2月上旬。永田町・衆院議員会館内のカフェに、着物を来た恰幅のいい一人の男性の姿があった。バッジを付けた議員が来店すると声をかけ、こう名乗る。

「旧皇族の賀陽宮かやのみやと申します。最近、政治団体を立ち上げまして……」

健氏がFacebookに投稿した名刺

「愛子さまのお相手候補」賀陽宮を名乗り…

「旧皇族」とは、戦後の1947年に皇室を離れた11宮家の人々のこと。2021年には、安定的皇位継承を議論する政府の有識者会議が皇族数の確保策として、旧皇族の男系男子を養子縁組で皇籍復帰させる案を提示するなど、近年、注目を集める存在だ。

愛子さまとも“ニアミス”

「週刊文春」も今年1月2・9日号で、安倍晋三元首相がかつて「愛子さまに相応しい、Y染色体を持つ旧皇族の青年を探せ」と極秘で指示を出していたことを報じた。この指令を受けた杉田和博官房副長官(当時)が注目したのが、賀陽家の2人の息子だったのだ。

 そんな名家がいま意外な場所で話題になっている。

「今年初めから“賀陽宮の末裔”という人物が、議員会館で与野党の国会議員に声をかけているのです」(政治部記者)

高市氏の事務所内の映像もYouTubeに投稿

 その人物は「賀陽健」(仮名)と名乗っているという。議員秘書が語る。

「彼はいつも着物姿で、目立つ。賀陽家の他、麗澤大学などを運営する学校法人の経営で知られる廣池家の縁者だとも名乗っていました。『賀陽』や『廣池』の名前を聞いて信用した代議士も多く、高市早苗元経済安保相も議員会館の事務所に招き入れていた。ただ、 当の旧皇族が自己紹介でわざわざ宮号を名乗るとは考えづらく、『本当に賀陽家の人間なのか』と困惑の声が広がっています。

高市早苗氏「週刊文春の記事は、残念すぎます」自身めぐる報道を否定

https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202503270000322.html

自民党の高市早苗前経済安全保障相は27日までに自身のX(旧ツイッター)を更新。週刊文春に報じられた自身にかかわる記事を紹介し、私見を示した。

文春オンラインでは、旧皇族の賀陽宮(かやのみや)家の“末裔(まつえい)”を名乗る人物が、着物姿で議員会館などに出入りし、日本を国際宗教都市に進化させるべき、との趣旨の主張をしていると報道。「高市早苗元経済安保相も議員会館の事務所に招き入れていた」とした。また、賀陽家側が「親戚と認識していない」と回答していることも伝えた。

高市氏はXで「週刊文春の記事は、残念すぎます」とまず一言。続けて「『旧皇族の賀陽宮家の末えいのひとりであると名のる人物が、議員会館で与野党の国会議員に声をかけており…高市早苗元経済安保相も議員会館の事務所に招き入れていた』との趣旨で、私の写真を掲載。写真の横には『高市氏の事務所内の映像もYouTubeに投稿』と記述されています」と文春報道を紹介した。

この報道について「心当たりが無い話なので、秘書に確認しましたら、私の元番記者の実家が運営する学校法人の名前を使って議員会館の受付を通り、急に議員会館の事務所に来た人だそうです」と説明。「名刺が学校法人のものではなく、話も変だったので、事務所入口横の応接室で秘書が短期間だけ応対し、帰って頂いたとの事。その時に勝手に応接室の写真を撮ったのかもしれませんが、私の不在時だったので、私には会っていないという事でした」と経緯を記した。

その上で「週刊文春からは掲載前に事実確認の電話も無かったそうですが、『私が議員会館に招き入れた』という事実はありません」と自身についての部分の報道を否定した。