怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

群れない人々

2009年06月26日 | 近隣の人たち
ここは、田舎である。

家の北側の窓から撮影。
野原の向こうの集落はここ20~30年ほど前から建てられた家々。

先日「6月は晴れのことが多い欧州」などと書いたが、書いた次の日から悪い天気が続き、陰鬱
これが6月、寒い夏~

東の窓から撮影。麦畑、のみ。


南のベランダから撮影。隣の家は50メートル先。


西のトイレの窓から撮影。
ここからは隣接する隣の家がよく見える。が、隣の家の玄関は向こう側にあるらしく、
こちらのほうに人がいることはめったにない。


また、家の気密性が日本の家屋の常識の数倍高く、
窓を閉めると、隣の家の話し声、掃除機の音などは聞こえない。
夫が車で帰ってきても、車の音が聞こえないのでいきなり玄関のドアが開くので驚かされたものだ。
もっと凄いのは、夜中にドクターヘリが100mほど向こうの畑に降りたらしいのだが、
まったく気づかずに一家そろって眠っていたことだ。
翌朝、妙にへこんでいる畑の作物を見て、義父がヘリコプターのことを話してくれた。
「このあたりの誰かが病気になったのだろう」
私の実家は田舎ではないが、救急車でも来ればどこの誰に来たかぐらいすぐ判明したものだ。

この、家の気密性のせいなのだろうか、
ウチ周辺は近所付き合いというものがない。
日本のような自治会みたいなものもない。
子供達の通う学校の行事を手伝うとか運動会を見に行くとか、老人の集まりとか、
日本で普通にありそうなものがほとんどない。
地域の子供の集まりのポスターが通りにはってあることがあるが、
これも子供とせいぜいその親が参加するだけで、他の住民を巻き込まないようだ。
教会が主導してなにか集まりをやるのだろうか、とも予想していたが、
すでに地域の教会は周辺住民をまとめるほどの権限はないらしい。
だいたい、義父母も教会に定期的に行かないし

月に何度か(注意、週に、でない)のゴミは各家の前に置いておくだけなので、
ごみ収集所で近所の人と顔を合わせる、ということさえない。
わたしはいまだに、西側の家の住人の顔と名前を知らない。
おそらく、夫も知らないだろう

そんな状態だから、もちろん、回覧板のようなものもない。
ときどき、B5くらいの用紙に印刷された「クリスマスの集い」「メイポールの集い」などがポストに入っているが、強制ではない。
ちょっと立ち寄って、縁側でお茶、も縁側がないし、では立ち話、ともなると、
夏の一瞬はいいかもしれないが、そのほかの季節は寒すぎる。
とにかく日本のように住民が集まって何かする、というものがない。
(全くないわけではないだろうが、日本の田舎と比較すれば異様に何もない)

これがこの周辺の人間関係である。
もしかして、ここ周辺だけでなく、ドイツの話かもしれないし、
ヨーロッパの特徴かもしれない。
日本の田舎に住む人間関係濃厚な人々がこれを真似したら、
精神を病むこと間違いなし。