林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

運慶と西洋美術館

2009-01-26 | 拍手

 

数年前に藝術新潮を20年分古書店に引き取って貰ったことがある。
現在の大判になった創刊号から、欠番無し、しかもカバー付きで大切にしていたものだ。
古書市では1冊100円か200円の値札が付いてるので、100円か悪くても50円はくれるものと思っていたら、何とタダだった!

他の単行本十数冊も全てタダで、「職人衆昔話」正続が僅かに1000円だった。
ワゴン車で受け取りに来た癖に、そりゃぁあんまりだ、と思わず不平を漏らしたら、哀れんでか、1500円にしてくれた。

◎◎◎

年末は入院していたので、1月号が買えなかった。
退院後、飯能の書店に買いに行ったら、何時もなら月末まで書棚に売れ残っているのに売り切れだった。駅の周りの3軒を探したが、どこも売り切れだった。
どうせ古本屋に出してもタダだし、積んどく本が沢山あるから、もう芸術新潮は止めだ、と思った。

だが、何故だろうと新潮社のHPを見たら、1月号は「運慶」大特集だった。
そしてここも既に、売り切れだった。

そうなうと、ここで諦めるのは沽券に拘る、とアマゾンを見たら、残りは僅か4冊だ。送料300円を含め1700円で迷わず注文してしまった。

◎◎◎

届いた運慶大特集は実に素晴らしい。これじゃぁ売り切れるわけだ。

このところの芸術新潮は、一時のエログロ路線を改めて、結構面白い。
写真が素晴らしい上に、読み物としても、軽く、分りやすく、結構ミーハーしていて嬉しくなる。学者評論家先生の文章とは異なり、門外漢読者の興味をそそる内容だ。

ごった返していて、肝心の展示が他人の頭越しにしか見えない企画展より、近くによっても気付かない細部写真からレントゲン写真まで良く見えて、ずっとマシである。

 

と、そうこうしている内に2月号が出た。今度は開館50周年国立西洋美術館特集である。
内容は、この美術館をどうしたらまるごと十分に楽しめるか、の特集だ。

世界遺産に登録することにフランス側の方が熱心なわけとか、美神檀ふみサマや中村吉衛門が一文を寄せたりとか、皇后陛下の入れ込み様とか、話題は賑やかだ。

なお、3月号はあの天平彫刻の傑作阿修羅立像に関して、興福寺創建1300年記念「阿修羅のまなざし」である。
また1年、芸術新潮を買い続けなければならない。

◎◎◎

ところで、こんなに人気があった本は、古書店が高く引き取るかと言えば、さにあらず。
あの時のつれない古書店主によれば、ベストセラー本は二束三文で、あまり売れなかったが、評価の高い専門書の方が価値があるそうで........。 



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2 コメント

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Unknown (小肥り)
2009-01-26 16:05:11
古書店とはそういうものですね。
昔の話・・・
私が「価値あり」と勝手に決め付けた本が
情けないほどの安値を提示されました。
で「欲しい」という人に進呈しました。
まあ、逆に古書店で格安本を探したりします。
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評価 (森生)
2009-01-27 13:59:40
小肥りさま

上司の評価も同じでした

キーッ
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