つづきです。
(2)保険者機能の強化を通じた医療・介護保険制度のセーフティネット機能の強化・給付の重点化、逆進性対策
にいきます。
こちらはさらに4つのテーマに分かれています。
これらについて、それぞれ充実と効率化があるため、テーマごとに見ていきます。
a)被用者保険の適用拡大と国保の財政基盤の安定化・強化・広域化
①短期労働者に対する被用者保険の適用拡大
②市町村国保の財政運営の都道府県単位化
③財政基盤の強化(低所得者保険料軽減の拡充など)(2200億)
b)介護保険の費用負担の能力に応じた負担の要素強化と低所得者への配慮、保険給付の重点化
★充実
①1号保険料の低所得者保険料軽減強化(1300億)
★重点化・効率化
①介護納付金の総報酬割導入(完全実施で▲1600億)
②軽度者に対する重度化予防に効果のある給付への重点化
c)高度・長期医療への対応(セーフティネット機能の強化)と給付の重点化
★充実
長期高額医療の高額療養費の見直しによる負担軽減(1300億)
★重点化・効率化
受信時定額負担→つまり、受診時に100円プラスする話です。これで▲1300億の効果ということでしたが、流れそうですね。
d)その他
ここでは、充実と重点化・効率化双方に高齢者医療制度の見直しが横たわっています。
高齢者医療制度については制度改革会議のとりまとめがあり、それを踏まえて高齢世代・若年世代にとって公平で納得のいく負担の仕組み、
支援金の総報酬割導入、自己負担割合の見直しなどを考慮しています。
★充実
①総合合算制度の導入
→医療費の窓口負担や介護保険の利用者負担、保育料といった費用の総額に、世帯収入に応じた上限を設ける制度。
導入することなどで低所得者対策を強化する一方で、所得がある高齢者の負担増などによる医療・年金・介護給付の抑制効果がある。
②低所得者対策・逆進性対策(逆進性:低所得者ほど負担が重くなること)
★重点化・効率化
①ジェネリックの利用促進、医薬品の患者負担の見直し
②国保組合の国庫補助の見直し
これら、(1)(2)を合わせて、充実で2.4兆円、重点化・効率化で1.2兆円(変動あり)を見込んでいます。
短時間労働者への被用者保険の拡大などは、現在の状況にマッチし、セーフティネット機能の強化という面では非常に大切だと思います。
特に、若年層ほど短時間労働へと押し込まれている状況なので。
しかし、100円プラス案(高額医療費の財源に相応しいかは微妙ですが)や、70~74歳の医療費患者負担の2割への引き上げなどは見送られる
ような流れですし、このままですと充実の割に重点化・効率化はかなり少なくなります。
そうすると、結局将来世代への負担が増加することになります。
一体改革全体で見れば、消費税増税分のうち一部を財政の健全化に充てるスキームになっています。ということは、重点化・効率化を控えれば、
その分健全化が遅れることになり、将来世代へ先送りすることになるのです。
結局のところ、誰もが賛成するような充実面は進めるものの、負担増に関しては先送りということです。
この負担先送りをずっと昔からやっているから今のような状況になっているわけで、それを現役世代や受益者で負担し、将来世代への負担を
減らそうというのが社会保障と税の一体改革です。
結局そこを政治家自身が踏み出さないと一体改革は意味を成さなくなります。これは次回の年金においても言えることですが。
最近の国政の状況を見ると、その点を思わずにはいられません。
次回は年金です。
つづく
(2)保険者機能の強化を通じた医療・介護保険制度のセーフティネット機能の強化・給付の重点化、逆進性対策
にいきます。
こちらはさらに4つのテーマに分かれています。
これらについて、それぞれ充実と効率化があるため、テーマごとに見ていきます。
a)被用者保険の適用拡大と国保の財政基盤の安定化・強化・広域化
①短期労働者に対する被用者保険の適用拡大
②市町村国保の財政運営の都道府県単位化
③財政基盤の強化(低所得者保険料軽減の拡充など)(2200億)
b)介護保険の費用負担の能力に応じた負担の要素強化と低所得者への配慮、保険給付の重点化
★充実
①1号保険料の低所得者保険料軽減強化(1300億)
★重点化・効率化
①介護納付金の総報酬割導入(完全実施で▲1600億)
②軽度者に対する重度化予防に効果のある給付への重点化
c)高度・長期医療への対応(セーフティネット機能の強化)と給付の重点化
★充実
長期高額医療の高額療養費の見直しによる負担軽減(1300億)
★重点化・効率化
受信時定額負担→つまり、受診時に100円プラスする話です。これで▲1300億の効果ということでしたが、流れそうですね。
d)その他
ここでは、充実と重点化・効率化双方に高齢者医療制度の見直しが横たわっています。
高齢者医療制度については制度改革会議のとりまとめがあり、それを踏まえて高齢世代・若年世代にとって公平で納得のいく負担の仕組み、
支援金の総報酬割導入、自己負担割合の見直しなどを考慮しています。
★充実
①総合合算制度の導入
→医療費の窓口負担や介護保険の利用者負担、保育料といった費用の総額に、世帯収入に応じた上限を設ける制度。
導入することなどで低所得者対策を強化する一方で、所得がある高齢者の負担増などによる医療・年金・介護給付の抑制効果がある。
②低所得者対策・逆進性対策(逆進性:低所得者ほど負担が重くなること)
★重点化・効率化
①ジェネリックの利用促進、医薬品の患者負担の見直し
②国保組合の国庫補助の見直し
これら、(1)(2)を合わせて、充実で2.4兆円、重点化・効率化で1.2兆円(変動あり)を見込んでいます。
短時間労働者への被用者保険の拡大などは、現在の状況にマッチし、セーフティネット機能の強化という面では非常に大切だと思います。
特に、若年層ほど短時間労働へと押し込まれている状況なので。
しかし、100円プラス案(高額医療費の財源に相応しいかは微妙ですが)や、70~74歳の医療費患者負担の2割への引き上げなどは見送られる
ような流れですし、このままですと充実の割に重点化・効率化はかなり少なくなります。
そうすると、結局将来世代への負担が増加することになります。
一体改革全体で見れば、消費税増税分のうち一部を財政の健全化に充てるスキームになっています。ということは、重点化・効率化を控えれば、
その分健全化が遅れることになり、将来世代へ先送りすることになるのです。
結局のところ、誰もが賛成するような充実面は進めるものの、負担増に関しては先送りということです。
この負担先送りをずっと昔からやっているから今のような状況になっているわけで、それを現役世代や受益者で負担し、将来世代への負担を
減らそうというのが社会保障と税の一体改革です。
結局そこを政治家自身が踏み出さないと一体改革は意味を成さなくなります。これは次回の年金においても言えることですが。
最近の国政の状況を見ると、その点を思わずにはいられません。
次回は年金です。
つづく