林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

終の棲家は

2013-01-22 | 林住期

NHK特別番組「終の住処はどこに・老人漂流社会」を見た。

見たくはなかったが、現実を知らなくては間近な分れ道で、適切な選択ができないので見た。
内容は想像どおりの暗澹たる状況だった。
だれもがこういう状態に堕ちる恐れがある、と思った。

 今、高齢者が自らの意思で「死に場所」すら決められない現実が広がっている。
 一人暮らしで体調を壊し、自宅に居られなくなり、病院や介護施設は満床で入れない「死に場所なき高嶺者」は、
 
短期入所できる施設を数ヶ月おきに漂流しなければならない。

 超高齢社会を迎え、一人暮らしの高嶺者は今年500万人を突破する。
 「住まい」を追われ、「死に場所」を求めて、漂流する高齢者が溢れ出す異常事態が、既に起き始めている。

日本は今、東京オリンピックを誘致するどころではないのである。

番組中、意外なところがあった。

 80代になっても働いていた元運転手は5年前に妻に先立たれ、体調を崩し、一人で生活できなくなった。
 現在は8万円の年金に生活保護費を加え、施設を転々としている。
 住み慣れた町営住宅も整理すると、手元に残ったものは妻の遺骨と位牌。他には残高14万円の通帳だけである。
 身体は利かないが意識は正常である。

最後(と思われる)転居に際し、行政職員が終末医療について本人の意思を確認した。
延命治療を望まず自然死を希望するのかと思ったら、驚くべし。なんと、最後まで治療を希望したのだ。
もちろん希望は記録されたけれど、そういうものかなぁ、と感じ入った。

医学の際限の無い進歩は考えものである。
僧侶、神父牧師など宗教家は人間の最期について、もっと語るべし。

再放送は23日深夜、つまり1月24日(木)0時25分~1時14分です。

130122



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6 コメント

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私も驚いた (むかご)
2013-01-22 20:32:18
見ました。あの悲しげな闇のような瞳がなんともいえず
やりきれない思いでした。なのに、生きている限り治療延命
を希望する という答えに心底驚きました。
生活保護が無ければ今日という日も生きておれない
状態なのに意外でしたね。最後まで人様の税金に頼って
生きていたいのかと。麻生さんのサッサと死ぬ・・・
という言葉に大いに賛成、我が身の終末はどのような
状態になるのか考えさせられた番組でした。
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Unknown (志帆)
2013-01-22 21:40:40
私も見ました。延命治療を希望するとは思いませんでした。もっと困難な状況にいる高齢者も多いと思うのですが、そこまでして生きたいのでしょうか?

誰にでも起こり得る状況に暗澹たる思いでした。いくら準備していても思い通りには行かないでしょうから不安が募るばかりです。
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麻生太郎 (森生)
2013-01-23 11:30:28
むかごさま
森生も麻生氏の「暴言」に賛成です
但しカレの場合 発言する場所を弁えていない 修辞に無関心なことが大きな欠点ではないでしょうか
つまり 政治家としての適性が無い ということですね

あのご老人には驚きました
これまで 生きることに精一杯だったのでしょう
救えるのは宗教ではないか と思いました

.......この問題は 簡単には言い表せません
もっともっと 考えてみる必要があると思います 
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長寿 (森生)
2013-01-23 11:39:59
志帆さま
日本は世界一の長寿国(最近は香港だったかも)ということですが 無理矢理な長寿国のような気がします
単なる長寿には 何の価値もありません
死からは誰も逃れられない 死は怖くない ということを宗教家は伝えなければ と思います
認知症は避けたいけれど なってしまえば本人は 案外辛くないのかもしれません
先々のことを考えておかねばなりませんが 考えても仕方がないことかもしれません
要するに よく分かりません
それでいいのかもしれませんね
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さっさと逝こうと思っています ()
2013-02-01 00:04:07
観ました。
認知症の母とそれを疎ましく思う父と炬燵に入って。
いろいろ考えました。

順番から言えば二人が召されたら、次は自分の番。
親が居るウチに逝ってしまうのは親不孝になるだろうから
なんとか頑張って。。。と。
そのあと子供達に負担は掛けたくないから麻生主義宣言。
さっさと逝きますよ。
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死生観 (森生)
2013-02-01 20:56:16
先さま
ご覧になりましたか
森生のご同輩は みんな女房が何とかしてくれる と言って観てません
知り合いのおばばたちは 大体観ておりました
男はダメですねぇ 先さまは別にして......

ただ 誰もが麻生太郎に賛成です
言い方と 言う場所が不適切 という意見でした

あの暗く悲しい目のご老人は どう死ぬかなんて考えている暇がなかったのかもしれません
とすれば 哀れさが二乗します
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