と問うた。筆者が軽く頷いたら、ご主人は素早く犬を抱き上げながら外へ出て、そっと部屋のふすまを閉めた。「別に、可愛い犬だから、女と同じで傍にいてもいいんだけどな」と心の中でつぶやいてみた。

 

翌朝は午前3時に釣りおじさんのトイレの扉をがたがたやる音で目が覚めた。このおじさん、午前4時頃までトイレに出たり入ったりを繰り返した後に釣りへと出かけていった。午前6時に鴨島を見に外へ出てみた。室内はけっこう冷えていたのに外は暖かい!海が暖気を運んでくるのだ。見ると真更川漁港の堤防には幾人かの釣り人が釣り糸を垂れていた。朝食は午前7時半に昨晩と同じ部屋に用意してくれていた。干しかれいが、その焼き加減と微妙な塩味が抜群で美味かったな。揚げ茄子、長いもの千切り、トマト、漬物、ワカメと豆腐のお味噌汁、これに、おじさんがお土産に必ず所望するという美味しい真更川産のご飯で食す民宿の朝飯だ。高級ホテルでの朝食もいいが、こんな構えずにお気楽に食べられる朝食もたまにはいい。一泊二食とビールのお代はたったの7980円!今日のカーフェリーはおじさんと同じ便だと言う。おじさん、見かけても声かけなくていいからね。

 



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