怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

ご飯が旨い②

2009年06月16日 | 食べ物
実家から援助物資が届いた。
これを読む人のほぼ100パーセントは日本人か日本に住んでいる人だろうから、
写真を掲載するほど珍しいものではない。

が、思わず記念に撮影してしまったので、見てもらおうと思って
ふりかけ、ふりかけ、ご飯のお供だ、うれしいな。
10キロも米を買ってしまったのである。消費に勤しまなくては。

3、4年前の話だ。
日本にいた頃、推定年齢50歳代後半の女性と少々親しくしていた。
外国旅行好きの彼女、わたしの付き合っている人がヨーロッパ人ということで、
わたしに、興味を持っていたのだろう。
日本が「エコ・エコ」言い出して久しい。
そのF子さんも多大な影響を受けたようである。
ある日あるとき、わたしに提案してきた。
「無洗米は磨がなくていいから環境にいいのよ、りすさんちでも使ってみて」
とのこと。
まあ、どうでもいいことなので「はいはい」と答えておいた。
私は変える気はないし、実家の台所は親が支配していたので米の品種に口を出すのは難しかった。

こうした環境問題に関心のある奥さまたちに辟易することが多いのだが、
どうして不快な気分になるのか当時はわからなかった。
エコの姿勢を示すことが自分の道徳性を示す証、エコさえ守れば自分は上等の市民、
そう言いたげな態度を私は好かないのだろう。

しかし、だいたい、米のとぎ汁が環境に悪いとは少々合点が行かぬ。
米のとぎ汁を庭の植木にやったり、沈殿した米ぬかを顔に塗ってパックしたりしていた私である。
炊飯することが少ない昨今だ。主食がほぼ米しかない時代には米のとぎ汁で河川が汚染されていたのだろうか?
使用する水がもったいない、というのもおかしい。
F子さん、毎日入浴、洗濯しているらしい。


次にF子さんに会ったとき、彼女は言った。
「それでりすさんち、無洗米にした?」
驚いた。ここまでエコに熱心な彼女。
上手く答えられず、う~う~とうなっていたら、
たまたま隣にいた別の知人が実にきっぱり、さっぱりと私を助けてくれた。
「あら、無洗米はまずいから私は食べませんよ」
この一言で私は救われ、F子さんの私への要求は終わった。
すっきり爽快だった。

あれから、F子さんとは無洗米のことだけでなく、
他のいろいろな点で気まずい思いをすることが多く
次第に連絡をしなくなった。
いま、私がここにいることさえ彼女は知らないかもしれない。

リゾットの作り方で紹介されるように、
欧州では米を磨ぐ習慣がないことはご存知だろう。
義母も例外ではなく、ときどき米料理をするときは米のパッケージから直接鍋に投入である。
F子さんと連絡をしていたら、伝えただろう。
エコ先進国と日本でされているドイツは普通の米も洗わない!!!
欧州の米は無洗米のように脱穀されているかも、と言われたらお手上げだけどね。

私もマネをして、先日紹介した日本米を磨がずに炊飯したが、
味の変化はほとんどない。むしろ、旨い~!
ただ、炊飯器の内蓋と蒸気口周辺の汚れがつくので、以後は1、2回程度に磨いでいる。

F子さんは私には「無洗米は磨ぐ必要がないから、面倒がりのあなたにとても便利ですよ」とでも勧めてくれていたら、今でも連絡していたかもしれない。
または「水代節約になります、1年間に数十円!」ってのも良かったかもしれない。
ここでは炊飯器のタイマーに使う電気でさえ節約を申し渡されているのだからね~
とにかく、環境に良い云々ってのは私の神経を逆なでするのだ~