林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

曖昧表現術

2012-01-23 | 先輩のお言葉

動物行動学の日高敏隆さんが若い頃に書いた文章は、
いま思うと大丈夫かと思うくらい、
また、ハッタリじゃないかと思うくらい物事を断言していたそうだ。

特に学位論文にはある種の派手さが必要で、
多少無理があると思ってもAならAを「Aである」と断定しないと目につかない。
それに若いから怖いもの知らずで断定は若さの特権だろう、と日高さんは言う。

しかし歳を重ね学会のあれこれを知ってくると、怖いもの知らずとはいかなくなる。
Aと言い切ればどうせまた外野からチクチク言われて面倒だ、という狡さも生まれてきて、

  ・Aではなかろうか。

という表現になってくる。それに更に頭に「おそらく」をつけて

  ・おそらくAではなかろうか。

そんな技術が磨かれて、

  ・Aであろうかと思う。
  ・Aであろうと思うのは、私だけだろうか。
  ・Aであろうと思うほかはないような気がする。

という具合に、どんどん曖昧表現が培養されて、面白いですよ、ということだった。

などと赤瀬川原平さんは、著書「優柔不断術」にルル書いています。

「林住記」をこそこそ書いてる森生は、実は相当なじじぃです。
なのに平気で断言するのは、チクチク言ってくれる読者がいないからですが.......。

120123



最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
曖昧培養液 (おかめ)
2012-01-24 14:40:15
森生試験紙をこの液に浸すと、毒気が薄まりズケズケ感が鈍くなり…つまり面白味が無くなり…輪郭がおぼろげになり…とにかく、痒いところに手が届かなくなりイライラが募り、胃が痛くなり、歯痛にもサワリマス
読者諸氏諸姉は曖昧感・朦朧感を求めてはいませんのでせふ
返信する
影響もご縁なのかも (anatagaitiban)
2012-01-24 19:52:59
昔々…山田太一が好きな頃があって、彼のエッセイをかじりつくように読んでいた事があるのですが…
その中に、記憶は曖昧?ではあるのですが
『…言い切れる事なんて何もない…断定する事はできない…』(断定?(笑))と言う一節がありました。
だから 人が断定していたとしても、『それは違う』とは言い切れない。 ので 『そうかもしれないけれど 私はこう思うような気もするよ。』と思う(言う)ことにしています。(笑)
返信する
チクチク言われたって (むかご)
2012-01-24 20:29:47
おかめ美人姉さまがおっしゃるように、むかご婆さんも切れ者森生さまの今が好きでございまする。 ジジィやババァになると頑固一徹 我が道を行く、が生き甲斐ですからねえ。
返信する
人生相談 (森生)
2012-01-25 20:50:36
おかめさま
閲覧数が伸びないのは 憎まれ口の所為かと.....
四捨五入すれば既に百 そろそろお迎えも近く 誰からも愛される好々爺にもなりたい
といっても つい愚痴が出て 嫌味たらたら
こんなじじぃにも 極楽はあるのでせうか
おかめお姐さまの歯痛は お見舞いしますが やっぱり.....
返信する
正しい行い (森生)
2012-01-25 20:55:14
anatagaitibanさま
え? ?????
よく分かったような分からないような といえないこともない おコメント
でも 正しい行いのような 気がしないでもない......
うふふ
返信する
長く生きるには (森生)
2012-01-25 21:02:16
おかめさま
憎まれじじぃ 世にハバカル
と昔からいいますからね
惜しまれて早死にするよりも 勝手気侭に長生きしたほうがトクかもね
同期会 忘年会 新年会をこなしてみると 人生はサバイバル と思います
返信する

コメントを投稿