![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/e1/a19fd5204a32a6f4a155764603bf1f49.jpg)
まず奥様が飲み物メニューが書かれた黒板を置き示しながら、飲み物の注文を伺いに来た。筆者は「お水だけでよろしいですよ」と答えておいた。店内は六基の照明があるだけの暗い環境下であり、ソニーα99にはちと厳しい撮影条件であった。アミューズは、かぼちゃのローストに小麦粉と刻んだ胡桃をまぶした一品で真中にイタリアから取り寄せたオリーブが一つ。ほっこりしたかぼちゃの甘味と胡桃のほろ苦さが旨みを引き立てる二重奏的な役回りを演じていた。次いで前菜は、茹でた春野菜のベアルネーズソースかけである。太くて大きなグリーンアスパラ一本と5本のこごみが並んでおり、ソースには山椒、三つ葉、ノビルを混ぜると言う凝りようだ。ウィキペデイアに寄れば、「ベアルネーズソースとは、澄ましバターとエストラゴン、エシャロット、卵黄、セルフィーユ、酢をとろ火で煮詰めて作るソースであり、フランス料理の伝統的なステーキソースである。このソースのような乳化現象を利用した調理には、周到な下準備が要求される。主な失敗例は、熱を通し過ぎることによる卵黄の凝固と、澄ましバターを加えることを急ぐことによる乳化の失敗である」だそうで、一人客の1万円コースのためにかなり前から下準備を重ねたのであろう、完璧なソースの仕上がり具合だった。御野菜は勿論佐渡産で、ソース共々珠玉の味わいである。ここで、佐渡産の小麦粉「雪力」で作成したと言う自家製フォカッチャとローズマリーパンが運ばれて来たが、塩を入れたオリーブ油が付属していた。「海府荘」のフレンチ食事会で、お料理一皿に付き一つのパンを貪り食ったグループがいたそうだが、そんなペース配分をするから腹が膨れてしまうのだよ。田舎者はこれだから困る!
スープはムール貝のスープで、細かく刻んだお野菜と蕨と筍が入っていたが、コンソメ味のスープで実に美味しい。ムール貝は上手く調理しないと生臭さが抜けないものだが、ここのシェフの腕前はさすがである。この段階でコース料理の半分が終了した訳だが、開始から40分近くが経過していた。このペースで行くと、コース終了までには2時間近くかかる計算になるが、お料理一皿一皿がとても美味しくかつ佐渡産食材を使用した創意工夫が満ち満ちており、時間の流れなど全く気にならなかった。
やがて、次のお魚料理のためにと海藻(もずくと思われる)を練り込んだパンが運ばれて来た。ほんのり塩味が効いた美味しいパンだったが、一個だけ食べるに留めておいた。
飲み物メニュー
アミューズ
フォカッチャとローズマリーパン
スープ
海藻パン